夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

大日本魚類画集 NO61 カワハギ図 大野麥風画 

2020-09-08 00:01:00 | その他
屋根裏の展示室での展示作品です。どの作品も本ブログですでに紹介されている作品です。作品の産地、時代、近代作なら作者までひと目で解るようになったら一人前の骨董愛好家ですね。



最低でも半分くらいは言い当てないと勉強不足でしょうが、今回の展示作品はちょっと難しいかもしれまんせんね。



浦上善次、金城次郎、犬山焼、壺屋焼・・くらいは簡単でしょうか?







さて大日本魚類画集の作品はじっくりと蒐集していますが、本日紹介するように「発刊当時の説明付きのタトウ」のある作品はなかなか入手が難しいのとシミやヤケ、汚れのない作品が多く、思うように蒐集が進まないのも事実です。少しずつですが状態のよい作品を厳選し、気に入った額に入れて愉しんでします。



大日本魚類画集 NO61 カワハギ図 大野麥風画 
紙本淡彩額装 版画 1938年4月第9回
画サイズ:縦280*横400 発刊当時のタトウ付



カワハギは美味な食用魚ですが、釣りの場合、小さな口で餌を削ぎとるように食べるので釣り人に当たり(魚信)が伝わりにくいそうです。このため釣り針を上げて魚の口に引っ掛ける合わせのタイミングを逃し、餌だけ取られることも多く、釣り上げるにはテクニックが必要とされ、このため引っ掛け釣りなどの釣法も普及しており、釣りの対象としても人気が高い魚のようです。



身は脂肪が少なく歯応えある白身で、料理法も煮付け、刺身、寿司、フライ、干物など多種多様である。生では弾力があるので、刺身にする際は薄造りにし、身だけでなく肝臓(キモ)も美味で珍重されています。カワハギの第二の旬が秋からと言われるのは、この時期は冬に備えて餌を多く摂り、肝臓が特に大きく発達する時期だからだそうです。



肝臓はピンク色で、脂肪の少ない身に対して脂肪分を多く含んでおり、こってりした旨みと甘みがあり、通常は身と一緒に刺身や煮付けで食します。キモを裏ごしして醤油に溶いたものを刺身につけるのも、カワハギならではの食べ方ですが、肝臓が発達すると身がやせてしまうので、身だけを賞味するならば夏が良いとされます。



カワハギの肝は「海のフォアグラ」とも呼ばれ、近年は静岡市の三保半島では東海大学海洋学部の研究成果を基に、地下水として汲み上げる海水を利用して、通年で肝が大きいカワハギの陸上養殖が行われているそうです。

この作品「カワハギ」の印章は珍しい印章です。



本記事では食に焦点が集まりましたが、発刊当時のタトウが遺っている貴重な作品です。



このタトウと共に作品が遺っている例は稀で、このタトウを蒐集対象にするのは多少マニアックですが、あるに越したことはありません。



当方の蒐集はまだ全体のほんのわずかです。気に入った作品から集めていますので、まだまだ・・・。



はたしてすべての作品を蒐集しきれるかどうかわかりませんね。ともあれ旨そうな魚がいいですね。



額に入れて飾るにしても変色しないようにきちんと保管しておく必要があります。



マットの跡がつかないように展示は日の当たらない場所に、展示するにしても短期間に、マットを外して保管など気を使いますね。


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