夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

さくらんぼ 福田豊四郎筆 その18

2013-05-16 04:54:10 | 日本画
5月の連休前は全国行脚、連休に寒い秋田にて過ごし、暑めの東京、そして本日から東南アジア・・、どうも体が熱っぽい。体調管理に気をつけないといけません。

アベノミクスとやらで景気が上向きという風潮の中で生産設備が国内には帰属してこない企業が大半であり、まだまだ国内が景気浮揚とはいかないようです。中国も少子化であり、対日感情を考慮すると日本は東南アジアに生産拠点をもうけるという企業の基本方針はしばし変わらないようです。短い滞在期間ですが少しでも現地の様子をつかめたらと思います。

建設業の海外シフトはリスクがあり、少しずつ足場を固める必要性がありますが、まずは国内でのサバイバルに勝ち残る必要性があります。前々から記述するように一番のポイントは技術者不足をどう解消するかです。国内建設業の技術力はおそらく日本は世界でトップレベルですが、その評価は非常に低いものです。設計が社会的評価が高い割には日本の建設業の技術者は冷遇されてきています。高齢化などで技術者が現場から離れていく現状をどう克服するかが生き残りのポイントです。今の建設会社は現場力がかなり落ち込んでいますが、営業も現場もコストのたたき合いが無くなり、本当のコストでの技術者が対応する勝負の時代です。技術者の不足してる建設会社は生き残れないと思っています。

郷里にある馴染みの骨董店には帰省した際には毎回一度は立ち寄る店です。店主は三浦さんという方で、とても信頼できる骨董商です。今回も立ち寄ったのですが、福田豊四朗氏の「さくらんぼ」の色紙がありました。秋田市内の骨董店にも別の作品が売られていましたが、高価であったので諦めていた画題の作品です。

さくらんぼ 福田豊四郎筆
紙本着色 色紙 タトウ 保存箱





山形市内に赴任していたこともあり、「さくらんぼ」の作品のひとつは欲しいと思っていました。

福田豊四郎氏の作品のいいところは、丁寧な作品で品格のあるところです。飽きがこないのもいいですね。当ブログに公開した作品の多くが現在非公開になっていますが、公開している作品のみリンクしておきました。

今回はいろいろと物入りが重なり、購入は諦めようかと考えていました。家内は家内で倉田松涛の作品が気に入ったようで、思い切って両方の作品を購入しました。骨董はその時の縁というのがすべてです。躊躇するとなかなか再会はできないことが多いようです。購入した倉田松涛の作品は後日紹介しますが、非常にいい作品です。


福田豊四郎氏の作品の特徴は、日本画の平面性に対して、奥行き、量感、質感といった表現を、彩色、 輪郭線”によって描いており、また独自の画風から、色彩の濃淡などで、存在感や躍動感を表現しています。





ときにはキュビスムへの試みとして視点を横から真上と廻る目線の動きにより、空間や立体の表現を模索した作品(「八郎潟凍漁」や「五月山湯」(秋田県立近代美術館)もあります。「ふるさとへ帰る」(第28回新制作展)、「樹氷」(秋田県立近代美術館)などのシュルレアリスムへの影響も見られ、「早苗曇り」(秋田県立近代美術館)では無駄を省き、単純化した大胆な構図のなかで、空気を表現し、帝展特選となっています。


また新聞挿画なども多数手がけており、井上靖、今日出海、林芙美子、三浦綾子等の作品の挿絵を製作しています。「私の作風はロマンティックレアリスムである」と言っていたように、いずれの作品も、秋田の叙情性をテーマとして選び心温まる作風が共通しています。

土筆の色紙もあります。この色紙は平成12年に東京駅の美術館にて福田豊四郎解雇展が開催されており、丁度その時期に購入。額は宮城県白石市の紙で作ったもの。額は仙台市の大観音で行われた骨董市で購入。白石和紙をこよりにして漆塗りによって形成した「ドーラン」をヒントとして額を作成し、エーコ額と呼ばれ現在は作られていないものです。




素朴でたくましく、実直な心あたたまる筆遣いが各方面で人気を呼んでいます。郷愁を誘う切なさと儚さも相まりながら、ファンタジーのようなユニークな世界観で描かれ、故郷に対する福田豊四郎の気持ちが込められた美しい作品となっています。65歳で息を引き取る寸前まで郷土秋田を描き続け、生涯活動を休まない福田豊四郎は、入退院を繰り返しながらも自らの信じる芸術を曲げることなく創作しつづけました。彼に思いを継ぐ現在の芸術家たちへの道しるべを作った福田豊四郎の存在は日本の美術界にとって最重要な貢献者と言えるでしょう。



福田豊四郎の「さくらんぼ」の作品は父から譲り受けた扇面の作品が古くから所蔵していて、家にあった福田豊四郎氏からのハガキと一緒に額装にして保存しています。



まだ若い頃の作品のようです。



引き出しの中にあったものを額装にしました。



家にあった父宛の葉書も一緒に額装にしています。




父は福田豊四郎氏から絵の指導をしていただいていました。





扇面の作品の製作時期と葉書をいただいた時期はずれています。



色紙の作品はまた後日機会がありましたら投稿したいと思います。





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