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『まことの華姫』…♪

2019-06-21 09:48:38 | Weblog
文庫本のエンド台にひときわ華やかなカバーの1冊が
カバー裏の紹介文に目を通す。
ほぉぉぉ…、なるほどぉぉ…。
好きな作家なので、買いです。

               

『まことの華姫』 畠中恵箸 角川文庫

お前さん、ちょいと病んでないかい って言いたくなるような娘さんのモノローグで始まる。
華姫というのは、芸人月草(つきくさ)が相方にしている姫様人形のこと。
月草はお華と呼んでいます。
四尺六~七寸ていうから140cm前後の大きさだわね。
文楽の人形、そうだね、静御前あたりをイメージするといいかもしれない。
両国の盛り場で月草が見せているのはいわゆる腹話術です。
舞台ではもちろんのこと、日常のシーンでも肝心な会話はお華の口を借ります。
言葉そのものは月草の考えであり思いなのに、それがお華の口から語られると重みが増し信憑性が増すという不思議。
もちろん月草の芸のなせる業ではあるけどね。
お華&月草に両国の大親分山越の娘お夏が加わって、縺れ絡んだ糸を解きほぐし謎や揉め事を解決していきます。
山越の親分さんもなかなかの好い男ぶりです。
お華には“追っかけ”までいるという人気ぶり
櫛や簪を贈られたりしています、まさに“あいどる”…
短編5本にプロローグとエピローグ付き。
暗ぁ~い話やおどろな話、悲惨な話はありません、どれも良かったねとにっこりしてページを閉じられる話です。
シリーズ化されるといいな。
コメント
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