病床、感染症法改正で対応 社会保障財源先送りせず 加藤勝信厚生労働相 「閣僚に聞く」
―これまでの新型コロナウイルス対応をどう評価するか。
「感染拡大に病床確保が追いつかず、健康観察や治療が十分でなく、自宅で亡くなる人もいた。こうした課題に対応するため、感染症法などの改正を準備している。司令塔機能の強化も重要だ」
―全世代型社会保障の実現に向けた財源確保の在り方は。
「将来世代に負担を先送りせず、能力に応じて皆が支えていくことが重要だと考える。全世代型社会保障構築会議で議論してもらいながら、中長期的な課題を工程化していく」
―人口減少が加速し、医療・介護分野の人材確保がさらに難しくなる。
「高齢化に伴い、医療・介護サービスのニーズが高まっていく。人材育成や離職防止、外国人材の受け入れ、現場で働く人の処遇改善が必要だ。健康寿命を延伸することで医療・介護の需要を抑制し、IT化による効率化にも取り組む」
―年金の制度改正については。
「基礎年金の水準低下への対応や、厚生年金のさらなる適用拡大などの論点について検討を進めたい」
―中小企業が賃上げを実施するための対策は。
「物価が上昇しており、持続的な賃金上昇が必要だ。事業者が助成金を使いやすくなるよう、対象を拡大し、助成率を引き上げた。賃上げ、生産性向上が図られる流れをつくりたい」
―子ども関連予算の倍増に向けては。
「来年4月にスタートする『こども家庭庁』が機能を十分に発揮する予算を確保し、将来的な倍増につながるよう、連携して取り組んでいく」