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鬼かぁ…♪

2021-05-16 09:36:32 | Weblog
久しぶりに見た昨晩のTBS『世界ふしぎ発見!』のテーマは

でした。
まず思い浮かぶのは節分の鬼、そして桃太郎に退治されてしまった鬼、もちろん大江山の酒呑童子と茨木童子も。
鬼の目にも涙とか鬼に金棒とか渡る世間に鬼はないとか、慣用句も多々あります。
あ、“渡る世間は鬼ばかり”というのはテレビ番組のタイトルであって、慣用句としては“鬼はない”です。
ま、それはさておき、《鬼》、怖さ恐ろしさも含めてなんとも神秘的で怪しい魅力を漂わせてますよね。
番組では、日本各地にある鬼を祀ったり鬼と所縁があると言い伝えられている社寺なども紹介しながら、≪鬼≫やその周辺の習俗などについて考えたりクイズにしたりしていました。
出雲地方で今も盛んな神楽。
曰くとともに紹介された刀≪童子斬(どうじぎり)
現代の山伏の集団が修行をする様子。
心をときめかせる、心地よく胸を騒がせる誘惑を秘めている。
桃太郎の元となった伝説をはじめとして鬼退治の物語には、征服者と被征服者との関係が背景にある、征服者が桃太郎であり、被征服者が≪鬼≫。
『出雲国風土記』にも記載されているようだけど、温羅という鬼を征服した吉備津彦命が桃太郎。
おそらく温羅は出雲の豪族で時の朝廷に従わぬ者、吉備津彦命は朝廷が差し向けた討伐者って関係だったんだろうな、あの熊襲vs日本武尊と同質の伝説なんだろうと思う。
大江山の酒呑童子だってもしかしたら狩猟や採掘などを生業とする“山の民”だったかもしれない。
当時の権力者側が、自分たちの価値観・風俗・生活様式・etc.etc.を絶対視していて、それとは異なる習俗のもとで生きているものたちを従がわせようとし、従わぬものを排除しようとした、ってことでしょうよね。
そこに仏教的思想や神道的価値観などが混入して、さまざまな伝説伝承へと形を変えたわけで、本来、鬼=悪という単純な図式ではない。
≪鬼≫という言葉から感じるなんとも表現しがたい魅力というのは、そういう幾層にも重なった裏の物語を秘めているからかもね。
コメント
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