夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

恵比寿・大黒図 河鍋暁斎筆 その2

2011-09-11 05:14:50 | 掛け軸
北森鴻の小説「暁英(贋説・鹿鳴館)」を読書中です。図書館から見つけてきた本ですが、「暁英」はジョサイヤ・コンドルのことで、建築に携わる人間なら誰でも知っている人です。鹿鳴館の設計者でもあります。

彼と河鍋暁斎の関わりを含めて描いた明治期の諸事情を交えた小説のようです。井上馨、西郷隆盛、岩崎弥太郎などが登場人物のようです。小林清親も登場します。小林清親は河鍋暁斎の弟子です。

恵比寿・大黒図 河鍋暁斎筆紙本水墨淡彩絹装軸装箱 
画サイズ:横320*縦1165



本作品を自宅に帰省したおりに再撮影してきましたのも何かの縁と思い投稿します。

ひさしぶりに観てみましたが、やはり即興で描きながら実にうまいです。やはり天才のタッチですね。





そうそうこうは描けないものだ思っています。河鍋暁斎の作品は滅多に市場にでることはありません。以前に骨董市で見つけた河鍋暁斎と柴田是真の扇面画の合作をオークションに出品したら意外な高値になったこともありました。

これも思わぬところから見つけてきたまくりの作品で、表具を改装しております。

作品を所蔵するということは真贋を見極めたり、保存状態を修復したり、確保したりする責任があるということでもあります。金銭的な目的で所蔵することはまったく意味をなしません。そういう方は早々手放ことをお勧めします。遺産相続で揉めていて、貴重な作品を裁判期間中は放って置いている愛好家でもない御仁の話を聞くと悲しくなります。

ただ、美術館に寄付することはお勧めできません。美術館は作品の墓場です。よほどの作品でなくては人の目に触れるこはもちろん手に触れることも出来なくなります。好きな人の所蔵で作品が回り、所蔵者と切磋琢磨することが骨董品の役目なのです。

さて、作品を後世に伝えることも大切でそのために栞を作品につけることもあります。
一時期、作成してことがありましたが、判明したことがあるたびに改訂するのが大変でいまはメモ書きのみになりました。

下の写真は以前投稿した石井栢亭の作品の例です。





箱書きもきちんとしておくことが所蔵者の役目のひとつです。



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