オペラ「トゥーランドット」プッチーニ作曲
全3幕 イタリア語原語上演字幕付
2007.7.29(日)18:00開演, 札幌サンプラザコンサートホール, 入場料4000円
指揮 市ノ瀬弦, 演奏 オーケストラ・アンサンブル・ブリランテ, パート 2nd Violin
キャスト トゥーランドット 本田園子, カラフ 石田晃大, リュー 岩淵久乃, アルトゥム皇帝 山本秀樹, ティムール 葛西智一, ピン 小川聡, ポン 平田隆男, パン 古城一樹, 官吏 石田久大
・昨年の「友人フリッツ」が終わる頃、次回はトゥーランドットだと聞き、へぇぇ~、そりゃまた大変なことですねぇ~、と全く他人事でした。そうして練習がはじまった頃に顔を出し、弾いてみると案の定全く歯がたたず。こりゃアカン、と出演をゴネていたのが、結局出ることに。こんな私でも誘ってもらえて感謝しております。どうもありがとうございます。
・今回のオケ編成はプログラムによると、Vn1-4,Vn2-3,Va-5,Vc-4,Cb-2,Fl-3,Ob-3,Cl-3,Fg-1,Hrn-4,Tp-3,Trb-3,Tub-1,Per-2,Hp-1 計42名 これに加え舞台裏のバンダが金管中心に約10名。昨年のフリッツから残っているメンバーは、私を含め10名ほどしかおらず、昨年から見るとほとんど別の団体です。前回の時点でもうこれ以上はオケピットに入らない! という感じで、それから今回はさらに約10名ほど増え、絶対無理!! のはずが、なんと入ってしまいました。この状態でいたらエコノミークラス症候群になるんじゃないかという、もちろん凄まじい狭さですが。お隣との楽譜同士は重なりあい、G線で弓先だと右の奏者を殴り、弓元だと左の奏者に弓が突き刺さるような状態。よく怪我人が出ずに済んだものです。椅子はどこにでもある折りたたみ式のパイプ椅子で、この狭さになると背もたれがかなり邪魔で無駄なスペースをとることがわかりました。背もたれ無しの丸椅子とかベンチ(?)か何かにすれば、もっとスペースが取れそうです。そこまでして入らなければならない状況に遭遇したくはありませんが。当日は涼しい天候だったのが、ちょっと救い。
・過去の演奏でしんどかったといえば、くるみ割り全曲、エリア、ヴェルディのレクイエム等がありますが、それらに匹敵する曲の長大さ。テンポがほとんど一定ではなく、伸びたり縮んだり目まぐるしく変わるという点では一番大変だったかもしれません。それに対して5回ほどの練習参加回数で臨まねばならなかった結果、結局本番まで曲全体を把握しきれず未消化の部分が多々ありました。という訳で、弾くのに必死で、歌も含めた演奏自体の出来云々について細かいことはよくわかりません。曲が止まってしまうような大事故は起こりませんでしたが、一部、10小節ほど歌がまるまるスポーっと抜けてカラオケ状態で、指揮者必死の口パクになった場面があり、冷や汗。その他、各奏者に『ミスった箇所を申告せよ』なんてアンケートを取れば、天文学的な数が集まるのではないでしょうか(なんて書くと失礼か)。少なくとも自身のミスは数え切れないほど。また、1幕でのアリアが終っての拍手ポイントで拍手が起こらずどうなることかと思いましたが、3幕の「誰も寝てはならぬ」などでは盛大な拍手があり、一安心。1幕は必死に弾くうちに、えっ!? もうおしまい?? というほどあっと言う間に終りました。2幕、3幕と進むうちに体感時間は伸び、3幕では集中力が切れかかるなか、リューのアリアやフィナーレにグッときつつ、どうにか幕へ。
・『予算の都合』とのことで、舞台装置[写真]も歌の衣裳もかなり簡素なものに。しかし舞台の出来を妨げるものではなかったと思います。カラフの衣裳が一部で話題に。
・大きな会場のオケピットであれば、指揮者もオケも客席からはほとんど見えませんが、今回は、ステージ際の私などは肩から上がステージ上に突き出た状態で演奏。客席から見て邪魔じゃないかと心配でしたが、あとから聞いてみると、そう気になるほどではなく、オケの弾いている姿や指揮者の熱くしなやかな動きも見ることが出来、かえってよかったようです。
・バンダとの連携はビデオカメラにより。一応カメラを通して "見えて" はいるのですが、微妙なニュアンスまでは伝わらないらしく、歩調を合わせるのが難しく感じました。指揮からの情報の伝達は映像だけではない、ということでしょうか。工学的に興味ある問題です。また、リハにて「もっと音量を!」とのことで、バンダは起立して演奏することに。立つだけでずいぶん音が変わるものなのですね。なるほど。
・終演後の、ゲンゲン(指揮者)のシメのお言葉より。「これまで10年ほど音楽活動しているが、こんなに素晴らしい舞台はなかった!!」 『アマチュア団体でトゥーランドット上演』という無謀とも思える企画を、このレベルで実現できてしまうとは、人間って素晴らしい。
・舞台をど真ん中で背負う位置での演奏だったので、本番中舞台でどんなことが起こっているのか全く見えず、悔しい思いをしました。振り向いて見入るわけにもいかないし。映像を見るのが楽しみです。
・客数約450名[目測]:ほぼ満席。立ち見なし。オペラを観るなんて初めてだったうちの母親も「おもしろかった」と喜んでいました。このように、オペラは初、というお客さんも結構いたのではないかと思いますが、皆さんに喜んでいただけたようでよかったです。当初、4000円の入場料はちょっと高く感じ、抵抗感がありましたが、これなら満足してもらえる内容だったと思います。その他、多かった感想は「オケがよく鳴っていた!」 反響板無しでステージ下での演奏なので音響的には良くない条件がそろっていたのですが。なんなんだろ。
全3幕 イタリア語原語上演字幕付
2007.7.29(日)18:00開演, 札幌サンプラザコンサートホール, 入場料4000円
指揮 市ノ瀬弦, 演奏 オーケストラ・アンサンブル・ブリランテ, パート 2nd Violin
キャスト トゥーランドット 本田園子, カラフ 石田晃大, リュー 岩淵久乃, アルトゥム皇帝 山本秀樹, ティムール 葛西智一, ピン 小川聡, ポン 平田隆男, パン 古城一樹, 官吏 石田久大
・昨年の「友人フリッツ」が終わる頃、次回はトゥーランドットだと聞き、へぇぇ~、そりゃまた大変なことですねぇ~、と全く他人事でした。そうして練習がはじまった頃に顔を出し、弾いてみると案の定全く歯がたたず。こりゃアカン、と出演をゴネていたのが、結局出ることに。こんな私でも誘ってもらえて感謝しております。どうもありがとうございます。
・今回のオケ編成はプログラムによると、Vn1-4,Vn2-3,Va-5,Vc-4,Cb-2,Fl-3,Ob-3,Cl-3,Fg-1,Hrn-4,Tp-3,Trb-3,Tub-1,Per-2,Hp-1 計42名 これに加え舞台裏のバンダが金管中心に約10名。昨年のフリッツから残っているメンバーは、私を含め10名ほどしかおらず、昨年から見るとほとんど別の団体です。前回の時点でもうこれ以上はオケピットに入らない! という感じで、それから今回はさらに約10名ほど増え、絶対無理!! のはずが、なんと入ってしまいました。この状態でいたらエコノミークラス症候群になるんじゃないかという、もちろん凄まじい狭さですが。お隣との楽譜同士は重なりあい、G線で弓先だと右の奏者を殴り、弓元だと左の奏者に弓が突き刺さるような状態。よく怪我人が出ずに済んだものです。椅子はどこにでもある折りたたみ式のパイプ椅子で、この狭さになると背もたれがかなり邪魔で無駄なスペースをとることがわかりました。背もたれ無しの丸椅子とかベンチ(?)か何かにすれば、もっとスペースが取れそうです。そこまでして入らなければならない状況に遭遇したくはありませんが。当日は涼しい天候だったのが、ちょっと救い。
・過去の演奏でしんどかったといえば、くるみ割り全曲、エリア、ヴェルディのレクイエム等がありますが、それらに匹敵する曲の長大さ。テンポがほとんど一定ではなく、伸びたり縮んだり目まぐるしく変わるという点では一番大変だったかもしれません。それに対して5回ほどの練習参加回数で臨まねばならなかった結果、結局本番まで曲全体を把握しきれず未消化の部分が多々ありました。という訳で、弾くのに必死で、歌も含めた演奏自体の出来云々について細かいことはよくわかりません。曲が止まってしまうような大事故は起こりませんでしたが、一部、10小節ほど歌がまるまるスポーっと抜けてカラオケ状態で、指揮者必死の口パクになった場面があり、冷や汗。その他、各奏者に『ミスった箇所を申告せよ』なんてアンケートを取れば、天文学的な数が集まるのではないでしょうか(なんて書くと失礼か)。少なくとも自身のミスは数え切れないほど。また、1幕でのアリアが終っての拍手ポイントで拍手が起こらずどうなることかと思いましたが、3幕の「誰も寝てはならぬ」などでは盛大な拍手があり、一安心。1幕は必死に弾くうちに、えっ!? もうおしまい?? というほどあっと言う間に終りました。2幕、3幕と進むうちに体感時間は伸び、3幕では集中力が切れかかるなか、リューのアリアやフィナーレにグッときつつ、どうにか幕へ。
・『予算の都合』とのことで、舞台装置[写真]も歌の衣裳もかなり簡素なものに。しかし舞台の出来を妨げるものではなかったと思います。カラフの衣裳が一部で話題に。
・大きな会場のオケピットであれば、指揮者もオケも客席からはほとんど見えませんが、今回は、ステージ際の私などは肩から上がステージ上に突き出た状態で演奏。客席から見て邪魔じゃないかと心配でしたが、あとから聞いてみると、そう気になるほどではなく、オケの弾いている姿や指揮者の熱くしなやかな動きも見ることが出来、かえってよかったようです。
・バンダとの連携はビデオカメラにより。一応カメラを通して "見えて" はいるのですが、微妙なニュアンスまでは伝わらないらしく、歩調を合わせるのが難しく感じました。指揮からの情報の伝達は映像だけではない、ということでしょうか。工学的に興味ある問題です。また、リハにて「もっと音量を!」とのことで、バンダは起立して演奏することに。立つだけでずいぶん音が変わるものなのですね。なるほど。
・終演後の、ゲンゲン(指揮者)のシメのお言葉より。「これまで10年ほど音楽活動しているが、こんなに素晴らしい舞台はなかった!!」 『アマチュア団体でトゥーランドット上演』という無謀とも思える企画を、このレベルで実現できてしまうとは、人間って素晴らしい。
・舞台をど真ん中で背負う位置での演奏だったので、本番中舞台でどんなことが起こっているのか全く見えず、悔しい思いをしました。振り向いて見入るわけにもいかないし。映像を見るのが楽しみです。
・客数約450名[目測]:ほぼ満席。立ち見なし。オペラを観るなんて初めてだったうちの母親も「おもしろかった」と喜んでいました。このように、オペラは初、というお客さんも結構いたのではないかと思いますが、皆さんに喜んでいただけたようでよかったです。当初、4000円の入場料はちょっと高く感じ、抵抗感がありましたが、これなら満足してもらえる内容だったと思います。その他、多かった感想は「オケがよく鳴っていた!」 反響板無しでステージ下での演奏なので音響的には良くない条件がそろっていたのですが。なんなんだろ。