ピカビア通信

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アンゲロプロス

2012年01月27日 | 映画

 

アンゲロプロスが死去。新作を撮影中のバイクにはねられての事故死だという。享年とって76歳。イーストウッドより若かったとは。イメージでは、「年取っても旺盛な創作意欲の持ち主」であったが、イーストウッドの方が上手だったのだ。そのイーストウッドの最新作は、デカプリオ主演でFBI長官のフーバーを主人公としたもの。これを聞いて多くのイーストウッドファンは、何?デカプリオ?と思ったのではないか。要するに大丈夫か?と疑問に思ってるわけだが、イーストウッドが選んだのだから多分大丈夫であろう。映画館で観たいが果たして田舎の方でかかるのかどうか。

と、話はイーストウッドに傾いたが本題はアンゲロプロスであった。この監督の特徴はと言えば、まずその長回しということになるのだろう。確かに長い。忙しないカット割りに慣れた今の若い連中にはまず耐えられないのではと思う。台詞も少ないし、画面は暗めだし、動きもゆったり。物語としても、単純な分かり易いものでもないし(時空を越えたり、神話的な隠喩に満ちた表現も多い)と、分かりにくい退屈な映画の代表と言ってもいい。しかし、それ故良いのだ。間違いなくその死が惜しまれる監督であった。エリック.ロメールも死んだし、優れた監督がどんどんいなくなる。皆高齢であるからこれも仕様がないことでもあるが、残念である。因みに、私のアンゲロプロスベスト3は、「旅芸人の記録」「シテール島への船出」「霧の中の風景」(順不同)である。

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