小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて19年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

ひばりの引っ越し

2018-08-08 04:28:51 | インポート
春先になって、ひばりが麦畑に巣をつくった。
初夏のある日のこと、大勢の村人たちが麦畑にやってきて、
「そろそろ、みんなで麦を刈らなきゃいかんなあ」
と話していた。
これを耳にしたひばりの子どもが
「お母さん、麦刈りが始まるから、引っ越しをしようよ」と言った。
しかし、ひばりのお母さんは「まだ、大丈夫よ」と答えて平然としていた。

数日たってから、3人の村人が麦畑にやってきて、
「ぼちぼち、麦を刈らなきゃいかんなあ」
と話していた。
これを耳にしたひばりの子どもは
「お母さん、もうダメだよ!麦刈りが始まってしまうよ」と叫んだ。
しかし、ひばりのお母さんは「まだ大丈夫よ」ととり合わなかった。

さらに数日後、今度は村人が一人だけでやってきて
「じゃあ、ぼちぼちやるか」
とつぶやいた。
そこではじめて、ひばりのお母さんは子どもに言った。
「さあ、逃げましょう」

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工場内の掃除を「みんなでやらなきゃいかん」と掛け声をかけているうちは、誰一人として動かないものだ。
そういう段階では現場では、まだ本気になっていない。
「自分一人でもやる」そう言ってほうきを持ち出してくるメンバーが出てきたとき、現場は本気で掃除をやる気になりはじめている。
職場のリーダーはそこをしっかり見極めなければいけない。

「みんなでやろう」という掛け声は当てにならない。
他の人はともかくとして、自分一人でもやる。
そういう気持ちが誰かから出てきたときにこそ、現場は動きはじめる。


多重チェックは逆にミスを増やしかねない。
ダブルチェックやトリプルチェックによって安全性が低くなることもある。
3人でチェックすることによって責任が軽くなる気がして、
「他の人が確認しているのだからきっと大丈夫だろう。自分が一生懸命確認する必要はない」
と考えるからだ。

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エレベータの待ち時間が長すぎる。
何とかしてほしい。改善されなければこのビルから出ていく。
クレームがテナントから上がってきた。

解決策として出された、エレベータの増設、最新式高速エレベータへの取替えは、どちらも莫大なコストがかかってしまう。
そんなときある社員がこう提案した。
「各階のエレベータの前に大きな鏡を置きましょう」

けっして待ち時間が短くなったわけではないが、みんな待ち時間を長いとは感じなくなった。
「エレベータの待ち時間が長い」という問題を「エレベータの待ち時間を長いと感じる」という問題に変換したのだ。

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ゴーグルをつけろと命令しても現場の作業員は誰一人言うことをきかなかったイタリアの化学プラントメーカー。
かっこいいおしゃれなゴーグルをつくると着用率がぐんと上がった。

問題に遭遇したときの対処方法は二つある。
原因追究志向と解決探索志向。
問題に焦点を当てる方法と解決に焦点を当てる方法。
なぜ上手くいかないかを横において、どうやったら上手くいくのかを考える。
二つのアプローチを知っていれば、問題に対処する幅が広がる。



豊臣秀吉にとり立てられる石田三成の三杯の茶
三人のレンガ職人
はねつるべを使わず効率の悪い畑仕事をあえてする老人
三人の使用人が与えられたタラント(古代ギリシア・ヘブライの貨幣単位でタレント=才能の語源)

いい話満載。
おすすめの一冊。