ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】脳死臨調批判

2005年11月24日 20時43分56秒 | 読書記録2005
脳死臨調批判, 立花隆, 中公文庫 た-20-5, 1994年
・立花隆氏が「臨時脳死及び臓器移植調査会」を批判する内容。なぜ批判するかというと、平たく言うと「(脳死)検査法の有効性の証明の試みが何もなくて、「世界の判定基準は大体これと同じようなレベルです」「生き返った人がないんだからこれでいいんじゃないか」といったレベルの議論だけでは、一般の人が「はい、そうですか」と納得しないだろうということです。」p.52 とのこと。脳死・臓器移植問題については、それで命が助かる人が増えるならいいんじゃないの~?程度の認識しかありませんでしたが、本書の主張では脳死臨調が提案する脳死基準では、「意識」がまだある(かもしれない)状態で脳死判定され臓器摘出が行われる可能性があるそうです。レアケースではありますが。
・「脳死」について脳死臨調=「死」であるのに対して、著者=「生」という正反対の立場。そりゃモめるわな。
・「医学的に見た「人の死」は、「人の生」と同じく一連の出来事であって、決して一瞬に始まり一瞬に終わるものではない。」p.122 ハイ。死は一瞬だと思ってました。そうか・・・「死」も連続している・・・う~~ん・・・こうなるともはや宗教。
・「生物が生きているということは、せんじ詰めるとどういうことかというと、ホメオスタシスが維持されていることだといってよい。(中略)つまり、生きるということは内と外が区別されてあるということであり、死ぬということは、内と外の区別がなくなるということなのである。」p.181
・「視床下部というのは、小さいけれど、ものすごい構造をしているところなんです。ものを食べるとか、性行動をするとか、あらゆる動物的本能行動の中枢が密集している。そしてあらゆる情動の中枢でもある。ものすごく精密にできていて、生命保持に必要な機能がギューッと凝縮されている大変なところです。」p.194
・脳死臨調最終答申の少数派(脳死慎重派)の記述より抜粋。「たとえ限りなく死に近い状態とはいえ、まだ死ではない状態の体を移植でしか助からない人のために捧げるのは、キリスト教の愛の行為とも、仏教の菩薩行とも矛盾しないであろう。われわれは、「脳死」を死と認めることには賛成はできないものの、移植医療に何らかの道を開くことに決して反対ではない。」p.318 この奉仕の気持ちを果たして自分は持てるだろうか・・・
~~~~~~~~~~
・で、最終答申を受けて結局この話はその後どうなったのか、気になっていたところ、これに関する新聞記事を目にした。なんというタイミング!!脳死臨調の委員内で少数派に属し、その意見を無視させることなく最終答申にネジいれた張本人。梅原猛氏の記事より抜粋。「92年1月に出された最終答申を受け、97年6月、臓器移植法が成立。同法では、「事前に臓器移植提供の意思を明確にした人に限り脳死を死と認める」と規定。また「臓器提供についての本人意思の事前確認」を厳しく求めるなど少数派の主張が反映された。同法に基づいてこれまで実施された脳死者からの臓器移植は39例。移植医療現場から、臓器提供条件が厳しすぎるとの声があがり、与党は、「家族の同意があれば臓器提供が可能」とする法改正を検討している
臓器移植をしたいがために死の概念を変えるというのは、発想が逆転しています。脳死は人の死ではないのです。」2005.11.23読売新聞
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【本】情報を捨てる技術 あふれる情報のどれをどう捨てるか

2005年11月16日 23時55分31秒 | 読書記録2005
情報を捨てる技術 あふれる情報のどれをどう捨てるか, 諏訪邦夫, 講談社ブルーバックス B-1305, 2000年
・題名を改めるとしたら「わたしの研究生活殴り書き♪」とでもした方が良いような内容。バタバタと急ぎ足で、頭の中に散在する情報をかき集め、無理矢理一冊の本に仕立て上げた印象を受けたが、それを裏付ける文章が・・・orz →「本書も出版社からの依頼で取りかかりましたが、そうした処理で、まずまず高速で書きあがりました。」p.114 しかもちょっと得意げー
・「紙の資料を「押し出しファイリング」で捨てる方法を検討します。押し出しファイリングは、大ベストセラー『「超」整理法』(中公新書)で、著者の野口悠紀雄氏が主張されている方法です。」p.101
・・・・・・。 こりゃアカン。アカンでーー。引用はまぁいいとして、「それを改良しました」とかならまだしも、そのマンマとは・・・ 
・「時計の基本性能は「軽くて丈夫で正確」以外にありません。つまり安物のクォーツ時計が最高です」p.32、 「英会話のねらいは道や便所のありかを聞くことではありません。」p.68 などなど、インパクトのある記述はあったものの、本書の教え「類書が一〇冊あったら九冊は捨てる」p.30 に従うなら、真っ先に捨てるべきは本書であった。というオチ。
・「私は現在、Windows95のパソコンとWindows98のパソコンを混用しています。(中略)98が95にまさると感じるのは安定度だけです。Windows2000にはしていませんし、するつもりもありません。」p.82 と豪語されていますが、いまもWin98でがんばっていらっしゃるのでしょうか・・・
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※細かな用事の物忘れが多々あるので、最近試してみているのは、携帯メールを使う方法。件名「備忘録」で本文にメモを書いて自分の携帯宛てに送信。受信ボックス内に「備忘録」フォルダを作り、振り分け受信。必要なくなったらすぐ削除! 一応携帯にメモ帳機能はあるものの、いまいち使いにくいのです。
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【本】文書添削トレーニング -八つの原則

2005年11月14日 22時53分09秒 | 読書記録2005
文書添削トレーニング -八つの原則, 古郡廷治, ちくま新書189, 1999年
・「学生に次の二つの文章を読んでもらい、どちらがよい文章かを聞いてみた。
<例文1>
 本日は、Xクラブの会員カードをお送りいたします。会員優先販売会は一〇月一〇日(金)を予定しておりますが、商品のパンフレットその他の詳細は九月二〇日(土)前後にお手元にお届けいたします。
 会員優先販売会当日は会場に喫茶室(無料)を用意いたします。なお、ご来場の節は会員カードをお忘れなくご持参いただきたいと存じます。
<例文2>
 本日は、Xクラブの会員カードをお送りいたします。これは来る一〇月一〇日(金)に予定している会員優先販売会に必要ですので、必ずご持参ください。尚、商品の正式パンフレットその他の詳細の発送が遅れて、ご迷惑をおかけしておりますが、九月十七日(水)にこちらに納品になりますので、十八日に発送いたします。また、会員優先販売会では、会場に喫茶室を用意いたしますので、ご自由にご利用いただきたいと存じます。」
p.70
以上をサッと読んでみて、例文1はなんだかそっけない感じ。例文2は丁寧でイイ感じ。という印象だったが、結果は例文1=18名、例文2=3名の学生がよいと回答したとの記述。まぁ確かに、論文・報告書の文章とすると例文1の方が簡潔でよいということになるのだろうけど・・・び~みょぉぉぉ~~・・・何を意図して書いた文章かによって評価が変わってしまう。日本語って難しい。。。
・目次より八つの原則を一挙公開!ネタバレ??
 1.完全な文を書く(文の構造)
 2.短い文を書く(文の長さ)
 3.肯定・能動の文を書く(文の様態)
 4.結束性のある文を書く(文の接続)
 5.主題のある段落を書く(段落の主題)
 6.論理性のある文章を書く(文章の起承転結)
 7.的確な語句を使って書く(用語)
 8.日本語の文章は日本語で書く(用字)

・著者の肩書きが「電通大情報工学科教授」と、この類の本にしては異色なので、斬新な視点からの記述があるかと期待したが・・・内容は全くまとも。最後に著者のボヤキをどうぞ~→「文章を書くことについて云々することは、結局のところ、「神を振舞うが如き」行為である。(中略)でも、監督やコーチは必ずしも名選手、名優ではなかった。そう思って自ら心の負担を軽くしよう。」p.205
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【本】統計でウソをつく法 数式を使わない統計学入門

2005年11月09日 22時54分18秒 | 読書記録2005
統計でウソをつく法 数式を使わない統計学入門, ダレル・ハフ(著)高木秀玄(訳), 講談社ブルーバックス B-120, 1968年
(How to Lie with Statistics by Darrell Huff)
・内容とは関係ないが、直訳体の訳文のため読みにくいこと、この上なし。そのサンプル兼、本書の紹介部分を書き抜き→「この本は統計を使って人をだます方法についての入門書のようなものである。どちらかといえば、サギ師のための手引書のようなものであるが、私はこんな本が当然あってもよいと思う。というのは、ある泥棒が隠居後に書いた思い出話が、泥棒仲間では、カギのこじあけ方や足音の忍ばせ方についての卒業講義にも等しいものになっていると聞いたが、サギ師たちはこういった手くだを知っているのであるから、正直な人たちもだまされないように、彼等の使う手を知っておく必要があると考えるからである。」p.7
・「統計学入門」とは謳っているが、入門よりもさらに手前のレベル。あてがはずれた。
・「かつて、ロンドン大学留学の折ちょうどこの本が発売され、大変評判になったそうである。」とびら訳者による紹介文
この「大変評判になった」がどうもウサン臭い・・・本書流にいうなら、サンプルは「子どもからお年寄りまでの広く一般の人」なのか「一部の統計学を勉強する学生たち」なのか、期間は「数十年にわたって」なのか「1週間程度」なのか・・・etc はっきりしないことには意味のない言葉である。よくある「全米No.1ヒット!!」と同じ。
・ブルーバックスでよく見かける、この特徴ある挿絵の作者は「永美ハルオ」という名だったのか。。。
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【本】自閉症

2005年11月02日 17時25分42秒 | 読書記録2005
自閉症, 玉井収介, 講談社現代新書697, 1983年
・購入してから数年間放置されていた書。当時何を想って手にとったのか。今となっては謎。
・豊富な実例にもとづいて自閉症を説明したもので、文章は地味だけれどもかなり読みやすい。筆者の力量が窺える。てっきり筆者は医師と思っていたが、学者さんだったのね。。。
・本書で最も劇的な場面を多少長いが書き抜き→「宮脇修氏は、紙破りばかりしている子のそばで、二人で紙破りをやってみたという。一日や二日はがまんできた。三日もたつと、自分はなぜこんなことをしているのかという雑念がわいてきて、その子のように無心に続けることができなくなった。しかし、せっかくここまでやったのだ、もう一度はじめからやれといわれてもとてもできない、と思ってもう一日、もう一日がんばった。そしてついに一〇日続けたという。(中略)ついに一〇日目になって、教師の忍耐もつきた。まさに頭にきたのである。そして、切りきざんだ紙をさらに裁断機で細かくし、部屋の中に放り上げ、まきちらした。なかばやけ気味になっていた。そして「雪やこんこ」を歌った。その紙片が子どもの頭にふりかかった。その子は、それを払いのけようとして手を伸ばした。その瞬間、二人の目が本当に合ったという。」p.148
・「もし、このように、自我の境界が不明瞭であれば、当然相手の自我も統一できないであろう。そうすれば、「わたし」と「あなた」の関係は、成立しないか、不安定なものになるにちがいない。」p.95
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【本】人生を変える話し方77の法則

2005年10月27日 10時25分16秒 | 読書記録2005
人生を変える話し方77の法則, 江川ひろし, ワニ文庫 P-35, 2001年
・怪しげなタイトルにひかれて思わず手にとってしまった一冊。
・「水泳の方法を本で学んだって、水の中ですぐ泳げるというものではない。いわば畳の上の水練で、理論だけではどうにもならないものはたくさんある。(中略)だから場数を踏むことだ。」p.37
本書の内容は最後の一言に尽きますね。ハイ。
・「その鈴木さん(※NHK鈴木健二アナ)が、よく記憶力がいいといわれるが、実はそれだけではないと語っている。あの博識は平日一日四時間、週末一〇時間という読書時間を現役の三六年間に自分に課してきた結果だという。」p.151
お、恐ろしい・・・
・A・T訓練法(自律訓練法):就寝時等に深呼吸→腕が重い→足が重い→・・・→お腹が温かい→・・・→自己暗示
が紹介されていたので試してみるも、いつも自己暗示に辿りつく前に寝てしまう。。。
・結論:77も覚えられない。
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