南房総の花（１） 千葉・白浜

　　＜南房総の花　千葉・白浜＞

　（１）

「ポピーは咲いているのではなく、蕾の状態のを必ず摘んでくださいね。持ち帰っ
てから数日で必ず咲きますから。ポピーは蕾二本で50円になります・・・」
　花畑への入り口でオバサンが客たちに説明している。

（ふーん、そうなんだあ！）
　まるでわからないわたしは感心するばかりである。教えてもらわなければ、きっ
と咲いているのを摘んでしまうな。

　ここは房総白浜に近い幹線道路沿いにある、わりと大きな花畑「フローラルビレ
ッジ名倉」である。
　房総白浜温泉は寒いのにもかかわらず南国めいた風景で、空にはたくさんの鳶が
舞っていた。





　道路端からでも花の写真を撮ろうと思ったが、いかんせん遠い。やはり近くで
撮りたい。となれば花畑のほうも商売だ、まったくタダというわけにもいかないだ
ろう。
　入園料は500円。聞けば花が1本50円で、入園料には10本が本込みであるという
ことだから実質入園料はゼロ円になる。まあちょうどいい・・・というよりかなり
お得、との皮算用である。

「キンセンカは花がいくつあっても根元あたりで切ればだいじょうぶ。ストックは
この辺で摘むように・・・花が二本あると100円になってしまいますから・・・」
　花摘み用の鉄鋏を渡されて、花畑に降りていく。

　寒い日が続いているせいだろうか、思ったより花たちが咲いていないような気が
する。



　もっとも、どちらかというと花摘みにはあまり満開でなく、蕾のほうがいいのか
もしれないが。　
　それでもとにかく綺麗なものだ。



　キンセンカの花・・・鮮やかである。





　　　―（２）に続くー