goo blog サービス終了のお知らせ 

小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて19年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

「医療否定本」に殺されないための48の真実 レビュー

2013-12-26 06:44:58 | 図書館
図書館で借りた本 



「医療否定本」に殺されないための48の真実

医者に殺されても、医療否定本に殺されてもいけない。患者よもっと賢くなれ。
頭から医療を否定するのではなく、「医療のいいとこ取り」をしてほしい。

------------

ベストセラーとなった「医者に殺されない47の心得」の反論本。

医療の不確実性を認めた上で、抗がん剤治療も手術も必要ないという近藤理論は結果論であると町医者の立場から断じる筆者。
「医師たちに殺された」「がんの治療に殺された」との主張は、がん治療に関わっている多くの医療者への冒涜であると真っ向から反論する。

「医者に殺されない47の心得」は、確かに少々過激な内容であった。
現在の医療費高騰問題や医療界というヒエラルキーの世界に対して警鐘を鳴らす意図も読み取れた。
医療業界に一石を投じ耳目を集めるためには、多少誇張された部分があるのも詮方ないのだろうと読んだ自分であったから、本書の主張は、至ってまともなものであると感じた。

ただ同時に、「余命というものはわからない」、「抗がん剤はやめどきがむずかしい」、「腫瘍マーカーの値に一喜一憂する必要はない」など、あらためてがん治療の限界、医療の不確実性を思い知らされる内容でもあった。

今後、TPPへの参加により混合診療解禁となれば、保険でカバーされる医療は縮小され、自分自身が判断し医療を選択する時代がやってくるのだろう。

両書それぞれの主張を知っておくことは、そのときの一助になるに違いない。