「分りやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール, 藤沢晃治, 講談社ブルーバックス B-1387, 2002年
・この手のハウツー本は、書いてある内容を『実行する気になるかどうか』が、ポイントになると思います。いくら『10Kg確実にやせられる!』方法だとしても、その実行が困難であれば意味がありません。そういう点では、『やってみようかな』という気になれる良い本だと思います。人前で話す機会のある人だけが対象というわけではなく、日常会話にも応用可能な内容です。
・「「80対20の法則」というビジネス・ルールがあります。20パーセントの対策が80パーセントの効果をあげ、残りの80パーセントの対策は20パーセントの効果をあげている、といものです。」p.4
・「この「分かる」という言葉には、いろいろな意味があると思います。しかし本書では「話し手の意図を正しく理解すること」と定義しましょう。」p.27
・「たとえば5484965734という10桁の数字は脳内関所のサイズぎりぎりなので扱いにくく感じます。しかし、ハイフン(―)によって、その一区切りのサイズを54-8496-5734のように小さくしてやると、脳内関所が扱いやすくなります。」p.31
・「あなたが説明するときは、聞き手を「お客様」と考えてください。それが分かりやすい説明の第一歩です。」p.36
・「部下に対して、「この企画書をもう少し分かりやすくしてくれ」という指示をしても、部下はどうすればいいのか迷うでしょう。」p.63
・「抽象化とは物事の本質を見抜くことです。いろいろある事柄の中から「類似性」を発見し、そのグループ分けを発見することが「抽象化」です。」p.67
・「想像力をたくましくして、今日、初めてあなたの説明を聞く人の気持ちになってみましょう。私も一生懸命、読者の気持ちを想像しながらパソコンのキーボードを叩いています。」p.75
・「比喩とは、一見まったく異なる事柄を「その本質において同じ」ことを示すことです。「これから私が説明しようとしている事は、あなたがすでに知っているあの例と同じですよ」というのが比喩です。」p.113
・「同じ時間を待つのに、どれだけ待てばよいか事前に「知って待つ」のと「知らないで待つ」のとでは不快感において、天と地ほどの開きがあります。人は常に展望を持っていたいのです。迷うことが嫌いだからです。」p.129
・「自分が本質を理解していない事柄を、他人に「分かりやすく説明する」秘法などありません。」p.140
・「私は電話が嫌いです。電話は、状況とは無関係に即刻応答するよう強要するからです。」p.152
・「ここまで述べてきた分かりやすい説明のための15個のルールは、ごく当たり前のことばかりです。ところが、みなさんもお感じのように、世の中のいろいろな「説明」を聞くと、その当たり前が守られていない例があまりにも多いのです。」p.162
・「何か役立つ事柄を本で読んで、その時には感心、納得しても、読み終わったら、いつの間にか忘れてしまうものです。」p.162 これが『読書記録』を書く動機。
・「お勧めするのが、この第4章でまとめた15個のルールを音読することです。一日一回、この15のルールをゆっくり音読し、それを10日間だけ続けていただきたいのです。」p.164
というわけで、15のルールを以下に。
ルール1 タイムラグの存在を知れ
★聞き手が脳内整理棚を準備中はゆっくり話すなどして待て。
★聞き手の脳内整理棚がいつ準備完了するかに注視せよ。
★聞き手の脳内整理棚の準備が完了してから情報を送れ。
ルール2 タイムラグを短縮せよ。
★概要を先に与えよ。
★聞き手の脳内整理棚選定作業を詳細情報で妨害するな。
ルール3 「間」を置きながら、しみ入るように話せ。
★意味別の区切りごとに小休止を取れ。
★キーポイントを話した直後に小休止を取れ。
★複雑な概念を話す時は小休止を多用せよ。
ルール4 具体性と抽象性のバランスを取れ。
★意識して範囲指定せよ。
★範囲を推測させる具体例を挙げよ。
★大分類名ではなく、小分類名で語れ。
★全体説明と部分説明との間を適宜、行き来せよ。
ルール5 説明もれに気づけ。
★第三者に事前チェックしてもらえ。
★聞き手の立場を想像せよ。
ルール6 情報構造を浮かび上がらせよ。
★重複。ムダを整理せよ。
★大項目、小項目の関係を明示せよ。
★対比関係、同列関係を明示せよ。
★キーポイントを添えよ。
ルール7 キーワードを使え。
ルール8 論理的な主張をせよ。
★主張の裏付けを用意せよ。
★承認ずみの主張は「新しい裏付け」として再利用せよ。
★分かりやすさの障害となる非論理的な弱点部分は隠せ。
ルール9 聞き手が知っている事例にたとえよ。
★格言、ことわざを普段から仕入れよ。
ルール10 聞き手の注意を操作せよ。
★要点を話す前に「問いかけ」で注視させよ。
★「まとめ言葉」で聞き手の整理を助けよ。
ルール11 聞き手を引率せよ。
★常に聞き手に展望を与えよ。
★聞き手が落伍していないか気配りせよ。
ルール12 繰り返しの劣化に注意せよ。
★聞き返されたら要注意。
★聞き手は「今日、初めて聞く」ことを忘れるな。
★「伝える」気持ちを取り戻せ。
ルール13 持ち時間を守れ。
★要約力をみがけ。
★説明内容の要点を大、中、小、の見出しに整理しておけ。
ルール14 聞き手に合う説明をせよ。
★聞き手の持っている前提知識を知ってから説明せよ。
★説明内容を事前に正しく知らせよ。
★聞き手に、必要な前提知識を事前に正しく示せ。
ルール15 聞き手を逃すな。
★聞き手の不快感を解消せよ。
・シメのお言葉「「柔らかい食品」が絶対善でないように、「分かりやすい説明」も絶対善ではないようです。子どもが喜ぶ柔らかい食品が真に子どものためになるわけではありません。同様に「分かりやすい授業」も「過ぎたるは及ばざるが如し」です。安易に喜ばれることが最高のサービスではないのかもしれません。」p.173
・この手のハウツー本は、書いてある内容を『実行する気になるかどうか』が、ポイントになると思います。いくら『10Kg確実にやせられる!』方法だとしても、その実行が困難であれば意味がありません。そういう点では、『やってみようかな』という気になれる良い本だと思います。人前で話す機会のある人だけが対象というわけではなく、日常会話にも応用可能な内容です。
・「「80対20の法則」というビジネス・ルールがあります。20パーセントの対策が80パーセントの効果をあげ、残りの80パーセントの対策は20パーセントの効果をあげている、といものです。」p.4
・「この「分かる」という言葉には、いろいろな意味があると思います。しかし本書では「話し手の意図を正しく理解すること」と定義しましょう。」p.27
・「たとえば5484965734という10桁の数字は脳内関所のサイズぎりぎりなので扱いにくく感じます。しかし、ハイフン(―)によって、その一区切りのサイズを54-8496-5734のように小さくしてやると、脳内関所が扱いやすくなります。」p.31
・「あなたが説明するときは、聞き手を「お客様」と考えてください。それが分かりやすい説明の第一歩です。」p.36
・「部下に対して、「この企画書をもう少し分かりやすくしてくれ」という指示をしても、部下はどうすればいいのか迷うでしょう。」p.63
・「抽象化とは物事の本質を見抜くことです。いろいろある事柄の中から「類似性」を発見し、そのグループ分けを発見することが「抽象化」です。」p.67
・「想像力をたくましくして、今日、初めてあなたの説明を聞く人の気持ちになってみましょう。私も一生懸命、読者の気持ちを想像しながらパソコンのキーボードを叩いています。」p.75
・「比喩とは、一見まったく異なる事柄を「その本質において同じ」ことを示すことです。「これから私が説明しようとしている事は、あなたがすでに知っているあの例と同じですよ」というのが比喩です。」p.113
・「同じ時間を待つのに、どれだけ待てばよいか事前に「知って待つ」のと「知らないで待つ」のとでは不快感において、天と地ほどの開きがあります。人は常に展望を持っていたいのです。迷うことが嫌いだからです。」p.129
・「自分が本質を理解していない事柄を、他人に「分かりやすく説明する」秘法などありません。」p.140
・「私は電話が嫌いです。電話は、状況とは無関係に即刻応答するよう強要するからです。」p.152
・「ここまで述べてきた分かりやすい説明のための15個のルールは、ごく当たり前のことばかりです。ところが、みなさんもお感じのように、世の中のいろいろな「説明」を聞くと、その当たり前が守られていない例があまりにも多いのです。」p.162
・「何か役立つ事柄を本で読んで、その時には感心、納得しても、読み終わったら、いつの間にか忘れてしまうものです。」p.162 これが『読書記録』を書く動機。
・「お勧めするのが、この第4章でまとめた15個のルールを音読することです。一日一回、この15のルールをゆっくり音読し、それを10日間だけ続けていただきたいのです。」p.164
というわけで、15のルールを以下に。
ルール1 タイムラグの存在を知れ
★聞き手が脳内整理棚を準備中はゆっくり話すなどして待て。
★聞き手の脳内整理棚がいつ準備完了するかに注視せよ。
★聞き手の脳内整理棚の準備が完了してから情報を送れ。
ルール2 タイムラグを短縮せよ。
★概要を先に与えよ。
★聞き手の脳内整理棚選定作業を詳細情報で妨害するな。
ルール3 「間」を置きながら、しみ入るように話せ。
★意味別の区切りごとに小休止を取れ。
★キーポイントを話した直後に小休止を取れ。
★複雑な概念を話す時は小休止を多用せよ。
ルール4 具体性と抽象性のバランスを取れ。
★意識して範囲指定せよ。
★範囲を推測させる具体例を挙げよ。
★大分類名ではなく、小分類名で語れ。
★全体説明と部分説明との間を適宜、行き来せよ。
ルール5 説明もれに気づけ。
★第三者に事前チェックしてもらえ。
★聞き手の立場を想像せよ。
ルール6 情報構造を浮かび上がらせよ。
★重複。ムダを整理せよ。
★大項目、小項目の関係を明示せよ。
★対比関係、同列関係を明示せよ。
★キーポイントを添えよ。
ルール7 キーワードを使え。
ルール8 論理的な主張をせよ。
★主張の裏付けを用意せよ。
★承認ずみの主張は「新しい裏付け」として再利用せよ。
★分かりやすさの障害となる非論理的な弱点部分は隠せ。
ルール9 聞き手が知っている事例にたとえよ。
★格言、ことわざを普段から仕入れよ。
ルール10 聞き手の注意を操作せよ。
★要点を話す前に「問いかけ」で注視させよ。
★「まとめ言葉」で聞き手の整理を助けよ。
ルール11 聞き手を引率せよ。
★常に聞き手に展望を与えよ。
★聞き手が落伍していないか気配りせよ。
ルール12 繰り返しの劣化に注意せよ。
★聞き返されたら要注意。
★聞き手は「今日、初めて聞く」ことを忘れるな。
★「伝える」気持ちを取り戻せ。
ルール13 持ち時間を守れ。
★要約力をみがけ。
★説明内容の要点を大、中、小、の見出しに整理しておけ。
ルール14 聞き手に合う説明をせよ。
★聞き手の持っている前提知識を知ってから説明せよ。
★説明内容を事前に正しく知らせよ。
★聞き手に、必要な前提知識を事前に正しく示せ。
ルール15 聞き手を逃すな。
★聞き手の不快感を解消せよ。
・シメのお言葉「「柔らかい食品」が絶対善でないように、「分かりやすい説明」も絶対善ではないようです。子どもが喜ぶ柔らかい食品が真に子どものためになるわけではありません。同様に「分かりやすい授業」も「過ぎたるは及ばざるが如し」です。安易に喜ばれることが最高のサービスではないのかもしれません。」p.173