ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】私は赤ちゃん

2006年02月28日 18時12分23秒 | 読書記録2006
私は赤ちゃん, 松田道雄, 岩波新書(青版)377(C136), 1960年
・「私はおととい生まれたばかりである。まだ目は見えない。けれども音はよく聞こえる。この産院でおこるいろいろのことも、気配でわかる。」p.2 どこかで見たような書き出しで始まる本書は、『もしも赤ちゃんがしゃべれたら』が実現するとこうなります、という内容。医師である著者が朝日新聞に連載した文章に加筆したもので、2ページ読みきりの形になっている。
・そして赤ちゃんは毒舌である。→「どうしてそんなに他人の生活に興味をもつんだろう。自分の生活が空虚なんだね、きっと。」p.3 大人が言えば角のたつ言葉も、赤ちゃんが言っていると思えば許せてしまう。
・40年以上も前の本なので、記述に時代を感じる部分もあるが、親子の関係については色あせたところは無い。 自身は子育て経験はなくとも楽しく読めたが、内容の信憑性についてはよくわからない。経験のある人が読むと、また全然ちがう感想を持つのだろう。好著。岩崎千尋の挿絵もよい。
・「よい医者というのは、病人を大船にのった気持にさせておいて、そのあいだに病気を治してしまう医者だ。いくら病気を治しても、病人とケンカわかれしてしまうようなのはヤブといわざるを得ない。」p.5
・「サラリーマンであるパパ族が、あまりクタクタになって帰ってくることは、私たち赤ん坊族にとってははなはだ好ましくない。ママに一〇〇パーセントのサービスを要求するから、私たち赤ん坊族には恐るべき競争者があらわれたことになる。」p.13
・「育児書に何と書いてあろうが、自分の家庭で実行できないことは何にもならない。自分の家庭の生活に一ばん都合のいい仕方で赤ん坊を育てて、それで赤ん坊が元気よく育てば、それが一ばんいい育児法だ。」p.37
・「ところが例によって親のわるいくせだ。自分のほうでよくないことをやっていて、それをみんな赤ん坊がわるいためと考える。」p.40
・「だがママが電気製品の利用で余暇が多くなるにしたがって「育児過剰」になる危険を多分にもっています。育児の本をいく冊も買って読みくらべているなどというママもたしかに過剰型です。ご用心なさい。」p.119
・「危険の起こらない条件を用意しておいて捨て育ちにするというのが赤ちゃんをうまく育てるコツです。」p.119
・或る犬嫌いの主張→「人間を愛することのできない人間が犬を愛するんだ」p.155
・「ゼンソクちゅうもんは大てい相場がきまってますにゃ。秘蔵の子がいて、おばあさんがいやはって、その子がタンがたまるたちやったら、きっとゼンソクにしてしまいますわ」p.180
・「私がきてから、収入がへったいうてこぼしてはったさかい。私は、子供を泣かさんとなおそう思うよって注射をやりませんやろ。ところが今の保険ちゅうのは、注射せんともうからんようになってますにゃ。それに、皮下注射より静脈注射するとまた点が多いんですわ。」p.187
※おことわり:現在、育児書を読まなければならない状況にある、とかそういう訳ではありませんので悪しからず。一応念のため。
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【演】緑小スクールバンド 演奏発表会

2006年02月27日 22時11分29秒 | 演奏記録
緑小スクールバンド 演奏発表会
2006.2.26(日)14:00開演, 苫小牧市文化会館, 入場料200円
演奏 苫小牧市民管弦楽団, 指揮 出雲寺英淳, パート 1st Violin

第1部
インスタント・コンサート H・ワルター作曲
バーバロッサ W・ハイムズ作曲
モーツァルト de アンサンブル
『コーカサスの風景』より 酋長の行進 I・イワーノフ作曲

第2部 苫小牧市民管弦楽団賛助出演
そりすべり L・アンダーソン作曲
トランペット吹きの休日 L・アンダーソン作曲
トリッチ・トラッチ・ポルカ ヨハン・シュトラウス作曲
フルート協奏曲 ニ短調 (より第1楽章) W・A・モーツァルト作曲
『となりのトトロ』より 久石 譲 作曲
 ・さんぽ  ・風の通り道  ・ねこバス  ・となりのトトロ

第3部
WAになっておどろう
MISSION:IMPOSSIBLE
世界の約束
Pecori Night
プラネタリウム
エル・クンバンチェロ

アンコール1 青春アミーゴ(苫小牧初演?)
アンコール2 sing-sing-sing

・苫オケの指揮兼ファゴット奏者の鈴木先生が、緑小スクールバンドの指導をしている関係で、今回の賛助出演となりました。演奏会には我が子の活躍を見るために親や家族も大勢来るだろうに、そこに割り込んでしまっていいのだろうか。。。聴きに来た人には喜んでもらえるといいのだけれど。。。何らかの形でスクールバンドの子供との交流もあるとなお良かった。
・オケの演奏は当日になってテンポが全体的に早めになりましたが、破綻なく終了。 トトロは抜粋ではなく、語りつきで全部通したほうが雰囲気でるのだけれど、楽器編成と手間を考えると、まぁしょうがない。 今回は管のトラにめずらしく千歳のメンバーが多く入った。
・第2部演奏後、第3部は客席で子供達の演奏を聴きました。小学生の吹奏楽の演奏というのは初めて聴いたけど、こんなに吹けるものだとは。びっくりしました。メンバーの下は3年生からいて、ホルンやトロンボーンを持つのすら危なっかしい感じですが、これがスタンドプレーまでやっちゃうのだから。。。休符の間の休む姿勢も統一。楽器を構えたりミュートをつけるタイミングも統一。普段の厳しい練習が窺えます。全員で左右にステップを踏みながらスタンドプレーのときに、左右のタイミングを間違えて真逆の動きをしてる子がいたりするのはご愛嬌。
・客数約300名[目測]:子供が多かったが、走り回ったりすることもなく行儀は良い方でした。
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【鑑】第26回 苫小牧音友会 定期演奏会

2006年02月26日 20時25分06秒 | 鑑賞記録
第26回 苫小牧音友会 定期演奏会
2006.2.25(土)16:00開演, 苫小牧市文化会館 大ホール, 入場料1000円(大人・前売)

第1部
1.ソプラノ独唱
 ヘンデル オペラ「リナルド」より"私を泣かせてください" Lascia ch'io pianga
 プッチーニ オペラ「ジャンニ・スキッキ」より"お父さまにお願い" O mio babbino caro
2.ピアノソロ
 ショパン スケルツォ第2番 Op.31
3.ピアノソロ
 グリーグ 蝶々 Op43-1
      トロルドハウゲンの婚礼の日 Op.65-6
4.フルート
 ノブロ ANDANTENO & FINAL
5.ピアノソロ
 ラフマニノフ ピアノソナタ第2番 Op.36 第1楽章

第2部
1.ヴァイオリン
 フランク ヴァイオリンソナタ第1・第2楽章
2.ピアノソロ
 ショパン エチュード Op.10-10
 ラフマニノフ 楽興の時 Op.16-4
 バルトーク 「ミクロコスモス第6巻」より"オスティナート"
3.ピアノソロ
 ショパン アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22

第3部
1.Spring ~ Oriental Windメドレー 作曲 久石譲 編曲 稲垣千章
2.「Asience-original」 作曲 坂本龍一 編曲 内田誠
 「霧のレイクルイーズ」 作曲 倉本裕基 編曲 生田佳輝

・苫小牧の音楽家団体の『音友会』の年に一度(?)の演奏会を、今回初めて聴きに行きました。イヤラシイ言い方をすると、普段は生徒をビシバシ指導し弾かせている先生達が、ガクガクブルブルしながら演奏する様子を高見の見物 (・∀・)ニヤニヤ
・出演者の中でオケ関係の知り合いは4名。音友会の会員がほとんど出て、かなり長い演奏会になるのかと思ってましたが、出演者数は半分以下で時間も2時間強ほどだった。
・某奏者の演奏がボロボロでびっくりした。途中で曲が止まる前に、こっちの心臓が止まるんじゃないかというくらいドキドキしました。途中で投げ出さなかった点はサスガですが…聴いてる人間の寿命を縮めるのはカンベンしていただきたい。
今回の教訓「ショパンは難しい!!
・第3部はエレクトーンとピアノの合奏。子供のころエレクトーンを習った経験がありますが、当時(数十年前)は楽器はこんなにコンパクトじゃなかったし、こんなにハイカラな音は出なかったし。技術の進歩を目の当たりにしました。 ピアノとエレクトーンで別の音階上を音が動いているような。調律師としては頭の痛いところだろうな~などと、どうでもいいことを考えていました。そのうち合奏相手の音階を自動的に聴き取って、チューニングを合わせてしまうような機能とか出てくるのでしょうか。(既にあるのか??)
・ピアノ奏者登場→お辞儀(拍手)→椅子の高さ調節→演奏開始
この椅子の調節が気になる。ピアニストからすると"あたりまえ"で何とも思わないのかもしれませんが、ひじょ~~~にカッコ悪い。と思う。椅子を二台用意して舞台暗転時に交換、で対応できるのじゃないかと思うのですが。。。なんとかならないものか。
・ひさしぶりに客席に座って聴いた、箱(会場)の印象→響かないけどよく聴こえる。
・客数約150名[目測]:各教室の教え子でいっぱいかと思っていたが、子供はあまり見当たらなかった。
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【本】壬生義士伝

2006年02月25日 19時42分20秒 | 読書記録2006
壬生義士伝 (上)(下), 浅田次郎, 文春文庫 あ-39-2・3, 2002年
・「壬生浪(みぶろ)」と呼ばれた新撰組に属した吉村貫一郎の生涯。時代設定は幕末から約50年後の大正時代。ある人物が吉村貫一郎にゆかりの人物を訪ね歩いて得たインタビューによって物語は進む。
・どこまで本当の話かはよくわからないけれど、『まぁそんなものか』と思わせる文章とそれを裏付ける取材。各所にリマインダを仕込み、長くてもストレスなく読み通せる構成。『ああ、こんな日本語あったのね』と日本語の知らなさを実感させられる豊富な語彙。"作家の力"というものを存分に見せつけられました。たいしたもんだー。強いて難を言えば、下巻の途中で <完> でもよかったかな。
・『100人斬り』というと今では別の意味で使われたりなんかもするけれど、かつて、本当に100人を斬り殺した人間が咎められることもなく、日常にとけこんでいた時代があった。
・「俗に刃の欠け落ちた刀を「ささらの如く」などと言う。簓(ささら)とは細かく割った竹を束ねた道具のことである。侍の刀はまさしくその通りに刃がこぼれ落ち、切先は欠け、のみならず刀身は?元(はばきもと)から飴の如く曲がっているのであった。 いったいどれほどの人を斬れば、鋼の刀身がこのような姿になるのであろう」上巻 p.7
・「人間、強えばかりじゃだめだぜ。その強さを世間にわからせる知恵がなけりゃ。」上巻 p.101
・「いいか、上司からひとこと「馘」と言われたら、俺たちゃ本当に首が胴から離れたんだぜ。」上巻 p.104
・「あいつはあの筋張った手で、子供らの頭を撫で、女房を抱き、人をぶった斬った。同じ手で何でもやらなきゃならねえ、男ってのァ苦労なものさ。」上巻 p.112
・「すぐれたものは死に、何もできぬ者ばかりが生き残ってしもうた。」上巻 p.218
・「戦は死ぬためにするのではねのす。殺さねば殺されるから、戦ばするのす。死にたぐはねえから、人を斬るのす。」上巻 p.225
・「いいじゃあないですか、新撰組っての。男らしいじゃあないですか。」上巻 p.248
・「「道化はな、曲芸師たちよりずっと芸が上手なんだよ。誰よりも上手だから道化ができるんだ。あんなこと、誰ができるものか」」上巻 p.250
・「どうして人を斬るのか。斬らなければ自分が斬られるからだ。斬られて死にたくなかったら、先に相手を斬れ。」上巻 p.255
・「おもさげなござんす。お許しえって下んせ。」上巻 p.258
・「あの人は、道化の中の道化でした。でもねあなた、道化は誰よりも芸が達者だから道化が務まるんです。道化者ばかりがとり残されちまった舞台の上には、道化の中の道化がいなければならなかった。」上巻 p.258
・「あの人はね、まちがいだらけの世の中に向かって、いつもきっかりと正眼に構えていたんです。その構えだけが、正しい姿勢だと信じてね。」上巻 p.275
・「なぜかって、本当にひとごろしをしてきたやつはね、口が裂けたって武勇伝などしないから。それぐらい、いやな思い出だからね。」上巻 p.280
・「何も戦に限らず、人生なんてそんなものかもしれません。倒れていたらとどめを刺されるんです。死にたくなかったら、立ち上がって前に出るしかない。」上巻 p.315
・「物事にはたいがいってことがありますでしょう。たいがいを越えればあなた、ただの非常識です。」上巻 p.342
・「呼びかけようとした声が、白い息になっちまった。」上巻 p.346
・「お店がにっちもさっちもいかなくなっていよいよつぶれちまうってとき、借金取りにぺこぺこ頭を下げるだけの店主なんて下の下だ。旦那と呼ばれた人間なら、何はさておき使用人たちの身が立つようにしなきゃ。それが手じまい店じまいってもんです。」上巻 p.362
・「近藤勇の武士道とはそういうものでした。理屈じゃなかった。他人の痛みはわかってやりながら、自分の痛みはけっして他人に悟らせようとしない。」上巻 p.378
・「土方歳三という人は、面倒くせえと言いながらも、何ひとつ面倒くさがらずに仕事を仕上げた。それもきちんと手順を踏んで、真向堂々と正しいことをする人でしたよ。世にいう策士ってのは中ってません。人より頭がいいだけです。」上巻 p.379
・「このさき生きたところで何ができるのですかと、あたしは捨て鉢に訊ねました。すると先生は、真白な歯を見せてにっこりと笑い、あたしの頭を撫でてくれたんです。 「何ができると言うほど、おまえは何もしていないじゃないか。生まれてきたからには、何かしらなすべきことがあるはずだ。何もしていないおまえは、ここで死んではならない」(中略)「それともおまえは、犬畜生か」  いえ、人間です――そう答えたとたんに涙が出ました。」上巻 p.388
・「なぜだかはよくわからないけれど、菊の御紋章を輝かせてたなびく錦の御旗には、刃を向けることをためらわせるふしぎな力があったんです。」上巻 p.391
・「人間じゃない何者かが、そこに立っていた。それは、侍という化物です。人間の皮をかぶった侍という化物が、押し寄せる新しい時代の前に立ち塞がったように、あたしには見えたんです。」上巻 p.392
・「「この体をば、食ろうてくらんせ」、と。 戯れ言ではねがった。ひでえ飢饉の年には、百姓たちは共食いばして冬を越すのじゃと、耳にしたことがあった。」上巻 p.399
・「新しき世をば作るものは、錦の御旗でも葵の御紋でもござらぬ。わしら草莽より出でたる者が、鳥羽伏見の雪空に立ち上げた、誠一字の旗ではござらぬか。」上巻 p.402
・「わしが立ち向かったのは、人の踏むべき道を不実となす、大いなる不実に対してでござんした。」上巻 p.403
・「わしは型に嵌まったことは嫌いじゃ。剣術に礼儀など要らぬ。強ければそれで良い。礼儀などというものは、そのあたりから手とり足とり教えなければ役に立たん者のためにあるのじゃ。初めから力のある者は、礼儀など知る必要はない。」上巻 p.411
・「近藤勇と護衛館とが、端から幕閣の掌のうちにあったと言うたなら、貴公は信じるかね。」上巻 p.416
・「怖ろしい奴じゃとわしは思うた。生来が鬼の心を持つ人間よりも、いざとなって心を鬼にできる人間のほうがよほど怖ろしい。」上巻 p.434
・「あらゆる良識が覆り、時代と時代との深い断層になだれ落ちていくあの幕末のころ、奴は決していてはならぬ人間じゃった。」上巻 p.440
・「おのれは人のためにあるのではないからの。おのれはおのれのためにかくあるのじゃから、おのれの都合で生きるべきであろうよ。」上巻 p.441
・「武士が肩を並べるとき、目上の者がおのずと左に立つ決めごとがあるのを知っておるか。それはの、左差しの刀を抜きがけに振ることができるからじゃ。よって目上は左に立ち、目下の者は二心なきことを示すために、右に立つ。」上巻 p.445
・「男の値打ちとは強さじゃ。強さとは、殺される前に殺すことじゃ。」上巻 p.446
・「虚飾の行いで身を立てる者は、必ずどこかでぼろを出す。」上巻 p.453
・「命のやりとりを知らぬ者は、斬り合いよりも介錯のほうがよほど簡単だと思うであろうが、実はそうではない。覚悟を決めた人間の首を落とすには、斬り合いとは別の胆力が要るものじゃ。」上巻 p.457
・「頭脳のよしあし、学問のあるなしなどということは、紙一重の才にしか過ぎぬ。しかし、技や力はちがうぞ。強い者は勝つ。」下巻 p.32
・「父はそのとき、はっきりと気付いたのよ。  わしの主君は南部の御殿様ではねがった。御組頭様でもねがった。お前たぢこそが、わしの主君じゃ、とな。」下巻 p.91
・「偶成」の一句「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず。未だ覚めず地塘春草の夢、階前の梧葉すでに秋声。」下巻 p.164
・陶潜の詩「人生根蔕なく、飄として陌上の塵の如し。盛年重ねて来らず、一日再び晨なり難し、時に及んで当に勉励すべし、歳月は人を待たず。」下巻 p.164
・「「思うた通りに致せ」というのは、決して「勝手にせよ」という意味ではなかったと思います。」下巻 p.168
・「人を束ねる器量てえのは、学問じゃあござんせん。苦労の分だけ、そういう器はちゃあんと備わるものでござんす。」下巻 p.222
・「女なら悪かねえが、男が年より若く見えるてえのァ、決していいことじゃありやせん。そんだけ馬鹿、ってこってす。」下巻 p.236
・「軍隊じゃあたしかに、死に方は教えてくれるがね。行き方ってのを教えちゃくせません。本当はそっちのほうがずっと肝心なんだ。生き方を知らねえ男に、死に方なんざわかるもんかい。」下巻 p.236
・「男なら男らしく生なせえよ。潔く死ぬんじゃあねえ、潔く生きるんだ。潔く生きるてえのは、てめえの分を全うするってこってす。てめえが今やらにゃならねえこと、てめえがやらにゃ誰もやらねえ、てめえにしかできねえことを、きっちりとやりとげなせえ。」下巻 p.237
・「新撰組の仕事ってのは、何だったかご存知ですかい。早え話しが、ひとごろしですよ。」下巻 p.318
・「誠には誠を以て応ねばならぬ。仁とはそういうものであろう。仁の道を見失うた者はすでに人間と呼ぶべきではなかろう。かろうじて人間の形をしておっても、屑にはちがいない。」下巻 p.341
・「男にァな、てめえの命と引き替えるものは、いくらだってあるんだ。」下巻 p.353
・「西洋の文明に魂まで奪われたんじゃ、御一新どころか日本ってえ国が消えてなくなるじゃねえか。」下巻 p.365
・以下、久世光彦氏の『解説』より
・「<巧い>とさえ言ってくれれば、作家というものは何もかも許してしまうのだ。それは恩寵であり、至福の恍惚であり、朝日に煌く免罪符でもある。彼らのたった一つの自尊心は<巧い>の一言だといってもいい。」下巻 p.447
・「あまり均衡の按配がよく、理屈か勝って破綻がなく、成り行き任せとか、行き当たりばったりとかがない小説は、つまらないのだ。」下巻 p.449
・「余計な話だが、多くの作家が中国の歴史小説を好んで書く気持ちが私にはよくわかる。もちろん立派な意図や主題があってのことだが、会話を書くのが楽なのだと思う。」下巻 p.451
~~~~~~~
?きし【旗幟】 1 はた。のぼり。はたじるし。  2 はっきりした態度、立場。主義主張。旗色。「旗幟鮮明にす」
?てんゆうしんじょ【天佑神助】 天の助け、神の加護。思いがけない偶然によって助かることのたとえ。
?そうもう【草莽】 1 草のおい茂っているところ。くさむら。くさはら。そうぼう。   2 民間。在野。そうぼう。
?れっぱく【裂帛】 1 絹を引き裂くこと。また、その音。 2 杜鵑(ほととぎす)の鳴く悲しい声。  3 女の悲鳴や、激しい叫び声のたとえ。「裂帛の気合」
?じくじ【忸怩】 自分の行いなどについて、自分で恥ずかしく思うさま。「内心忸怩たるものがある」
?ろうらく【籠絡】 人をうまくまるめこんで、思い通りにあやつること。巧みに言いくるめること。
?きょうだ【怯懦】 臆病で意志が弱いこと。おじおそれること。
?きょうじ【矜持・矜恃】 自分の能力をすぐれたものとして、他に誇ること。うぬぼれて尊大な態度をとること。自負。誇り。
?けんこん【乾坤】 1 天と地。  2 天地の間。人の住むところ。国、また、天下。  3 太陽と月。  4 陰陽。  5(「乾」は「いぬい」、「坤」は「ひつじさる」で)西北と西南の方角。  6 二つで一組となるものの上下や前後を示す語。多く書物の上巻と下巻。
?めいさつ【名刹】 名高い寺。
?すいげつ【水月】 剣道で鳩尾(みぞおち)をいう。
?かんぱつ【煥発】 火が燃えるように、外に輝きあらわれること。
?篠を突(つ)く  1 篠を突き立てるように、大粒の雨が激しい勢いで降るさまをたとえていう語。「篠を突く雨」  2 矢が篠を束ねたように何本もつきささって立っているさまをたとえていう語。
?いっかん‐ばり【一閑張】 漆器の一つ。器物に紙を張り漆を塗るか、または、原型に漆やのりで紙を張り重ねて、後から型を抜き取り漆を施したもの。寛永年間飛来一閑の創案。
?ばんこく【万斛】 一石の万倍。はかりきれないほど多い分量をいう。まんごく。「万斛の同情」「万斛の涙を流す」
?あげや【揚屋】 近世、遊里で、客が遊女屋から太夫、天神、格子など高級な遊女を呼んで遊興する店。大坂では明治まで続いたが、江戸吉原では宝暦一〇年頃になくなり、以後町名だけが残る。
?りんしょく【吝嗇】 過度に物惜しみをすること。しわいこと。けち。
?すがめ【眇】 1 片目や斜視の目。片目が細い目であること。また、片目が不自由であること。  2 意識的に瞳を片よせて見る目。転じて、盗み目。ながし目。
?かきん【瑕瑾・瑕釁】 1 物のきず。われめ。  2 欠点。短所。あやまち。  3 恥。不名誉。
?しょうぜん【承前】 前文、前例などを受け継ぐこと。つづき。また、続きものの文章の初めなどに書く語。
?はなだいろ【縹色・花田色】 藍染めの紺に近い色。はないろ。はなだ。
?そんたく【忖度】 他人の心中や考えなどを推しはかること。推量。推測。推察。
?とうたい【凍餒】 こごえることと飢えること。寒さに苦しむことと食糧の乏しいこと。生活に苦しむこと。
?ろかく【鹵獲】 戦場で勝利を得た部隊が敗れた敵から兵器などを獲得すること。
?ぶりょう【無聊】 1 心に心配事があって楽しまないこと。  2 つれづれなこと。することがなくひまであること。「無聊を慰める」
?いゆう【畏友】 尊敬している友人。また、友達に対する敬称。
?ふくさ【袱紗・服紗・帛紗】 糊(のり)を引いてない絹。やわらかい絹。略儀の衣服などに用いた。また、単に絹。
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【論】Kadota,2003,Detection of genes with tissue~

2006年02月24日 21時48分41秒 | 論文記録
Koji Kadota, Shin-ichiro Nishimura, Hidemasa Bono, Shugo Nakamura, Yoshihide Hayashizaki, Yasushi Okazaki, and Katsutoshi Takahashi
Detection of genes with tissue-specific expression patterns using Akaike's information criterion procedure
Physiol Genomics 12: 251-259, 2003.
[PDFダウンロード][Webサイト]

・赤池情報量基準(AIC)を遺伝子発現解析に応用。マウスのデータを使い、各体組織(筋肉、肺、脳など)に特異的に発現する遺伝子を抽出する。
・使用データ:mouse cDNA microarray data, 49 adult and embryonic mouse tissues and 14,610 clones, http://read.gsc.riken.go.jp/
・比較対象の抽出法:パターンマッチング法

・AICが最小のときの遺伝子を取り出すというハナシですが、イメージが湧かない・・・orz

・「First, in the two-color competitive hybridization assays on cDNA microarrrays customarily used in most of the published studies, there are often strongly biased origins of transcripts on the glass slides.
・「Second, among the expression levels of particular tissues whose levels are significantly different from those of other tissues, similar intra-tissue levels cannot always be identified.
・「Akaike's information criterion (AIC), introduced almost 30 years ago by H. Akaike, is an information criterion for the identification of an optimal model from a class of competing models.
・「The (n+s) observations are normalized by subtractiong the mean and dividing by the standard deviation,
・「The most significant advantage of the method is that it is possible to arrive at an objective decision because the method does not require the selection of a significance level such as 1% or 5%.
・「The advantages of the method we proposed here are 1) the acquired answer is objective and 2) various situations (e.g., single outlier, multiple lowest or highest outliers, two-sided and grouped cases) can be treated equally.
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かぜなおった。

2006年02月23日 21時43分27秒 | 日記2005-10
ようやくかぜが体から抜けたようです。
ふりかえってみると1ヵ月近くもかぜひいてたのか…
代わりと言ってはなんですが、今度は歯が痛みだしてきています。


旅行雑誌(大阪編)を買ってみました。
ビール片手にながめつつ、しばし旅行記分。
どこいこう??
あまり人がゴチャゴチャいるところはちょっと…
人気がなく眺めの良いところでベンチに腰かけ、ボケーっとタバコ吸えればそれでよいのだけど。


……しかしブックオフは外せないな…

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【本】ワーグナー

2006年02月22日 22時16分10秒 | 読書記録2006
ワーグナー, 高辻知義, 岩波新書(黄版)330, 1986年
・特にワグネリアンというわけでもないのだけれど、手許にあったので読んでみた。
・ワーグナーの肩書きを本書から拾ってみると、音楽家、劇作家、作曲家、演奏家、指揮者、音楽教育者、演劇人、興業主、楽匠、歌劇改革者、劇詩人、批評家、学者、古代研究家、ジャーナリスト、政治活動家、革命家・・・などなど。そして数々の挫折や借金にもヘコたれず、ついにはその作品(『指輪』)の初演のために劇場(バイロイト祝祭劇場)をおっ建てちまうという、あきれるばかりのパワー。このパワーの源はいったい何なのか。「俺様の作品を聴け!!!」という、とてつなく大きな自信があるように感じます。
・「ワーグナーの時代になって、一個の主和音を四分にもわたって持続させている例はあるまい。この非凡と平凡の同居が彼の芸術の一つの特徴でもあるように思える。」p.10
・「ワーグナーの劇作品の舞台指定は、これを劇詩と同一平面でとらえず、劇詩の深い読みを助けるための補助手段として、やや異なった方角から光を当てるのが生産的ではあるまいか。」p.17
・「(ワーグナーは朗読の名人だった)」p.18
・「「音楽家の作業は台本ができた時点で終わっている」という章句は、そのあとの総譜の仕上げのプロセスに想像力と霊感が関与しなくてもいいと解釈してはなるまい。」p.71
・「九月には『タンホイザー』の練習が始まったが、さまざまな故障が続いて、ワーグナーもよく腹を立て、結局百六十四回という途方もない稽古が初演までに行なわれた。」p.109 ワーグナーしつこすぎwww
・「『指輪』は三万グルデンの代価でルートヴィヒ二世(ヴェーゼンドンク、ショットに続く三番目の権利者、つまりワーグナーは三重売買をしたことになる)に売渡される契約が結ばれた。」p.129 ワーグナーの前にあっては、『契約』なんぞ無きに等しい。
・「現在もそうであるが、バイロイト祝祭への出演者は他の音楽祭に較べて半分ないし三分の一の出演料で満足する習慣になっている。ワーグナー芸術の正統につらなるバイロイトに出演すること自体が名誉であるという考えが、ワーグナーの生前から行なわれていたのである。」p.179
~~~~~~~
?たいせき‐てき【対蹠的】 正反対の位置関係にあるさま。正反対であるさま。たいしょてき。
?アレゴリー(英allegory)〈アルレゴリー〉寓意(ぐうい)。諷喩(ふうゆ)。また、寓意物語。
?ノンシャラン(フランスnonchalant)無頓着なさま。のんきなさま。
?フィギュレーション(英figuration)[楽](和音・旋律の)装飾
?ディレッタント(英・フランスdilettante)〈ジレッタント〉 1 学問や芸術などを趣味として愛好する人。好事家。  2 (転じて)半可通。なまかじり。
?ていとん【停頓】 物事が順調にはかどらないこと。ゆきづまること。
?しょうよう【慫慂】 そばから誘い、すすめること。
?ころう【固陋】 見識が狭くてがんこなさま。古い習慣に固執して、新しいことをきらうさま。
?ようかい【容喙】 口ばしを入れること。横あいから差し出口をすること。
?じっこん【昵懇】 親しく交わること。心やすいさま。親密。懇意。入魂。
?メルクマール(ドイツMerkmal)目印。記号。標識。
?アナクロニズム(英anachronism)時代の新旧をとりちがえること。特に、その時代の傾向と大きく食い違ったり、逆行したりしていること。時代錯誤。
?いしゅう【蝟集】(「蝟」は、針鼠)針鼠の毛のように、たくさんの物事が一か所に一時に寄り集まること。
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【旅】大阪行き(3/3-3/6)予定

2006年02月21日 21時18分28秒 | 旅行記録
さて、大阪行き(2005.12.23日記参照)が近づいてきたわけですが、、、
今日になってやっと飛行機のチケットをとりました。
もともと旅行なぞ興味ない性質なので、あれこれ計画立てるのは非常に

 め ん ど く さ い 。

今回は『格安航空券』なるものにはじめて手をだしてみました。
3万ほどで大阪まで往復できてしまうのですね。
なんてこった。

でもって、宿泊場所がまだです。。。いっそ野宿で。。。
~~~~~~~
結婚式のお知らせに、『会費』についての記述がない!
なんでだ??
聞いてみたところ『招待制』の結婚式だそうです。
 『招待制』・・・
早くもカルチャーショック。
~~~~~~~
そんなこんなで、今のところの予定を以下に。

【2006.3.1更新】
3月3日(金)
9:30 室蘭発
 |
12:00 新千歳空港着

13:30 新千歳空港発
 |
15:30 神戸空港着

17:00 姫路着
   姫路をウロウロ、姫路城見学?(17:00マデだ…orz)

20:00 姫路の楽器店(Kreisler Music)訪問 現在使用の楽器はここから購入
 |
21:00

BOOK OFF

姫路キヤッスルホテル 泊)

3月4日(土)
9:00 姫路発
 |
10:00 大阪着
   大阪駅周辺をウロウロ
   梅田スカイビル

13:00 結婚式会場ホテル着

14:00 大坂のホテル(リーガロイヤルホテル大阪)で友人の結婚式・披露宴
 |
18:00

20:00 梅田で結婚式二次会
 |
22:00

ホテルサンルート梅田 泊)

3月5日(日)
   大阪城見学?

13:00 芦屋交響楽団練習見学(芦屋市民センター)
 |
17:00

18:00 大阪 知人( ̄ー ̄)と飲み会
 |
???

ホテルサンルート梅田 泊)

3月6日(月)
   心斎橋~難波をウロウロ
   BOOK OFFめぐり?

14:00 伊丹空港着

15:00 伊丹空港発
 |
16:45 新千歳空港着

19:00 室蘭オケ練習
 |
22:00
コメント (5)
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オケ入団希望者

2006年02月20日 22時42分52秒 | 日記2005-10
母との会話。

「ともだちの娘さんで、お琴で芸大でた子いるんだけどさ・・・」

( ゜Д゜)ヘーエ

「その子がオーケストラに入りたいんだって」

( ゜Д゜)フーン で、楽器は?

「琴」

( ゜Д゜)ハァ?

「琴!」

( ゜Д゜)ポカーン



『ハープ』ならまだしも、さすがに『琴』はキビシい。。。
今から楽器はじめるなら、『Viola』をオススメします。

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【本】脳をあやつる分子言語

2006年02月19日 22時17分11秒 | 読書記録2006
脳をあやつる分子言語 知能・感情・意欲の根源物質, 大木幸介, 講談社 ブルーバックス B-389, 1979年
・「《ホルモンとは何か》ホルモン焼きの材料……ではない。人間の体内で、細胞が他の細胞に情報を伝えるための言葉である。」カバーより
寒いギャグはさておき。1960年代に組織化学的蛍光法が開発され、70年代に脳についての研究が飛躍的に進んだのを受けて書かれた解説書。アミノ酸の結合図に『進め』『止めろ』『痛くない』などの訳をつけたり、分子式を擬人化して説明したりと、易しく解説しようという工夫は見られるものの、内容はやや堅め。
・「ホルモンとはギリシア語の「刺激する」、「誘発する」という意味で、体内に微量(体重キログラムあたり数ミリグラム)分泌され、その作用を受ける臓器の細胞を刺激し、活動させる物質であり、分子である。体内へ分泌されるので、古くから内分泌物質といわれており、最近では、体内の細胞間に情報を伝える物質ということに焦点をあてて、そのメカニズムそのまま、ケミカル・メッセンジャー(化学的情報伝達因子)と呼ばれるようになった。」p.15
・「生命とは何かといえば、タンパク質の合成そのものである」p.20
・「タンパク質分子にとって最も重要なことは、そのアミノ酸の自由な配列によって、無限の情報を持てるということである。」p.24
・「碧巌録の杜荀鶴の詩から「心頭を滅却すれば、火もまた涼し」といって業火に飛び込んだ快川和尚」p.76 出典を初めて知った。
・「モルヒネの発見後およそ一世紀たった一九世紀末、ドイツの製薬会社はモルヒネの簡単な誘導体を喘息の治療薬として売り出した。それは、モルヒネに酢酸分子二つが結合し、活性が強くなったジアセチルモルヒネで、モルヒネから簡単に合成される。そして、これはヘロインという名前で売り出された。」p.81 もともとは合法薬だったのか。
・「神経細胞と神経線維をまとめてニューロン(神経元)と呼ぶことがあるが、それほど使われる言葉ではない。」p.95 時代を感じる一文。
・「アドレナリンはアド(副)レナ(腎)リン(因子)で、」p.112
・「人智の発達の原因は、神経化、髄鞘化、最後に反転による大脳の巨大化という三段階の進化にあったといえるだろう。」p.170
・「人間精神を作った原点を分子レベルで求めれば、神経細胞を作った電線(神経線維)の神経膜と、その効率を倍々増した絶縁被覆髄鞘にあるということになる。」p.192
・「近代的ストレスには騒音、悪臭、汚染など、近代工業の産物も多いが、何んといっても、多量強烈なのは、近代化によるディジタル型情報の氾濫である。」p.206 『情報の氾濫』とはわりと最近の話かと思っていましたが、今からすると長閑だったと思える約30年も前に、既に言われていたのですねぇ。
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