夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

藤娘 中村左洲筆 昭和初期(昭和3年頃)その7

2019-05-17 00:01:00 | 掛け軸
帰郷に際してはいつも男の隠れ家が四季折々の表情で温かく迎えてくれます。



敷地内にあるお社の周りも桜の木など伐採してさっぱりしてきました。



花見には五月の連休は少し遅いようです。



手入れはしてきましたが、それなりに痛んでいるところはあります。なんといっても明治期に建てられて建物ですから・・。



屋根下にはいつのまにかハチの巣が作られた跡があります



五月の連休に蔵を整理の手伝いに来てくれた人も座敷を観て感動していました。「昔の家はこうだったよね~」と・・・・。

古い家のサッシュなどを取り付けることに賛否両論あるでしょうが、寒暖や虫対策(カメムシ、ハチ、アブ)など生活できる空間を向上・維持するには文化的な価値重視では乗り切られませんからね。



さて本日は本ブログにて幾つかの作品が紹介されている「中村左洲」の作品の紹介です。

藤娘 中村左洲筆 昭和初期(昭和3年頃) その7
紙本水墨軸装 軸先 合箱 
全体サイズ:縦1925*横415 画サイズ:縦1260*横298

 

描かれているのは大津絵などでよく題材にされる「藤娘」。



*藤娘(ふじむすめ)
1.大津絵の画題。娘が黒の塗り笠に藤づくしの衣装で藤の花枝をかたげている姿。
大津絵の「藤娘」は、良縁の護符。

2.大津絵に題をとった歌舞伎舞踊(日本舞踊)の演目、及びその伴奏の長唄。
藤娘の姿は多くの日本人形や羽子板の押絵にも用いられている。

大津絵 その6 藤娘 
紙本着色 画サイズ:縦645*横227



落款と印章は他の所蔵作品である「昇龍図」(「昭和3年 1928年 55歳頃の作」と同じものです。



左が本作品の落款と印章で、右が「昇龍」の落款と印章です。同時期の作品かと思われます。

 

題材や印章など蒐集することによって、所蔵する作品の関連性が判明してくることは蒐集の面白味が増してきますね。「藤娘」は良縁の護符ですよ!

中村左洲は「鯛」を描くのを得意とし「鯛」の名人として有名ですが、意外に人物を描くことに非常に長けている画家の一人です。そのことは本ブログで紹介した他の作品「魚市之図 中村左洲筆」で如実に人物の描写力の高さが解ります。それによって美人画でも評価が高い画家になっているのは意外に知られていません。



地元ではときおり展覧会が開催されているようです。



今年も開催されていました。



地元に所蔵されている作品が放出されたり、また次の世代の後継者がいないとこのような展覧会はだんだん難しくなりますね。



中村左洲・・・、今後も注目していきたい画家のひとりです。



このようなマイナーな画家の作品はインターネットオオークションでアラートしておいたりして入手に心がけています。

古いものが好きな性格はもう変わらないかもしれません・・・


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