温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

出石へ(2)

2009-05-17 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <出石へ(2)>

 迂回をしていると、昨年有馬温泉から走った見覚えのある道に合流した。
 もう、出石は近い。
 但馬の小京都と呼ばれる出石は、「古事記」「日本書紀」にも名前のでてくるほ
ど歴史の古いところである。
 新羅の王子天日槍(あめのひぼこ)が渡来してこの地を拓いたと伝えられ、この
土地の名前も、天日槍の宝物である『出石小刀』からとられたといわれている。

 出石にはいると「ドライブインいずし」の無料駐車場に車をとめた。
 わたしがいま飲み物全般に愛用している茶碗はここの売店で買ったものである。
いまもそれでお茶を飲みながら書いている。

 昨年は出石蕎麦を食べただけで通過してしまったので、今回は町を歩いてみよう
と思う。なにしろ小京都なのだから。それにちょっと買いたいものもあるのだ。


 
 丘の上にあるのは、出石城址である。



 辰鼓楼・・・ここで、辰の刻(午前八時)に藩主の登城を告げる大太鼓が打ち鳴
らされていたそうだ。いまは、大時計が時を告げている。
 わたしは、自分の電波時計と比べてみて、この三代目の大時計の正確さをたしか
めた。



 すごい人出である。さすがはゴールデンウィークだ。人を入れないように画像を
とるのが大変だ。
 屋根に鶴が乗っている店もあった。



 旨そうな出石そばの店が驚くほどたくさんある。
 宝永三年(1706)に信州上田の仙石政明(せんごくまさあきら)が国替えではい
り、七代にわたって出石藩を治めたが、天保六年(1835)の仙石騒動により、三万
石に減封され明治に至った。
 出石蕎麦にも使われる「出石焼」はこの江戸時代中期に始められ、また出石皿
そばは、仙石氏が信州からそば職人を連れてきたのがはじまりだそうだ。



 舞鶴の厚切りトーストのおかげで腹はあんまり減っていないが、せっかくだから
店構えの良い店にはいってみる。
 一人前がたしか五皿だったから、食べられるだけ食べてすこし残せばいいや。



 食べなれた信州蕎麦と同じ味だから、四皿は蕎麦つゆで、ひと皿は蕎麦つゆに
玉子を落として、きれいに食べきった。玉子いりのつゆは、ひと皿くらいがわたし
にはちょうどいいようだ。



 長い年月を経た、赤い土壁。季節の変化で、土壁の色も微妙に変わるといわれて
いる。
 出石の造り酒屋、出石酒造の酒蔵である。創業は宝永五年(1708)であるから
三百年を超える老舗だ。

 ここで地酒を買う、が今回の目的なのだ。
 買うのは、酒屋ではまず手にはいらない、知る人ぞ知る幻の銘酒 「楽々鶴」で
ある。「らくらくづる」ではなく「ささづる」と読む。



 辛口ですっきりとした口当たり、コクがあり、大量生産では決してできない独特
の旨みが味わえるという。



 もう少し散策したら、できるだけ早めに宿に到着して、冷やで早く呑みたいもの
だ。


  →「出石へ(1)」の記事はこちら
  →「出石皿そば」の記事はこちら

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 出石へ (1) | トップ | 城崎温泉・夕景 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ぶらり・フォト・エッセイ」カテゴリの最新記事