当方にていつのまにか徐々に増えてきた伊東深水の作品ですが、本日は「その13」の作品の紹介です。
黒髪 伊藤深水筆 その13
紙本水彩額装 浜田台児鑑定箱書板同封 タトウ+黄袋
F10号程度 全体サイズ:横745*縦700 画サイズ:横518*縦472
僅かな太い輪郭線の特徴から昭和30年頃の作でしょうか? 60歳前後の晩年に近い時期の作品となります。ピカソやマティスなど近代の西洋絵画の影響を受けている頃・・・、ボリューム感、安定感というようなものを現代の女性美に重ねた深水らしい美人画だと思います。
若干、書き込みに物足りなさを感じるかもしれませんが、深水自身物足りなさというものを追求した絵を描きたいと語っているように、ここがまた伊東深水の真骨頂。
作品中には「此君亭」の印章が押印されています。「此君亭」の落款や印章は伊東深水において出来の良い作品に用いられているという情報が骨董商の間にはあるようですが、当方では誤った情報であろうと推定しています。
濱田台児による鑑定箱書は数多くあり、贋作の者も多いが、本作品の鑑定書きは違和感はありません。
額もいい誂えのものです。
共板はタトウに黄袋が付いて内蔵され、収納されています。
杉山寧の「椿図」と一緒に展示室に飾っています。
入手金額は35万円ほど、高いのか安いのかは小生には分かりませんが、当方にとってはかなりの出費での入手でした。