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大学時代に登山とともに親しんだのがスキーでした。北国の生まれゆえ、スキーの授業もあるなど慣れ親しんだスキーですが、腕前はそれほどでもありません。東京の大学に進学してから、登山の延長上で練習しましたが、生まれながら運動音痴ゆえか腕前はそれほど上達しませんでした。
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就職してから山形市に在住したこともあり、週末にはよく蔵王の冬や春スキーを楽しんだものです。ただしリフトは込み合うのでもっぱら空いているゲレンデで選んでのんびりと愉しんでいました。山形が新婚の地ともなったこともあり、思いで深い地ということもあり、入手した作品です。
蔵王山地蔵峠 足立源一郎画 1959年(昭和34年)その2
油彩額装誂 左下サイン(裏面 年号・題名) 誂黄袋+紙タトウ
画サイズF6号:横409*縦318
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蔵王連峰は複式火山で、瀧山火山、中央部の蔵王火山、および南蔵王火山に大別されています。正確には絵の題名にある「地蔵峠」ではなく、「地蔵山」であろうと思います。
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地蔵山は、熊野岳や刈田岳とともに蔵王火山に属していますが、独自の溶岩円頂丘となっています。また、ここから西に流れ出た溶岩の一部は、平坦な観松平を造り、その西斜面には、アオモリトドマツ帯が発達し、冬季には見事な樹氷林となります。
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樹氷の発見は、大正元年(1912)と思いのほか新しく、昭和4年(1929)に新聞写真で全国に紹介され、一躍有名になったそうです。この樹氷を縫って、スキー場をつなぐスキーツアーも可能ですが、日本海から吹く季節風は朝日連峰で上昇気流となり蔵王に吹きつけるので、相当厳しく上級者のコースになります。
小生は主に八甲田山の冬の樹氷コースを経験していますが、冬の樹氷コースは天候の変化も激しく、見通しがきかないし、コースも滑りながらだと判断しにくく、かなり苦労しました。
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画面にはサイン、裏には日動画廊のシールと年季、題名がk氏あれています。
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サインなどは下記のとおりです。以前紹介した作品と字体は一致します。
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題名や落款も一致と判断していいでしょう。
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年齢を重ねると蒐集作品も思い出と重なる作品を入手するようになる・・・。
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ほとんどの山々を登山した北アルプスの中でどうしても登山の機会がなかった後立山を描いた作品と一緒に飾っています。