夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れ去られた画家 虎渓三笑図 梶野玄山筆

2018-06-13 00:01:00 | 掛け軸
孔雀を描いた作品や青緑山水画で著名な梶野玄山ですが、どうもそちらの作品は他の画家の方がいい作品を描いており、当方では本日描いたような作品の方が好きです。

虎渓三笑図 梶野玄山筆
絹本水墨着色軸装 軸先木製 極箱 
全体サイズ:横550*縦1910 画サイズ:横420*縦1006

 

虎渓三笑:話が佳境に入り夢中で話し込んでいると、思わず時の経つのも忘れ、自分たちのいる場所もわからなくなってしまうことがあります。意気投合して、談笑するのを楽しむということわざです。出典は「盧山記」。儒、仏、道の三賢者が一同に合して話をしたところ、お互いにつきない興味を感じ、すっかり夢中になってしまったという故事です。

中国での浄土教の開祖である慧遠法師は来客を送る際、精舎の下の虎渓という谷川のところで足をとめ、そこを渡ることをしない戒律を守っていました。ところが詩人の陶淵明と動家の大家である陸修静が来訪して、三者でそれぞれの専門分野について話し合ったとき、さすがに興が乗じて、慧遠法師は思わず「安呉禁足の掟」に従わず、虎渓を越えてしまい、虎のほえる声を開いて、初めてそれに気づいて、三人とも大笑いをしたとのことです。この故事は史実として疑問とする説がありますが,三人が談笑して歩く姿と谷川の水の流れは、中国,日本の画題として好まれ,多くの作品があります。

慧遠法師?



陸修静?



陶淵明?



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梶野玄山:1868年(明治元年)、今の白山市西新町に生まれました。幼いころから祖父に絵を学び、小学校卒業後、四条派の画家垣内雲嶙や鈴木松年に師事する。垣内雲嶙に絵の基礎を学びました。伝統的写実を基本に、中国北宋画や狩野派の細密画法など幅広い画筆法を使いこなし、いろどり豊かな画風を築きました。

主に京都で活躍し、孔雀絵図、青緑山水図を得意とし、明治・大正の画壇に揺るぎない地位を築きました。各皇族からのご下命により、献上した孔雀図、青緑山水図は約30点になります。京都中学絵画科教授。孔雀の絵を得意とすることで著名。昭和14年(1939)歿、71才。

  

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「虎渓三笑図」を描いた作品は「なんでも鑑定団」の出品された作品があります。

なんでも鑑定団出品作
虎渓三笑図屏風 山田真山筆



ついでに梶野玄山が描いた「孔雀図」もまた「なんでも鑑定団」の出品された作品があります。

なんでも鑑定団出品作
孔雀図 梶野玄山筆
2014年1月16日 

大きさ:縦1.2メートル、横1.7メートルの大幅の作品です。



当方のブログにて「忘れ去られた画家」と題されるとファンの方はご不満かもしれませんが、再評価されることを期待しての投稿ということでご理解願います。

本日は大宮で三人ならぬ四人の元同僚らと一献を傾けての会があります。時を忘れると明日は帰宅してからの福島から仙台への出張に寝坊しそう・・・。


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2 コメント

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素敵な絵 (野平修)
2018-06-14 05:38:41
素敵な絵が次々繰り出されますね。絵と言うのは、観た時の感じ方で善し悪しが決まると思います。
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ご無沙汰しております (夜噺骨董談義)
2018-06-16 11:57:58
「絵と言うのは、観た時の感じ方で良し悪し決まる。」・・・、そうですね。根本はそこなのでしょう。なかなか割り切れないときがあるのが、蒐集する側の悩みです。
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