夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

宝巳之図 望月金鳳筆 今年の年賀状

2013-01-05 09:10:12 | 掛け軸
家内が製作した年賀状の文を判読できる人は約450枚出した中で数人らしいです。今年も年始の挨拶に伺った人から「なんて読むの?」という質問を受けました。年賀状を出した本人が「??」。さてなんて読むのでしょうか?

ヒントは下の文から読むことです。「雪かがやき・・・天地・・・新たなれ」ここまでヒントがあると読めるでしょう。土岐善呂の歌です。



絵柄のほうは望月金鳳の「宝巳之図」を年賀状に使いました。

まずは「宝巳之図」は松村景文を投稿します。松村景文は二作品投稿しておりその一作品目です。

宝巳之図 松村景文筆絹本金泥淡彩絹装軸二重箱 
画サイズ:横292*縦242



手前は麒麟像です。麒麟は聖なる動物とされます。



巳もまた富と豊穣の象徴である「巳」は、大いなる福運をもたらす神の化身と言われます。年賀状の絵柄としてちっとリアルすぎたので今年は不採用でした。



宝珠に乗った蛇はまさしく吉兆の象徴とされます。



文政4年(1821年 辛巳正月とある)と落款にあり、正月に描かれた作品です。松村景文が43歳に時の作品です。    



松村景文のこの作品は私がもっとも好きな作品のひとつです。表具もおそらく当時のままと思われます。



当時のままの表具のことを「初心な状態」というらしいです。

次の作品は私どもの年賀状の絵柄として取り上げた作品です。


宝巳之図 紙本水墨軸装軸先塗木製 合箱入 
全体サイズ:横324*縦1930 画サイズ:横303*縦1123



検索してみて気がついたのですが、「望月金鳳」の作品はまだ本ブログに未投稿でした。まだ未投稿の作品は掛け軸にもあるかもしれません。



本作品の蛇はメス??? 可愛らしいので今年の年賀状に採用した?



やはり正月に描いた作品のようです。



金鳳は弘化2年(1845)生まれ、大正4年(1915)没、享年70歳。大阪の人。本名は平野学。森二鳳に円山派を、西山完瑛に四条派を学ぶ。明治33年、パリ万博出品。特に動物画に秀でた。日本美術協会会員。文展審査員。

と経歴にありますから、「乙巳」と落款部分に記されていますから明治38年(1905年)の望月金鳳が60歳の時の作品です。

もしさらに12年前、明治26年(1893年)の作品なら癸巳(みずのとみ)となり、120年を経て今年と全く同じ干支の作品となったのですが、そうは簡単に都合の良い作品はありません。

はてさて、私どもの年賀状は読めたでしょうか? 読めた方は毎年感動すると家内は豪語していますが・・。

ともかく吉祥の文と絵柄です。読めない方はどうぞ聴きに来て下さい。

努力は必ず報われますが、チーム力なくしては効を奏しません、皆でがんばりましょう。



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2 コメント

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巳助 (夜噺骨董談義)
2013-01-05 21:14:01
このたびの作品は賀状にあったように「巳助」というらしいですね。予告写真は見ましたよ。楽しみにしています。私どもの賀状の図とそっくりとのこと、これまた縁起がいいことです。

ところで私どもの賀状の文は読めましたか?
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偶然でしょうか!? (米吉)
2013-01-05 17:22:19
いただいたお年賀状「宝巳之図」と「巳助」がこれまた似ています。おたのしみに!!
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