夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

年魚(鮎 その4) 平福百穂筆 昭和年間 

2021-03-15 00:01:00 | 掛け軸
天神様に飾ってあった白梅の花も散ってきましたので、我が家の畑から採ってきた紅梅のような感じのプラムの花?を飾りました。ちなみに後ろの欄間額の作品は本日紹介する平福百穂の作品です。



天神様と梅の関連は以前に記述のとおりであり、天神様と梅は長い歴史がありますね。この時期に天神様に梅を添えないと御利益はない・・??



李朝の面取り大徳利・・、李朝好きには邪道のような作品でも小生にとってはお気に入りになりそうな作品です。



先日のなんでも鑑定団で「高村光雲の聖徳太子像」の作品が出品されていました。高村光雲の工房作品ながら1500万円・・、驚きのお値段ですね。

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参考作品
聖徳太子像
なんでも鑑定団出品作 2021年2月23日放送



評:このタイプの聖徳太子孝養像は大正9年、聖徳太子没後1300年のあたりから作り始めていて、13、14点あるだろうと言われている。依頼品は1、2を争う傑作と言ってよい。なんとか父の病気を治してほしい、と思い詰めた祈りの想い、緊張感が顔によく出ている。衣紋線もなめらかで、柄香炉の先に乗っている小さい唐獅子や、何よりも太子の指の爪も綺麗に作られている。髪の毛の彫りも見事。

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高村光雲作の作品は表情が大切とあらためて感じました。そこで再度当方の作品を観てみました。好奇心で購入した作品ですが、堂々とした作行で、真贋はどうあれ小生の好きな作品のひとつです。



菅公像 伝高村光雲作
台座前田南斎作 木彫共箱 
木像サイズ:高さ323*幅395*奥行き240
台座サイズ:高さ33*横425*奥行き272  箱サイズ:横470*縦480*奥行き478

箱書には「大正十二年(1923年)癸亥(みずのとい、きがい)年十一月吉日 帝室技芸員(押印) 正四位高村光雲刻之 押印(白文朱方印「高村」 黒文白方印「高村光雲刻印」)」とあり、本体には「光雲 押印(朱文白方印「高村光雲」)」とあります。高村光雲が70歳頃の作品と思われます。

*箱書が「官公」になっています。正確には「菅公」ですが、これも工房作品のご愛敬。

台座には「大正十二年初夏 指物師 南斎作 押印」とあります。この台座はまず間違のない作品・・・



さて本日は平福百穂の「鮎」を描いた作品にチャレンジして4作品目になる作品の紹介です。平福百穂の「鮎」を描いた作品での今までの実績は1作品が本物、1作品が工芸品、1作品が真贋不詳の五分の成績。平福百穂の作品の真贋に対する判断は難しいものです。



年魚(鮎 その4) 平福百穂筆 昭和年間 
絹本水墨淡彩軸装 共箱 
全体サイズ:縦1490*横710 画サイズ:縦435*横510



平福百穂の共箱は意外に少ないものです。鑑定者は「平福一郎」、「舟山三郎」、「中田百合」、「島田栢樹」、「鳥谷幡山」らがいますが、信頼度は各々それほど高くないかもしれません。全面的に信用してはいけません。子息の「平福一郎」の偽の鑑定はよくあります。ひどいものになると工芸品に鑑定箱というものもあります。

  

作品中のこの印章は贋作に多用されています。落款や印章は当方の所蔵作品「栗鼠図」と一致し、昭和年間(概ね昭和5年頃)の作と推定されますが、この印章の判断には慎重を期する必要があります。箱書の印章は同一印章が存在します。



いい出来の作品ですが、染み抜きと改装するかどうかは迷うところです。



題名の「年魚」とは鮎のことです。ところで「年魚」と称される魚は主に4種で鮎、ワカサギ、ハゼ、そしてイカのようです。



鮎は「香魚」とも呼ばれたり、画題にもよくつかわれますね。



この筆遣いは平福百穂の真骨頂かと思いますが・・・。



表具は実にいい表具ですね、軸先は水晶。



風鎮は鋳物の魚・・・。はてさてまたしても勝負は五分五分のままか


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