<小烏神社奇譚>シリーズの第3作目、
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『蛇含草』 篠綾子著 幻冬舎時代小説文庫
小烏神社の氏子である花枝と大輔姉弟の家が営む旅籠屋に泊まった父子に纏わるお話と、四谷の千日谷で起きたという法螺抜けに関わる怪異のお話とが主軸です。
父子に纏わるお話の方にはイソップ童話の“おおかみがきた”と類似の逸話が関わっていて、さぁこの父子の正体はってところが肝、大輔も彼なりに迷い悩み苦慮し、そんな彼に竜晴サマは冷淡に見えるほど冷静にではありますが真面目に思い遣り深く向き合ってくれています。
法螺抜けのほうはやはり怪異絡みで竜晴のもとにいる二柱の付喪神、抜け丸と小烏丸もそれなりに活躍しますし、最後は竜晴サマと天海大僧正、伊勢貞衡どのが力を合わせて悪霊調伏、ただしこの悪霊にも“おおかみがきた”的な過去があります
そして伊勢貞衡どのご自慢の鷹アサマはやはり付喪神でした、無銘の弓矢の。
『狐の眉刷毛』
小烏神社の氏子である旅籠屋の娘花枝と旧友お蘭との昔と今の関りについてのお話と、四谷の稲荷神社から竜晴サマへの依頼に関わるお話が主軸で、この2本のお話が微妙に絡み合っていますが、ま、それはいつものことですね。
花枝の人となりがよくわかりますし、少女のころも今も好感のもてる素敵な娘さんです。
いつもの事ながら竜晴サマと天海大僧正、伊勢貞衡どのは力を合わせて悪しき妖狐を退治。
その結果竜晴サマはお稲荷さま=宇迦御霊から子狐(もちろん妖狐です)を預けられることになります
このあと以前に読んだ『猫じゃらし』『吾亦紅』に繋がっていきます
『蛇含草』でも『狐の眉刷毛』でも、小烏丸は相変わらず記憶が戻らぬままに過去の夢を見て、目覚めたときには夢の内容を忘れていますが、夢に出てくるのはいつも平重盛卿です。
本作の作者はかなり平家物語に造詣が深いのかあるいは平重盛卿に深い思い入れがあるのか…。
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『蛇含草』 篠綾子著 幻冬舎時代小説文庫
小烏神社の氏子である花枝と大輔姉弟の家が営む旅籠屋に泊まった父子に纏わるお話と、四谷の千日谷で起きたという法螺抜けに関わる怪異のお話とが主軸です。
父子に纏わるお話の方にはイソップ童話の“おおかみがきた”と類似の逸話が関わっていて、さぁこの父子の正体はってところが肝、大輔も彼なりに迷い悩み苦慮し、そんな彼に竜晴サマは冷淡に見えるほど冷静にではありますが真面目に思い遣り深く向き合ってくれています。
法螺抜けのほうはやはり怪異絡みで竜晴のもとにいる二柱の付喪神、抜け丸と小烏丸もそれなりに活躍しますし、最後は竜晴サマと天海大僧正、伊勢貞衡どのが力を合わせて悪霊調伏、ただしこの悪霊にも“おおかみがきた”的な過去があります
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そして伊勢貞衡どのご自慢の鷹アサマはやはり付喪神でした、無銘の弓矢の。
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『狐の眉刷毛』
小烏神社の氏子である旅籠屋の娘花枝と旧友お蘭との昔と今の関りについてのお話と、四谷の稲荷神社から竜晴サマへの依頼に関わるお話が主軸で、この2本のお話が微妙に絡み合っていますが、ま、それはいつものことですね。
花枝の人となりがよくわかりますし、少女のころも今も好感のもてる素敵な娘さんです。
いつもの事ながら竜晴サマと天海大僧正、伊勢貞衡どのは力を合わせて悪しき妖狐を退治。
その結果竜晴サマはお稲荷さま=宇迦御霊から子狐(もちろん妖狐です)を預けられることになります
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このあと以前に読んだ『猫じゃらし』『吾亦紅』に繋がっていきます
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『蛇含草』でも『狐の眉刷毛』でも、小烏丸は相変わらず記憶が戻らぬままに過去の夢を見て、目覚めたときには夢の内容を忘れていますが、夢に出てくるのはいつも平重盛卿です。
本作の作者はかなり平家物語に造詣が深いのかあるいは平重盛卿に深い思い入れがあるのか…。