夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

最低限の誂えをして遺すことにした作品 その1

2021-03-29 00:01:00 | 掛け軸
椿の花を1階の展示室に活けてみました。



デルフト焼の花入れに・・・。



さて本日は誂えをした作品の紹介です。保管箱、補修などの手当てが必要な作品は箱に入れて収納庫に保管していますが、頃合いをみてその都度、対費用対効果を鑑みて改装したり、誂をしてみたりしています。

本ブログで紹介した下記の作品は額装にしてみました。もともとまくりの状態で入手した作品です。

手鞠 太田聴雨筆
絹本着色軸装 
画サイズ:横570*縦490



裏打ちしての額装です。こちらは落款も印章も出来も筋が良い?ので真作と判断しています。



額装するほうが飾ったりするのに場所が限定されません。額やマットを見切縁を選ぶなど掛け軸の表具とは違った楽しみがあります。最近は掛け軸を額装にする人が多いようです。



ただし額装は意外に保管スペースが要ります。



福田豊四郎の作品らと展示しています。

次は2017年3月7日に紹介した作品ですが、痛んでいた表具を全面改装した作品です。

湖畔山家図 紀楳亭筆 その8
紙本水墨淡彩 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1680*横405 画サイズ:縦1120*横270



紀楳亭の作品は贋作が多い作品群ですが、本作品は真作と判断して補修することにしていた作品です。



シミと巻シワは鑑賞に大いに障害となっていましたが、すっかりきれいになりました。

  

箱もない作品でしたので、保存箱を誂えました。真作と判断されるのはこの珍しい印章が決め手?? 時には印章が決め手のなることもあります。

 

改装は必ずしも賛成でない方も多いと思います。極力当時のまま遺すというのがいいという考えもあるからです。



ただし掛け軸は100年に一度は改装が必要と言われています。もちろん保存状況が良ければその必要はないでしょうが、空調などの設備のない頃には改装が必要と考えられていたようです。



軸は巻いた状態のまま長時間の保存はダメ、長い間掛けておいてもダメ、極度の乾燥・湿気もダメ・・、意外に難しいものです。



人気のなくなった掛け軸、飾る場所がなくなった掛け軸の扱いが今後どうなるのかを心配しているのは小生だけではないように思います。


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