夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

南泉斬猫 伝平福百穂筆

2010-08-29 18:16:53 | 掛け軸
南泉斬猫 平福百穂筆
絹本水墨淡彩軸装 合箱二重箱
全体サイズ:縦2050*605 画サイズ:縦1110*横415

久しぶりに風邪にてダウン。
何とか床から抜け出しブログ作成・・。
せっかくの日曜日が台無し

今日は私の郷土出身画家の一人、平福百穂の作品。

秋田県の画家の作品は思わず買ってしまいますね。

福田豊四郎、平福穂庵・百穂父子、寺崎廣業、伊勢正義など中央画壇で活躍した画家が主ですが、郷里で活躍した画家にもいい画家がいます。

前回紹介した舘岡栗山、あとは伊藤弥太など・・・

版画家では勝平得之、古くは小野田直武、・・

縁があるのは藤田嗣治、蓑虫山人・・あげたらきりがないですね。



本作品は、なかなかよくできた逸品で禅僧の気迫が伝わってきます。



以下は小生が購入当時製作した説明より

『題材は「南泉斬猫」で禅の教えである公案のひとつである。内容は『ある時、東堂の僧たちと西堂の僧たちとが、一匹の猫について言い争っていた。南泉は猫を提示して言った。「僧たちよ、禅の一語を言い得るならば、この猫を助けよう。言い得ぬならば、斬り捨てよう」誰一人答える者はなかった。南泉はついに猫を斬った。

夕方、趙州が外出先から帰ってきた。南泉は彼に猫を斬った一件を話した。趙は履(くつ)を脱いで、それを自分の頭の上に載せて出て行った。南泉は言った。「もしお前があの時おったならば、猫は救えていたのに」』が内容であり、その教えはやや難解である。』

掛け軸の題材、茶事の書の内容には故事にちなんだものが多く、多くの知識、もしくは勉学を経ないとまったく理解できないものです。

このような文化を今、日本人は捨てようとしていますね。

徳のない御仁が政治家になり、節操のない争いをし、日本の未来を考えない愚策ばかり・・・




なお平福百穂には贋作が多い。特に郷里である秋田県に贋作が多いので注意を要します。

所定鑑定人も現在は実質的には不在といっていい状態です。

画の出来、落款、印章で判断していくしかありません




そういえば、穂庵と百穂の合作の作「菖蒲」が秋田市内の骨董店にありました。お値段は300万・・・。絵の出来は今一・・・。真作でしょうし、平福記念館で購入したい意向らしいですが、「お値段が高いですね」と思わず余計な一言・・。「いや以前は800万の値がついたのですよ。」とご主人。しばらくは売れないでしょうね・・・・。

『平福百穂:画家穂庵の第4子として明治10年(1877)角館に生まれた。本名を貞蔵という。13歳のころに父から運筆を習っている。

父穂庵は常に旅に出て留守勝ちであったが,明治22年,身体をこわして帰郷し,しばらく家にいることになった。その時,筆の持ち方,座り方,墨の擦り方まで教えた。しかし翌年,父が47才のとき,脳溢血のために急逝し,その教えを受けることはかなわなかった。

百穂は「上の兄3人が絵とは違う道を志していたため『一人ぐらいは父の跡を継いだらよかろう』という周囲の勧めもあって,絵を学ぶことになった」と述懐している。が,14歳の時,穂庵追悼秋田絵画品評会に出品した半切が激賞されるなど,父の画才を色濃く受け継いでいた。

16歳で父の後援者・瀬川安五郎の支援の下,絵の修行のため上京,川端玉章の門人となる。玉章は穂庵と旧知の中であり,そのころ,四条派の第一人者で,東京美術学校日本画科の教授をしていた。ここで,後に盟友となる結城素明を知ることになる。

東京美術学校で学び,画家としての地歩を築いた百穂は22歳の時,いったん郷里に帰り,郷里にあって絵の勉強をするかたわら,友人達と中尊寺などに遊んだ。素明の勧めもあって,2年後の明治34年(1901)に再び上京し,やがて中央画壇で頭角を現していった。活躍の主舞台は素明らと結成した「无声会(むせいかい)」であった。自然や人間を清新な感覚でとらえた作品を発表して注目された。

明治36年ころから伊藤左千夫,正岡子規,長塚節,斉藤茂吉らと交友するようになり,アララギ派の歌人としても活躍している。

大正期(1912-1925)に入ると百穂の画風はさらに多彩となり,文展に「七面鳥」「豫譲」(第11回特選),「牛」を出品した。また,同志らと興した「金鈴社」に「日本武尊・白鳥陵・相模海」「法然上人」などを出品した。

昭和元年(1926)には第7回帝展に代表作の一つ「荒磯」を出品し, 画壇における地位を不動のものにした。昭和7年に母校・東京美術学校の教授に任じられている。しかし翌年10月,横手市に住んでいた次兄の葬儀の準備中,脳溢血で倒れ,同月30日に享年57才で亡くなった。』

風邪にて支離滅裂・・・ましてや難解な画題




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夏風邪 (夜噺骨董談義 )
2010-08-29 23:02:15
そうです・・。
完全に鼻の穴が二つ詰まっています。

思考回路NG
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お大事に (金太郎さん)
2010-08-29 22:57:44
登校、億が深い・・・
なるほどお風邪にだいぶまいってらっしゃるようですね
どうぞお大事に
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百穂 (夜噺骨董談義 )
2010-08-29 20:14:38
そうですね・・・。
私が登校している作品はすべてが真作ではありません

真贋は疑ってかかるところから始まります。
億が深いです

夏風邪はまいった・・・今度は鼻
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確かに難題な… (米吉)
2010-08-29 19:57:32
百穂は写実的な絵が多い中で珍しいタッチと思いますが。題も難しくて熱が出そうです。
夏風邪は涼しくして良く寝ることですね!
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