夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

呉州赤絵写五角鉢 奥田頴川作

2010-08-27 07:25:33 | 陶磁器
呉州赤絵写五角鉢 奥田頴川作
時代箱(菓子鉢 唐絵鉢)入 
全体サイズ:幅155*155*高さ70

「本作品は仙台の東照宮の骨董市にて入手したものである。一目みてもしやと思い購入した。売っていた骨董店のご主人はかなりの年配で箱書きから、頴川の作とは思っていなかったようである。




箱書きには「唐赤絵」となっており、当時はこのような絵柄は唐物として扱っていたので「唐絵鉢」という箱書きがあっても不思議ではない。思いのほか、廉価で購入できた。それでも3万円ほどであったと思う。




頴川の作とする根拠は、明の呉州赤絵の写しとは思えないほど萎縮したところが全く無い、むしろ本歌を圧倒する豪快な雰囲気があることである。




頴川には魚、兎、鳥、変形した龍、鳳凰をスピード溢れるタッチで描く才がある。作品の底には砂が着いていることが多く、なすりつけられたようなドロドロした釉薬の特徴があり、やや青灰色を帯びた白磁釉はドロリと厚めに掛けられ、たまりが見られ、また一部掛け外しが見られる。さらに一部ではカイラギになっていることもある。




頴川特有の筆の走りはあたかもその人だけのサインのように他人には真似ができない。頴川は作品には殆ど銘を入れず、よほどの力作でないかぎり落款はない。箱書は皆無である。

ただし、その特徴を掴んだ贋作が存在する。村田寿九郎や頴川の門人の楽只亭嘉助らがうまいが、完全には摸作できていない。火入れはよく市場にはあったが、現在では市場では少なくなった頴川の真作である。惜しむらくはすこしニューがある。」

・・・・何年か前の小生の説明書きです。いいように解釈するのがコレクターの悪い癖


本当に頴川?? ま~楽しめればいいかな

いろんなところで頴川、木米と自負する作品を見せてもらいましたが贋物が多い・・というより銘がなかったり、また堂々と銘があり、本物と信じ込んでいる人が多いのです。

郷里の某お寺さんで見せていただいた作品は全くそうは見えないのに「頴川」と信じ込んでいて閉口してしまいした。どうもここのお寺さんはまがい物が多かった。信じ込まれていると「結構なコレクションですね」としか言いようがありません


古く集めている御仁のコレクション・・・・贋物がひとつあるとほかの多くは贋作の傾向です。これはコレクターに売っている骨董商が贋作ばかり売りつけるからでしょうね。

値切る人、人のいいお金持ちとかに売るのでしょう・・。

基本的に骨董は値切ってはいけないのだそうです。値切るといいものが人につかないと言われています。これは私も本当だと思っています。

本作品は真作か、「頴川」ではない赤絵鉢か・・・・・・・






奥田頴川:宝暦3年生まれ~文化8年に没している(1753年~1811年)。

本名を頴川庸徳といい,通称茂右衛門。縁あって質商奥田家を継承。ちなみに頴川は自分の旧姓である。祖先は頴川郡(現中華人民共和国河南省)の出身。京都で代々質屋を営んだ。

頴川も三十代まで家業を営むが作陶を志し,建仁寺内に開窯。研究の末、青華白磁(天啓染付)呉須赤絵、交趾焼等の焼成に成功する。

京都に於いて不可能だった磁器を開発した。その作行きは中国民窯の自由奔放、豪放磊落さを写しだし完成の域にした。門下や影響を与えた陶工は、木米、仁阿弥、周平、欽古堂亀祐、三文字屋嘉介と多岐にわたる。当然、煎茶趣味に合致するところから大いに受けた。


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