温泉クンの旅日記

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奈良・桜井、長谷寺(3)

2023-11-26 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <奈良・桜井、長谷寺(3)>

 長谷寺だが、”奈良大和路の花の御寺”といわれるほど、四季折々の花が季節ごとに異なる表情を見せてくれるのも魅力となっている。
 冬から春にかけては冬桜、蠟梅、椿などや、長谷寺の代名詞という7000株の牡丹が咲き誇る。

 

 また、吉野と並ぶ1000年来の桜の名所でもある。夏は初瀬山の新緑、そして山内のいたるところに3000株のアジサイが色とりどりに咲き乱れる。秋には楓やイチョウの木々も色づき、萩、彼岸花、金木犀など秋を代表する花々が見頃になるそうだ。
 花だけではなく寺内には長谷六坊や開山堂、五重塔とかのいろいろ見どころもあるようだ。

 もとより本日のわたしの目的は本堂参拝のみ、寺内の見どころや花のことなど一切考慮の外だが、観光を兼ねて参拝するのなら調べてから訪れたほうがいい。

 稲妻形に折れ曲がる登廊を降りていく。
 上登廊を降りきったところ、つまりは「中登廊」を登りきったところに「蔵王堂」があって足を止めた。登廊と本堂だけでまっすぐ帰るのもなんだな、と思ったのだ。

 

 この堂の場所あたりに吉野山から虹が架かり、その虹の上を三体の蔵王権現が歩いて長谷寺までやって来たことからこの堂に、弥勒・釈迦・千手観音の三体の尊像を祀っているそうだ。

「蔵王堂」のすぐ側に、「縁結びの社」と「貫之の梅」があった。

 

「縁結びの社」は、諸国を行脚する西行法師とその妻であった尼僧とが、観音様のお導きによりこの場所で再会したことから建立された。「貫之の梅」は、幼少期を長谷寺で過ごした紀貫之が、叔父である雲井坊浄真を訪ねて再訪した際に『人はいさ 心も知らず 故郷は 花ぞ昔の香に にほひける』と詠んだことにちなむ。

 その脇に、
  「我もけさ 清僧の部也 梅の花」
 と彫られた一茶の句碑を、短い観光記念としてしっかり目に焼きつける。

 

 一茶は三十歳前には東北、三十歳から六年ほど関西、四国、九州など西国で俳句修業に明け暮れたというから、きっとそのころに訪れたのだろう。

(なんか、ひどく喉が渇いてきたぞ・・・)
 自販機を探すか参道の茶店にでも寄ろうと、登廊の帰り道に急ぎ戻ったのだった。

 

 ところで趣きのある長谷寺の登廊だが、傾斜がゆるやかでたしかに歩きやすい。それでも足に自信がないひとのために、中央部にでもいいから一本手すりがあったらいいと思うのだが・・・。


  ― 続く ―


   →「奈良・桜井、長谷寺(1)」の記事はこちら
   →「奈良・桜井、長谷寺(2)」の記事はこちら


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