昨日の続き。
蓼科から松本は、車で約一時間半(勿論高速など使わ
ない)。
そして「クロツバメシジミ」のいる河原に到着。
この「クロツバメシジミ」というのは、全国的にも数
を減らしている蝶で、今では、限られたところでしか
見られない。
食草が、「ツメレンゲ」という条件的に難しい植物な
ので、その「ツメレンゲ」の減少に伴って「クロツバ
メシジミ」も数を減らしているのだ。
その条件と言うのは、日当りの良い、石ころ交じりの
水はけの良い土壌ということなのだが、その条件に、
ちょうど、昔ながらのゆるい石積みの堰堤などが当て
はまるのだ、河原も含めて。
だから、コンクリート護岸になると、当然それらは生
きられなくなるということなのだ。
それにしても、この河原の植生は、ちょっと異質な感
じがする。
見慣れない植物(ツメレンゲも含め)が多いのだ。
これは、周りの植生(田園地帯)との連続性がないこ
とによるものではないか。
つまり、周囲とは堰堤によって遮断され、独自の生態
系が発展した。
ちょうど、「ギアナ高地」のように。
ちょっと大袈裟ではあるが、メカニズム的には同じよ
うに思う。
だから、河原に下りると、何だか違う惑星に降り立っ
たような感じを受ける。
これも、一種の異界というものだろうか。
「ツメレンゲ」は、直径5センチほどの、まだ赤ちゃ
んくらいの状態だ。
数は結構多い(限られた範囲に集中的に)。
しかし、お目当ての「クロツバメシジミ」は、風も強
いしとてもいそうにない雰囲気だ。
まだ発生してないのかもしれない。
そんな惑星を、なにかいないか探索する。
虫類は、時たま、蛾が飛び立つくらいだ。
それでも、暫く植物などを撮影してると、足元の地面
から黒白の蝶のようなものが飛び立った。
色的大きさ的には「クロツバメシジミ」なのだが、飛
び方がまるで蛾のようで、直ぐに地面に激突するかの
ように止まるのだ。
早速確認する。
「クロツバメシジミ」に間違いなかった。
どうやら、風が強すぎてそういう飛び方になったよう
である。
必死に、地面の草に飛ばされないようにしがみついて
いた。
同じような状態のものが、他にも数頭確認できた。
発生はしていたようだ。
これから10月まで、何回か発生を繰り返すのだ。
しがみついているので、スーパーマクロで寄っても逃
げない。
その点は良いのだが、被写体が揺れること揺れること。
ただでさえ、ぶれないことに自信がないのに。
ということで、「ヒメギフ」は駄目だったが、「クロツ
バメシジミ」は成功という一日となった。
写真は、その時の「ツメレンゲ」。
多肉植物で、昔育てていたサボテンを思い出すような
姿である。
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