爪はがされ強制労働、ロシア軍拷問施設に長期間拘束されたスリランカ人7人を保護
【キーウ=上杉洋司】ウクライナ東部ハルキウ州の警察幹部は18日、SNSで、ロシア軍が撤退するまで設置していた拷問用施設で、スリランカ人7人が長期間拘束され、爪をはがされたり、労働を強制されたりする虐待を受けていたと明らかにした。
拘束されたのはスリランカ人の男性6人と女性1人で、滞在先から、5月に州都ハルキウへ徒歩で脱出しようとしたところ、検問所で露軍に拘束された。頭に袋をかぶせられ、州北部の拷問施設に連行された。
清掃員として労働を強要され、男性2人が爪をはがされるなど暴行を受けた。ウクライナ軍が領土奪還後、7人は地元警察に保護された。
一方、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は18日、ロイター通信などに、ウクライナ軍の反転攻勢を受けた露軍の行動が予測困難になったとし、「警戒と万全の準備が必要だ」と訴えた。
ハルキウ州知事は18日、SNSで州内にある精神科病院が砲撃を受け、医療関係者4人が死亡したことを明らかにした。隣接するドネツク州スラビャンスクの火力発電所は18日も砲撃された。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日のロイター通信とのインタビューで、ロシアが併合した南部クリミアに関し、「外交で取り戻すこともあり得る」と述べた。南部と東部での反攻で領土を可能な限り奪還し、ロシアにクリミア返還を迫るシナリオを維持していることを示唆した発言とみられる。