夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

吉祥天 富田渓仙筆

2011-01-28 06:21:58 | 掛け軸
吉祥天 富田渓仙筆
紙本軸装水彩着色絹装古径鑑題二重箱入 
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横231*縦560





本作品は富田渓仙には珍しく小林古径による箱書きとなっている。小林古径の箱書きの落款と印章は特徴があり、下の隅に必ず書いています。




吉祥天とは、もと印度神話に毘沙門天の妃として愛欲複祥を司る神として説かれていたもの。仏教では、この神を金銭珍宝米穀など一切の福徳を得せしめる吉祥の天女としている。像は天衣を着け瓔珞を飾り、容姿端麗にして、左手に蓮華または如意宝珠を捧ける。



本作品はわりと強い色合いですばやく描かれた渓仙の佳作。

富田渓仙:明治12年生まれ、昭和11年に没。享年57歳。

福岡市に生まれて、京都に出で、都路華香の門に入って四条派に学び、のちに仙崖禅師に傾倒し、奈良、平安朝の仏画を研究し、富岡鉄斎を訪れ、南画の垂示を受け、南画風の異色ある大作を残す。

初め文展に出品、後に院展に転じ美術院同人となる。昭和10年帝国美術院同人に挙げられた。「宇治川図巻」、「雲ヶ畑に鹿」、「御室の桜」「伝書鳩図屏風」等が有名である。


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