<群馬・吾妻、枯葉舞う杜のリゾート(3)>
夕食の開始時間にそろそろなるので、一階のレストランに向かう。
各階の山側の端にエレベーターと階段があるのだが、食事に向かう客がいっぱいいて階段を使って降りることにした。
二階から一階に降りていくと、左壁の一面に展示物が貼り出されている。
貼られたスナップ写真や書かれた展示物によると、東日本大震災のときに七か月という、一時避難所としては長期にわたり福島県相馬市の被災者受入れを行ったようだ。被災者とのその後の交流の深さを物語る手紙などもあって、一読して胸が暖まりこの宿に思わず親近感を感じてしまう。
レストランに入り、部屋番号で席に案内される。
卓に置かれた夕食のお品書きによると、先付は「栗ときのこの白和え」、「海の贈り物」と書かれたお造り、火の物は「おっきり込み鍋 彩り野菜」、焼物は「鰤塩麹馬鈴薯焼」、煮物「蕪菊花煮」、洋皿が「きのこ香るムース」。
割安な宿泊料金だから手ごろといえる品数のメニューで、おっきり込みは好物だし、わたしにまったく不満はない。食事は地元農家のこしひかり、お椀は赤出し仕立て、三点盛り香の物。
そして水菓子は林檎パフェだった。
飲み物はメニューをみて、まずは名前で選んで米焼酎「岩櫃城」、呑みきってから特別純米酒「関東の華」を頼んだ。両方とも群馬産である。
部屋に戻り、すこし足らないのでザックに入っている黒霧島を呑んだのだが、そのときに食べた客用茶菓「くっきいせんべい 政衛門(まさえもん)」がひどく旨かった。スライスアーモンドを薄いクッキー生地にのせて焼きあげたもので、信じられないほど古風な名前だが、煎餅というよりは、まるで洋菓子のフロランタンを思わせる絶妙の味わいで魂消てしまった。この菓子は焼酎の水割りや日本茶より、コーヒーか紅茶にこそ合うだろう。
そろそろ暗くして寝ようかと思ったときに、眼の端の白い壁や天井にゆっくり動く黒いものを感じて一気に眠気が飛んだ。
カメムシだ。防御のために悪臭を発することからヘコキムシヘッピリムシともいわれる。部屋の清掃時に越冬のために侵入したのだろう。
寝ているうちに顔に落ちてきても困る。殺生せずに、捕まえて外に出すことにする。結構な数をみつけてしまい、かなりの時間を費やしてしまう。呑みなおしてから眠りについた。
朝、バイキングの食事を簡単にすませると、吊り橋にいってみることにした。
高所恐怖症であるから、現物をみて安物のブランコを繋げたような吊り橋だったらもちろん即断念するつもりである。
堅牢な吊り橋だったので、安心して向こう岸まで渡れた。
なだらかな坂をあがると、キャンプファイァーをする広場があった。
ところで「コニファー岩櫃」のコニファーとは針葉樹を意味する。
だが、訪れたのが晩秋だったためか紅葉と落葉の樹木ばかりに出逢って針葉樹の存在がいまひとつ目立たなかった。
よし・・・。チェックアウトが始まりだした時間となった。
これで、帰る前にもう一度早着替えをしていけば露天風呂を独り占めできそうだ。
→「群馬・吾妻、枯葉舞う杜のリゾート(1)」の記事はこちら
→「群馬・吾妻、枯葉舞う杜のリゾート(2)」の記事はこちら
→「かずら橋と蓬莱橋」の記事はこちら
→「九重“夢”大吊橋」の記事はこちら
夕食の開始時間にそろそろなるので、一階のレストランに向かう。
各階の山側の端にエレベーターと階段があるのだが、食事に向かう客がいっぱいいて階段を使って降りることにした。
二階から一階に降りていくと、左壁の一面に展示物が貼り出されている。
貼られたスナップ写真や書かれた展示物によると、東日本大震災のときに七か月という、一時避難所としては長期にわたり福島県相馬市の被災者受入れを行ったようだ。被災者とのその後の交流の深さを物語る手紙などもあって、一読して胸が暖まりこの宿に思わず親近感を感じてしまう。
レストランに入り、部屋番号で席に案内される。
卓に置かれた夕食のお品書きによると、先付は「栗ときのこの白和え」、「海の贈り物」と書かれたお造り、火の物は「おっきり込み鍋 彩り野菜」、焼物は「鰤塩麹馬鈴薯焼」、煮物「蕪菊花煮」、洋皿が「きのこ香るムース」。
割安な宿泊料金だから手ごろといえる品数のメニューで、おっきり込みは好物だし、わたしにまったく不満はない。食事は地元農家のこしひかり、お椀は赤出し仕立て、三点盛り香の物。
そして水菓子は林檎パフェだった。
飲み物はメニューをみて、まずは名前で選んで米焼酎「岩櫃城」、呑みきってから特別純米酒「関東の華」を頼んだ。両方とも群馬産である。
部屋に戻り、すこし足らないのでザックに入っている黒霧島を呑んだのだが、そのときに食べた客用茶菓「くっきいせんべい 政衛門(まさえもん)」がひどく旨かった。スライスアーモンドを薄いクッキー生地にのせて焼きあげたもので、信じられないほど古風な名前だが、煎餅というよりは、まるで洋菓子のフロランタンを思わせる絶妙の味わいで魂消てしまった。この菓子は焼酎の水割りや日本茶より、コーヒーか紅茶にこそ合うだろう。
そろそろ暗くして寝ようかと思ったときに、眼の端の白い壁や天井にゆっくり動く黒いものを感じて一気に眠気が飛んだ。
カメムシだ。防御のために悪臭を発することからヘコキムシヘッピリムシともいわれる。部屋の清掃時に越冬のために侵入したのだろう。
寝ているうちに顔に落ちてきても困る。殺生せずに、捕まえて外に出すことにする。結構な数をみつけてしまい、かなりの時間を費やしてしまう。呑みなおしてから眠りについた。
朝、バイキングの食事を簡単にすませると、吊り橋にいってみることにした。
高所恐怖症であるから、現物をみて安物のブランコを繋げたような吊り橋だったらもちろん即断念するつもりである。
堅牢な吊り橋だったので、安心して向こう岸まで渡れた。
なだらかな坂をあがると、キャンプファイァーをする広場があった。
ところで「コニファー岩櫃」のコニファーとは針葉樹を意味する。
だが、訪れたのが晩秋だったためか紅葉と落葉の樹木ばかりに出逢って針葉樹の存在がいまひとつ目立たなかった。
よし・・・。チェックアウトが始まりだした時間となった。
これで、帰る前にもう一度早着替えをしていけば露天風呂を独り占めできそうだ。
→「群馬・吾妻、枯葉舞う杜のリゾート(1)」の記事はこちら
→「群馬・吾妻、枯葉舞う杜のリゾート(2)」の記事はこちら
→「かずら橋と蓬莱橋」の記事はこちら
→「九重“夢”大吊橋」の記事はこちら
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