Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

イーゴリ・ストラヴィンスキーの管弦楽のための4つの練習曲を聴く

2012-08-19 07:57:56 | ストラヴィンスキーの作品
昨日もウォーキングを休みました。
今回とりあげるストラヴィンスキーの作品は、
1914年から1918年に作曲された管弦楽のための4つの練習曲である。
第1曲から第3曲は弦楽四重奏のための小品をもとに、
第4曲はピアノラのための練習曲である「マドリッド」をもとに、
管弦楽化して組曲のスタイルにしている。
演奏はピエール・ブーレーズ指揮、シカゴ交響楽団による。
第1曲「踊り」は、管弦楽化することで荒々しい感じが出ている。
ロシア風の踊りの音型が何度も繰り返される。
第2曲「エクセントリック(風変わり)」は、
無機的な感じに繰り返される音型にもう一つ音型が呼応し、
その音型が繰り返されたあと、別の音型が呼応しながら繰り返され、
フルートが旋律を奏でていき、再び冒頭の音型が繰り返されて終わる。
第3曲「賛歌(雅歌)」は、重々しい旋律が弦楽器によって現れたあと、
歌うような聖歌風の旋律が木管楽器により繰り返される。
素朴な旋律も現れ、それぞれの旋律が繰り返されて終わる。
第4曲「マドリード」は、スペイン風の舞踏的な旋律が、
色彩豊かに管弦楽化されて、原曲と比較すると面白い。
金管楽器や木管楽器が奏でる旋律が明るいスペインの感じを思わせ、
最後は盛り上がるわけでもなく、突然終わるような感じが面白い。
それにしても、ブーレーズはこの作品を何度も録音している。
私が所有しているCDでも3種あるのだから得意な曲なのだろうか。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーのオペラ・オラトリオ「エディプス王」を聴く

2012-08-18 05:06:28 | ストラヴィンスキーの作品
昨日は結局ウォーキングを休みました。
今回とりあげるストラヴィンスキーの作品は、
1927年に作曲され、1948年改訂されたオペラ・オラトリオ「エディプス王」である。
演奏はエディプス役をつとめるテノールのジョージ・シャーリー、
ヨカスタ(イオカステ)役をつとめるメゾ・ソプラノのシャーリー・ヴァーレット、
クレオン役のバスのドナルド・グラム、
タイレシアス役のバスのチェスター・ワトソン、
使者役のバス、ジョン・リードン、
羊飼い役のテノール、ローレン・ドリスコル、
語り手のジョン・ウェストブルック、
イーゴリ・ストラヴィンスキー指揮、
ワシントン・オペラ協会管弦楽団および合唱団による。
この作品は2幕からなる作品である。

第1幕は冒頭が語り手の場面設定の説明から始まる。
合唱が入り疫病で苦しむテーベの様子が描かれる。
エディプスのアリアのあと、合唱が入り、それが繰り返され、
次に語り手の話のあと、クレオンのアリアが入り、
それに木管楽器が絡み合っていき、金管楽器も加わり盛り上がる。
そのあとエディプスのアリアになり、スフィンクスの謎を解き、
彼がテーベの人々を疫病から救ったことが歌われる。
そのあと合唱が入り「謎を解いてくれ」と歌い、語り手が入る。
そして王を殺したのは王であるという神託が下されたことを伝える。
合唱が続き、タイレシアスとエディプスの対話が続き、
そのあとエディプスのアリアとなり、合唱が「グローリア」を歌う。

第2幕に入り、語り手のあと合唱が「グローリア」を歌う。
そしてヨカスタ(イオカステ)のアリアとなり、器楽のアンサンブルが絡み、
合唱がそれに絡み、ヨカスタ(イオカステ)の歌が入り、
そのあとエディプスも絡んで、二重唱となる。
語り手の話の後、合唱と使者の歌が絡み合い、
羊飼いとエディプスの歌が絡んでいき、
エディプスは自分の出生の秘密を知ることになる。
エピローグの部分はファンファーレとともに語り手が
エディプスはテーベを去ることになった結末を話す。
使者の歌と合唱とオーケストラによる音楽が展開され、
最後はティンパニが鈍く音を叩きながら終わる。
この作品昔はショルティ盤をよく聴いていたのだが、
どうもしっくりする部分がなく退屈な感じがした。
その点自作自演盤は作曲者の意図することが分かり、
録音は古いものの、流れるような音楽の展開がいい。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーの歌劇「放蕩児の遍歴」第3幕を聴く

2012-08-17 11:22:15 | ストラヴィンスキーの作品
今回は前回からとりあげているストラヴィンスキーの
歌劇「放蕩児の遍歴(放蕩者のなりゆき)」の第3幕について、
演奏は昨日までと同様の自作自演によるものである。
第3幕第1場はトム・レイクウェル家の居間から始まる。
華やかな感じの音楽で始まり、人々が集まりにぎやかな感じが描写される。
ニックが持ちかけた事業は失敗し、トムは破産する。
コーラスはそのトムの破産を示すかのように不気味な感じを出している。
トムの家では競売人のゼレムが家具の競売を始めている。
群衆が彼の家の前に集まる中、アンはトムを探し求めて、
ゼレムの競売をする歌に、群衆は値を上げて参加していく。
やがてはトムの妻、ババまでが競売にかけられようとする。
妻をオークションにかけるということは、
当時のイギリスの文書にも見られることである。
ババはトムを今でも心配しているアンと会話をし、
トムがまだアンのことを愛していることを伝え、身を引く。
そして、アンにトムとともにいるニックに気をつけるように言う。
競売は終わり、アンはトムのもとに行こうとする。
ババは馬車に乗って去っていき、最後華やかに終わる。

第3幕第2場は星のない夜、墓場が場面となっている。
低弦により不気味な世界が描写されて始まる。
トムが不安さを歌う前にニックが現れ、
一年と一日が経ったので支払いがほしいという。
トムは財産がないことをいうと、ニックはお前の魂がほしいという。
二人の二重唱が続き、困惑するトムに対し、
ニックは賭けをして勝ったら猶予することを提案する。
その提案に乗ったトムはニックとトランプで賭けをする。
アンへの真実の愛に目覚めた彼は賭けでニックに勝ち、
トムはアンを求めようとし、アンの声が舞台裏から聞こえる。
敗れたニックは怒り、トムを放り込むための墓穴に入るが、
その時にトムへ精神障碍者となるように呪いをかける。

第3幕第3場は精神病院の場面となる。
狂気のうちに自分をアドニスだと思い込んでいるトムは、
ヴィーナスを求めて歌い、周囲の精神障碍者たちはコーラスを歌う。
管理者に導かれ、そこにアンが訪ねて来る。
アンがトムをアドニスと呼ぶと、アンをヴィーナスだと思ったトムは、
その喜びを歌い、トムとアンによる二重唱が続いていく。
急によろめくトムをアンはしっかり彼を支える。
そして彼のために子守唄を歌い、トムは眠りにつく。
そこに父トゥルーラヴがやって来て、アンを連れて帰ろうとする。
アンはトムに別れを告げようと歌い、トゥルーラヴとの二重唱となる。
歌が終わると、トムは眠りから目覚め、アンがそこにいないことに気づく。
「ヴィーナス、何処に行ったんですか」と叫び、
彼女を探そうとするが見つからず、悲嘆にくれて寝床に倒れて死ぬ。
最後はエピローグの部分となり、墓の前で全員が合唱で物語が終わったことを歌う。
そして軽快な音楽に乗って登場人物がそれぞれに放蕩者の物語への教訓を歌っていく。
最後は全員で歌って、最後華々しく、颯爽と終わる。

全曲を通して初めてしっかりこの作品を聴いた。
最初にこの作品の全曲を聴いたのは1994年頃で、
18年くらい前のイギリスだったと記憶している。
ロンドンのクイーン・エリザベス・ホールで行われたこの演目は、
当時話題となっていたが、物語の内容がよく分かっていなかった。
最初からよく内容を知っておけば、また楽しみ方も違っていたんだろうなあ。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーの歌劇「放蕩児の遍歴」第2幕を聴きながら、二俣川から三ツ境まで歩く

2012-08-16 12:00:52 | ストラヴィンスキーの作品
今日は朝から二俣川から三ツ境まで往復して歩きました。
途中聴いたストラヴィンスキーの作品は、
1951年に作曲された歌劇「放蕩児の遍歴(放蕩者のなりゆき)」である。
演奏は昨日と同じで、今回はそのうちの第2幕について触れる。
第2幕第1場ロンドン・スクエアにあるトム・レイクウェル家の居間は、
オーケストラのみによる導入部から始まり、トムのアリアが入る。
トムは都会の快楽に飽きたことを歌い、自暴自棄になり、
アリアの最後には「ほんとうの幸福がほしい」と叫ぶ。
そこにニックが現れ、トムとのトルコ人ババと結婚することを勧める。
トムは「お前は気でも狂ったのか」とニックに言う。
そのあとニックのアリアになり、トムを説得する。
やがて二人の二重唱となり、トムは求婚しようと心弾ませる。
音楽は幸福感を感じさせるように盛り上がって終わる。

第2幕第2場トム・レイクウェル家の前の通りでは、
不安を感じさせるオーケストラの導入部に続き、
トムを探しにロンドンに来たアン自身の心境を歌う。
灯りの中でトムを見つけたアンはトムに声をかけ、
トムもアンに気づくが、トムは「私を呪って、行ってくれ」という。
そのあとトムとアンの二重唱となり、
トムはアンが今でも愛してくれていることを知るが、
そこでトルコ人ババの声がして、アンは誰なのかをトムに聞く。
トムはトルコ人ババが自分の妻であることをアンに言う。
アンは諦めてトムに別れを告げて去っていく。
あの女性は誰かとババはトムに尋ねるが、ただの幼な友達だという。
そして音楽は堂々とした行進曲風の曲となって華々しく終わる。
第2幕第3場の舞台は再びトム・レイクウェル家の居間にもどる。
あわただしい日常の生活を描写する音楽がオーケストラにより奏されて始まる。
ババの早口のアリアが歌われ、トムはそのババの態度にうんざりした感じである。
ババの顔にかつらをすっぽりかぶせて黙らせたトムは寝ようとする。
夢の中で石をパンに変える機械を見るが、目覚めるとそこにニックが現れる。
ニックはトムが夢の中で見たパンに変える機械を手にしている。
さっそく実験して見ようということになり、その実験結果を信じたトムは、
この新しい事業に自分の人生をかけることを決心する。
輝かしい未来を感じさせるように、音楽は最後華やかに終わるが、
それは皮肉的であり、いんちきな機械に騙されたトムの将来を暗示している。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーの歌劇「放蕩児の遍歴」第1幕を聴きながら、二俣川から緑園都市まで歩く

2012-08-15 11:34:51 | ストラヴィンスキーの作品
昨日はウォーキングを休んだのですが、
今日は朝から二俣川から緑園都市駅まで往復して歩きました。
途中聴いたストラヴィンスキーの作品は、
1951年に作曲された歌劇「放蕩児の遍歴(放蕩者のなりゆき)」である。
イギリスの画家ホガーズの風刺と教訓に満ちた銅版画を
彼がシカゴで見た時にインスピレーションを得て作曲された作品である。
今回聴いたCDはトゥルーラヴ役のドン・ガラードのバス、
アン役のジュディス・ラスキンのソプラノ、
トム・レイクウェル役のアレクサンダー・ヤングのテノール、
ニック・シャドウ役のジョン・リアドンのバリトン、
マザー・グース役のジェーン・マニングのメゾ・ソプラノ、
トルコ人ババ役のレジーナ・サーファティのメゾ・ソプラノ、
競売人ゼレム役のケヴィン・ミラーのテノール、
看守役のピーター・トレイシーのバス、コリン・ティルニーのハープシコード、
サドラーズ・ウェルズ・オペラ合唱団、ストラヴィンスキー指揮、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
今日はそのうちの第1幕について触れる。

第1幕第1場田舎のトゥルーラヴの家の庭の冒頭は、
金管楽器による華々しいファンファーレで始まる。
そのあと木管楽器中心に牧歌的な音楽となり、
トゥルーラヴの娘アンの歌に続き、トム・レイクウェルが加わり、
二重唱となり、やがて父親のトゥルーラヴ氏が現れて歌い、
三重唱となるが、それが終わるとレチタティーヴォとなり、
アンの恋人であるトムとアンの父トゥルーラヴの会話が続いていく。
トゥルーラヴはトムに真面目に仕事をすることを話すが、
トムは一攫千金を狙おうと夢見て彼の話を聞こうとしない。
そこにニックが現れて伯父の莫大な遺産が入ったことをトムに伝える。
アンを愛しているトムであるが、貧しいままでは結婚できない。
トムはニックの話を半信半疑で聞いていたが、
トゥルーラヴも財産の問題を早く片付けた方がよいと言うので、
ニックの言うことを信じ、愛するアンと別れてロンドンに行く。
そしてニックはトムの使用人となるが、その時1年と1日後に、
金を支払わなければならないという要求をする。

第1幕第2場ロンドンの女郎屋マザー・グースの家の冒頭は、
あわただしい都会ロンドンの生活が管弦楽により描写されて始まる。
様々な遊び人たちのいる中、トムはニックにより堕落の道へと導かれる。
女郎屋で帰ろうとするトムに対し、ニックはそれを阻止しようとする。
トムは美と快楽を与えられるが、堕落していく自分を嘆く。
第1幕第3場秋の田舎のトゥルーラヴの家の庭の冒頭は、
木管楽器により秋の寂しい様子が描写される。
恋人トムからの便りのないことを嘆くアンは、寂しい心の心境をアリアで歌う。
彼女はトムの安否を心配し、ロンドンにいるトムのもとへ行く決心をする。
その強い決意を表すかのように最後は決然とした感じで堂々と終わる。
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