夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

七官青磁 魚文耳付花入

2011-10-29 06:33:28 | 掛け軸
七官青磁 魚文耳付花入
古杉箱入 胴幅111*高さ231



古箱の中にある新聞紙は大正元年とある。その頃、前の所有者がしまいこんだものと思われます。



金繕いはあまりうまくはありませんが作品は気に入っています。



魚之図がひょうきんであり、裏と表で魚眼に釉薬が掛かりきれなかったものと釉薬が完全に掛かりきったものとの対比など観るものを飽きさせることがない魅力があります。



小振りながらいい作品です。魚に下にははっきりしないが波文があります。

七官青磁:中国、浙江(せっこう/チョーチヤン)省の竜泉窯(りゅうせんよう)で焼かれた青磁の一作風。

日本に舶載された中国の青磁は、時代順に砧(きぬた)青磁(南宋(なんそう)~元)、天竜寺青磁(元~明(みん)初)、七官青磁の3種に区別されますが、七官青磁はその最晩期の明代中期から後期に焼かれたもので、淡い青緑色を帯びた透明性の強い青磁釉(ゆう)がかかり、青磁としては粗製に属し、格調に乏しいのが特徴です。



全体に見られる貫入は七官青磁の特徴です。江戸時代に茶人が用いた花生(はないけ)、香炉、香合(こうごう)などが伝存しています。彫塑的なものが多く、陰刻、陽刻、押方などを造っています。



七官の名称の由来は、七官とは、明王朝の官名であるとも、請来した人物の名ともいわれるが、いずれにしても茶人特有の呼び方であろうと思われます。



本作品のように魚を彫塑的に配した作品は皿、碗、鉢、花入などの多くみられ、模造品も出回っています。

さて、本作品はいつ頃の時代のものでしょうか?

このように作品の時代判定も骨董品の楽しみのひとつです。興味を持つと美術館巡りの一味違ってきます。自分で身銭を使って勉強したものは勘も備わり、いい作品をつかむ力になると思っています。ただ、自分の所有する作品を贔屓目にみる御仁は贋作ばかりつかませられます・・というよりつかんでばかりいるようです


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