温泉クンの旅日記

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佐原の町並みを歩く(3)

2016-02-10 | 温泉エッセイ
  <佐原の町並みを歩く(3)>

 佐原出身の偉人、伊能忠敬を主人公にした小説、「四千万歩の男」(井上ひさし著全五巻)なる本があって、「徳川家康」読破以来、歴史・時代小説長編がまるで平気になったわたしはずいぶん前に完読したがとにかく長かったことを覚えている。文庫化もされたが、一巻目で六百六十三頁もあるので挫折するひともきっと多いに違いない。



 忠敬は、佐原の養子先の伊能家の財を増やし五十歳で家督を長男に譲って隠居すると、星学暦学などを学び、五十六歳から十六年をかけて日本を歩きつくし、実測による日本地図を完成させた。彼の歩幅は「二歩で一間」という正確なものだったという。文字通りの、地味も極まれりの正に実測である。歩いた距離はざっと八千九百里(三万五千キロ)、歩数にして四千万歩だった。
 忠敬はあだ名で「推歩(すいほ)先生」とも呼ばれていたそうだ。推歩とは天体の運行の計算など暦学上の推算をすることで、いつも熱心に計算に打ちこんでいたそうだ。

(忠敬が歩く以外に測量で補助的に使った量程車、小方位盤、小型象限儀、間縄、とかの実物があの記念館にあればぜひ見たかったなあ・・・)

 気分を変えて、忠敬橋にゆっくり戻ることにする。

 醤油のいい匂いがする。手焼きでかきもちを焼いている「まぎの屋菓子店」だ。店の横の空き地でかきもちのタネになる餅を乾している。今回はいいが次回には絶対に買い食いするかお土産にしよう。



 ここは料理屋の裏口か・・・。五千円以上出せば神戸ビーフのしゃぶしゃぶや鉄板焼きが食べられる、懐石・会席料理「千よ福」である。ちょっと、ここは金額的に縁がないかも。
 さっき歩いてきたときには気がつかなかったが、良さそうな店があるではないか。

 橋を渡り逆側の川沿い、小野川の北側下流をそぞろ歩く。
 川沿い、すぐの「玉澤ふとん店」建物脇になんともきれいに盛られたフラワーアレンジメントというのだろうか花篭が飾られている。



 憎い心遣いになんとも心が和む。



 おっ、・・・ここか。



 とてもフレンチの店には見えない。



 二千円くらいからと手ごろな値段のランチコースや、単品でチキンカレーなども食べられる、フレンチレストラン「夢時庵(ムージャン)」である。ただし、人気があるので事前予約が無難な店である。
 覗くと、さすがに満員盛況のようだった。



 対岸にある歴史を感じる建物は「並木仲之助商店」で和紙、お香、小ふろしき、のれんなどを扱っている店だ。建物をみた感じのとおり創業百年を超す老舗である。

(そろそろ、あぶり餅でも食べたくなってきたぞ)
 よし、あぶり餅だ。うん、そうしよう。
廻れ右して、来るときに見かけた例の店へ急ぎ足で向かうことにするのだった。


  →「佐原の町並みを歩く(1)」の記事はこちら
  →「佐原の町並みを歩く(2)」の記事はこちら

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