今年の家内との茶道のお稽古仲間の初釜は小生は欠席・・。正月の疲れと作品整理に追われているのがその理由。息子は家内と出かけて行って楽しあったようです。
茶碗は当方の「朝日」(ブログ参照 本日の写真には写っていません)というお茶碗を使っていただけたとのこと、嬉しい限りですね。
さて当方の蒐集はひと休みして勉強・整理の時期に入っています。まず最初に本格的に着手したのが平福穂庵の作品です。ようやく描かれた時期などが特定できる資料が揃ってきました。整理してみると贋作だと思っていた作品が意外に真作である可能性が高いのには正直驚いています。
本日はその平福穂庵の作品の紹介です。
漁家早梅図 平福穂庵筆 明治16年(1883年)頃 その22
紙本水墨淡彩軸装 軸先水晶 合箱
全体サイズ:縦2075*横663 画サイズ:縦1280*横510
*分類第3期:画壇へのデビュー(明治11年~17年)
北海道のアイヌを取材した新たなモチーフの作品の画中に、署名の先に「羽陰」と記された作品が多くあります。穂庵の北海道への渡航歴は明治5年から始まり、明治14年から頻繁となり、明治16年まで続きますが、その間の作品にはこの落款を記した作品が多くあります。
また落款の「庵」の最終画のハネは年代別では第2期に近く、第1画目と第2画目の離れは第3期以降の特徴でもあります。決定的なの北海道で描かれた作品を中心に「羽陰」と記されている点でしょう。よって本作品は北海道にアイヌを取材していた時期に描かれた作品の中でも晩期に属する時期に描かれた作品と推定されます。
印章は朱文白方印の「穂庵」。
たっぷりと水分を含んだ筆で描かれた技法は円熟の味わいがあります。
一時期南画を習得していたその時期の作風をより高めた感があります。
このような墨の使い方は長澤芦雪を彷彿とさせますね。
剽軽に描かれた人物と簡略化された風景の描き方は平福穂庵が行き着いた墨絵の世界です。平福穂庵はこの時期には代表的な作品をいくつも描いています。若くして亡くなっているので晩年とは言えない年齢の作品ですが、晩期の代表作にも相当する作例でしょう。
このような作品がまだ見捨てられたようにインターネットオークションに出品さていることがあるのは驚きです。
*蒐集する側、売買する側はインターネットオークションを軽くみてはいけません。贋作と掘り出し物が同居している場です。インターネットオークションに臨まない者は良い蒐集はできない時代です。
アリババとパナソニックの社長の対談をお聴きした時に感じたのですが、日本ほど既得権者や先入観で新しいものに取り組まない国はないように思いました。己の周りだけの価値観や稚拙なマスコミに影響されやすい日本はグローバルに動いている中国などに太刀打ちできなくなっているのかもしれません。
中国は買い物をインターネットなどのモバイルで購入するのが多いそうです。それゆえメーカーと購入者の間にはデリバリーとモバイル業者しかいなくてもよい時代になっていく。さらにはモバイルで客の好みや売れ筋が読めるらしい。日本のように代理店、小売業者、さらにはクレジット業者は不要のようです。日本ではかえって規制の存在が邪魔になっているらしい。
中国人旅行者が日本で何を購入しているかすぐに解るらしい。その中から中国で売っていないものを即座に中国で売ることも狙いらしい。日本商品が中国で一番人気があるのに、日本にはそのデータがないのが競争の営業戦略上問題化しつつあるのかもしれない。
高機能の電化製品より、安くてかつ機能面でも最低限しか必要ないという購入側の要望に応える電化製品が売れる時代に、日本は高機能の4K,8Kを売ろうとするのは的はずれなのかもしれません。インターネット時代なのにお金を持っているのは高齢者ばかりの日本は立ち遅れているのでしょう。さてモバイルで、インターネットで買い物をしていますか? 日本人はデータでプライベートを裸にされるのが嫌いなようですが・・・。
商流を見直さない、三方良しの仁義を重んじる日本はそのうち世界から取り残されるかもしれません。目筋の良い者だけが生き残る骨董の世界も同じなのかもしれません。
茶碗は当方の「朝日」(ブログ参照 本日の写真には写っていません)というお茶碗を使っていただけたとのこと、嬉しい限りですね。
さて当方の蒐集はひと休みして勉強・整理の時期に入っています。まず最初に本格的に着手したのが平福穂庵の作品です。ようやく描かれた時期などが特定できる資料が揃ってきました。整理してみると贋作だと思っていた作品が意外に真作である可能性が高いのには正直驚いています。
本日はその平福穂庵の作品の紹介です。
漁家早梅図 平福穂庵筆 明治16年(1883年)頃 その22
紙本水墨淡彩軸装 軸先水晶 合箱
全体サイズ:縦2075*横663 画サイズ:縦1280*横510
*分類第3期:画壇へのデビュー(明治11年~17年)
北海道のアイヌを取材した新たなモチーフの作品の画中に、署名の先に「羽陰」と記された作品が多くあります。穂庵の北海道への渡航歴は明治5年から始まり、明治14年から頻繁となり、明治16年まで続きますが、その間の作品にはこの落款を記した作品が多くあります。
また落款の「庵」の最終画のハネは年代別では第2期に近く、第1画目と第2画目の離れは第3期以降の特徴でもあります。決定的なの北海道で描かれた作品を中心に「羽陰」と記されている点でしょう。よって本作品は北海道にアイヌを取材していた時期に描かれた作品の中でも晩期に属する時期に描かれた作品と推定されます。
印章は朱文白方印の「穂庵」。
たっぷりと水分を含んだ筆で描かれた技法は円熟の味わいがあります。
一時期南画を習得していたその時期の作風をより高めた感があります。
このような墨の使い方は長澤芦雪を彷彿とさせますね。
剽軽に描かれた人物と簡略化された風景の描き方は平福穂庵が行き着いた墨絵の世界です。平福穂庵はこの時期には代表的な作品をいくつも描いています。若くして亡くなっているので晩年とは言えない年齢の作品ですが、晩期の代表作にも相当する作例でしょう。
このような作品がまだ見捨てられたようにインターネットオークションに出品さていることがあるのは驚きです。
*蒐集する側、売買する側はインターネットオークションを軽くみてはいけません。贋作と掘り出し物が同居している場です。インターネットオークションに臨まない者は良い蒐集はできない時代です。
アリババとパナソニックの社長の対談をお聴きした時に感じたのですが、日本ほど既得権者や先入観で新しいものに取り組まない国はないように思いました。己の周りだけの価値観や稚拙なマスコミに影響されやすい日本はグローバルに動いている中国などに太刀打ちできなくなっているのかもしれません。
中国は買い物をインターネットなどのモバイルで購入するのが多いそうです。それゆえメーカーと購入者の間にはデリバリーとモバイル業者しかいなくてもよい時代になっていく。さらにはモバイルで客の好みや売れ筋が読めるらしい。日本のように代理店、小売業者、さらにはクレジット業者は不要のようです。日本ではかえって規制の存在が邪魔になっているらしい。
中国人旅行者が日本で何を購入しているかすぐに解るらしい。その中から中国で売っていないものを即座に中国で売ることも狙いらしい。日本商品が中国で一番人気があるのに、日本にはそのデータがないのが競争の営業戦略上問題化しつつあるのかもしれない。
高機能の電化製品より、安くてかつ機能面でも最低限しか必要ないという購入側の要望に応える電化製品が売れる時代に、日本は高機能の4K,8Kを売ろうとするのは的はずれなのかもしれません。インターネット時代なのにお金を持っているのは高齢者ばかりの日本は立ち遅れているのでしょう。さてモバイルで、インターネットで買い物をしていますか? 日本人はデータでプライベートを裸にされるのが嫌いなようですが・・・。
商流を見直さない、三方良しの仁義を重んじる日本はそのうち世界から取り残されるかもしれません。目筋の良い者だけが生き残る骨董の世界も同じなのかもしれません。