<いもフライと佐野ラーメン(1)>
佐野という地名はよく知っているが、アウトレットはまったくもって興味がないし、佐野ラーメンと厄除け大師だけでは興がいまひとつ湧かなかった。
ところが、最近、佐野市のブランドキャラクター「さのまる」の存在を知って俄然行ってみたくなった。
自慢する気はさらさらないが、あちこち旅している関係で全国のゆるキャラはけっこう詳しいのだ。
「さのまる」だが、誕生二年目にして「ゆるキャラグランプリ2012」で堂々の四位を受賞した、なかなかの可愛い犬型のゆるキャラである。
性別は男の子、武士の格好をしていて、腰には佐野名物<いもフライ>の刀を二本差し、ラーメン丼の笠をかぶっている。絶対に外さないというその笠から、大事なチャームポイントである麺でできた前髪を垂らしている。
もちろん、こちらの心にじわりと訴えかけるような愛くるしいつぶらな瞳も重要なチャームポイントだ。
栃木県佐野は、わたしにとってはとても近いところである。だから早起きのわたしは横浜から渋滞が予想される高速を使わずにひたすら下道で行くことにした。
厄除け大師である「惣宗寺(そうしゅうじ)」のそばには、無料の駐車場が嬉しいことにたくさんあったのでありがたくそこを利用させてもらうことにした。
寺のそれほど広くない境内の隅々まで、駐車場として開放しているのには驚かされる。景観はかなり損なうが、足が不自由なひとや年寄りにはなんとも優しい配慮だとその心意気に感心した。
書き入れ時の師走から正月にかけてテレビのスポットCMを流すので、つい覚えてしまう「佐野厄除け大師」は通称で、詳しい寺号は「春日岡山 転法輪院 惣宗官寺(かすがおかやま てんぼうりんいん そうしゅうかんじ)」とやたらに長い。
開基は藤原秀郷、開山(初代住職)は宥尊で、青柳大師、川越大師と共に「関東の三大師」の一つに数えられている。
本堂の横にある金無垢の「れいすい観音」が神々しく輝いて眩しかった。
それに引き換え「お掃除小僧さん」もなんともジミな味を出していた。
(さて、さのまるの・・・まず、いもフライでもたべるかな)
じゃが芋を蒸かして、ひと口大に切って串に刺して揚げる。単純そのものだが、子どものころポテトフライが大好きだったわたしは懐かしく楽しみである。串一本で、五十円から八十円くらいで食べられる。
一本百円と高めの店を通り過ぎ、歩き回ったが、街に五十軒あるという他に売っている店がみつからずしょうがなく百円の店に戻った。
店に入り一本頼むと、椅子に座って待っててくれといわれる。
あらかじめ揚げてあるのではなく、頼んでから、揚げてくれるのだ。これは嬉しい。
おばさんが揚げたてを持ってきてくれたので、受け取って、代わりに百円玉を手渡す。
ひとくち齧って、おやおや、なんとも美味しいではないか。想像していたよりもはるかに旨い。
フライの中身は熱々のマッシュポテトのような食感である。
ソースには地元産の「マドロスソース」を使用するのが多いらしい。大量の玉葱と名水を使って、驚くことに全工程をたったひとりでつくっているという佐野の名物ソースである。揚げたての、さくっとしたコロモに甘味と酸味がほど良くて相性抜群である。
さくさくのなかにもちもち感もあるが、佐野のいもフライは食べ応えを重視して、お好み焼きのような小麦粉の生地にパン粉をまぶしたものをいもにつけて揚げるせいだろう。お好み焼きの生地ということなら玉子や山芋も使っているのかもしれない。
たしかに、佐野ラーメンをこのあとすぐに食べるなら二本は食べ応えがありすぎる。
いもフライ・・・・これは嬉しい想定外の美味しさであった。
― 続く ―
佐野という地名はよく知っているが、アウトレットはまったくもって興味がないし、佐野ラーメンと厄除け大師だけでは興がいまひとつ湧かなかった。
ところが、最近、佐野市のブランドキャラクター「さのまる」の存在を知って俄然行ってみたくなった。
自慢する気はさらさらないが、あちこち旅している関係で全国のゆるキャラはけっこう詳しいのだ。
「さのまる」だが、誕生二年目にして「ゆるキャラグランプリ2012」で堂々の四位を受賞した、なかなかの可愛い犬型のゆるキャラである。
性別は男の子、武士の格好をしていて、腰には佐野名物<いもフライ>の刀を二本差し、ラーメン丼の笠をかぶっている。絶対に外さないというその笠から、大事なチャームポイントである麺でできた前髪を垂らしている。
もちろん、こちらの心にじわりと訴えかけるような愛くるしいつぶらな瞳も重要なチャームポイントだ。
栃木県佐野は、わたしにとってはとても近いところである。だから早起きのわたしは横浜から渋滞が予想される高速を使わずにひたすら下道で行くことにした。
厄除け大師である「惣宗寺(そうしゅうじ)」のそばには、無料の駐車場が嬉しいことにたくさんあったのでありがたくそこを利用させてもらうことにした。
寺のそれほど広くない境内の隅々まで、駐車場として開放しているのには驚かされる。景観はかなり損なうが、足が不自由なひとや年寄りにはなんとも優しい配慮だとその心意気に感心した。
書き入れ時の師走から正月にかけてテレビのスポットCMを流すので、つい覚えてしまう「佐野厄除け大師」は通称で、詳しい寺号は「春日岡山 転法輪院 惣宗官寺(かすがおかやま てんぼうりんいん そうしゅうかんじ)」とやたらに長い。
開基は藤原秀郷、開山(初代住職)は宥尊で、青柳大師、川越大師と共に「関東の三大師」の一つに数えられている。
本堂の横にある金無垢の「れいすい観音」が神々しく輝いて眩しかった。
それに引き換え「お掃除小僧さん」もなんともジミな味を出していた。
(さて、さのまるの・・・まず、いもフライでもたべるかな)
じゃが芋を蒸かして、ひと口大に切って串に刺して揚げる。単純そのものだが、子どものころポテトフライが大好きだったわたしは懐かしく楽しみである。串一本で、五十円から八十円くらいで食べられる。
一本百円と高めの店を通り過ぎ、歩き回ったが、街に五十軒あるという他に売っている店がみつからずしょうがなく百円の店に戻った。
店に入り一本頼むと、椅子に座って待っててくれといわれる。
あらかじめ揚げてあるのではなく、頼んでから、揚げてくれるのだ。これは嬉しい。
おばさんが揚げたてを持ってきてくれたので、受け取って、代わりに百円玉を手渡す。
ひとくち齧って、おやおや、なんとも美味しいではないか。想像していたよりもはるかに旨い。
フライの中身は熱々のマッシュポテトのような食感である。
ソースには地元産の「マドロスソース」を使用するのが多いらしい。大量の玉葱と名水を使って、驚くことに全工程をたったひとりでつくっているという佐野の名物ソースである。揚げたての、さくっとしたコロモに甘味と酸味がほど良くて相性抜群である。
さくさくのなかにもちもち感もあるが、佐野のいもフライは食べ応えを重視して、お好み焼きのような小麦粉の生地にパン粉をまぶしたものをいもにつけて揚げるせいだろう。お好み焼きの生地ということなら玉子や山芋も使っているのかもしれない。
たしかに、佐野ラーメンをこのあとすぐに食べるなら二本は食べ応えがありすぎる。
いもフライ・・・・これは嬉しい想定外の美味しさであった。
― 続く ―
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