夜噺骨董談義

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源内焼? その99 緑釉松葉文四段重箱 

2017-09-09 06:49:07 | 陶磁器
本日紹介する作品は釉薬の発色、作りから当方では源内焼と判断しましたが、「源内焼」か否かが議論になるでしょう。

源内焼 その99 緑釉松葉文四段重箱 
合箱入 幅150*奥行150*高さ220



内側の黄釉薬が虹彩を発色しているなどの点から、断定は出来せんが源内焼の可能性がある作品です。最下段の脚部分に大きな補修跡、角の部分に欠けや釉薬の剥げがありますが、品格のある作行となっており、珍しい作品です。



重箱ですので通常は五段担っているはずですが、ひとつは破損してしまっている可能性があります。保存箱もなにもない状態ですし、釉薬の剥離、欠けがありますので、保存状態は良好ではなかったかかもしれません。源内焼はもともと軟陶磁器ですので完品は貴重で、保存の難しい作品群です。



蓋の部分の字はなんという字ですかね?



光によって虹彩が出るのは古九谷などにも特徴があります。ただし虹彩があるから古九谷などという断定の根拠には一切なりません。



型によって原型が作られるのは源内焼の大きな特徴ですが、文様を線描によって描くのは退化した作品に見受けられますので、線描だから源内焼ではないと一概には言えません。

*釉薬が剥がれいる部分は黒漆で応急的に補修しておきました。放っておくと釉薬の剥離が進行する恐れがありますから・・。



外側を緑釉一色にして、松葉を一面に文様にした本作品は魅力的な作となっています。飾り物として制作された源内焼の珍しい作品のように思います。


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