『相槌 <神田職人えにし譚>』を読んでいて今回も思ったのは、神狐の化身と思われる“しろ”と“ましろ”がほんとにカワイイってこと。
今作では真冬だから二人は紺色の袷と濃紺の綿入れを着ているけど、その綿入れの下でふさふさのしっぽが動いているような気がする…、あるいは、咲さんはじめ人間の目には見えないけどもしっぽは出ているのかもしれない、そんな風に想像しちゃいます
で、ふたりが腰に付けている守り袋の紋印から伏見稲荷に所縁があろうと咲さんは見当をつけていて、二人がお遣い・お仕事と称しているのは縁結びかもしれないと考えているわけ。
シリーズ第1作目『飛燕の簪』の初めの方で稲荷神社にお参りした咲さんが“なにかおもしろいことはないかねぇ”と呟いたことから物語が始まる。
立ち寄った小間物屋で見かけた1本の簪をめぐっての錺師修次さんとの出会い。
ある老婆に声をかけたことから長い間離れ離れになっていた高齢の姉妹が再会する一翼をになうことになり、その縁で料理屋の女将に相応しい帯を拵える、その帯を見た能役者から腰帯の注文を受け、さらにはその能役者の娘が許嫁への返礼にと半襟を注文してくれて……、まるでわらしべ長者のお話のように人から人へと繋がっていくんですよね。
シリーズ初めの頃に咲さんが手掛けた七草柄の財布を買った粋人もその友人も咲さんの贔屓となってて、その友人は錺師修次さんの贔屓でもあり戯作者狐魅九之助の支援者でもあり……、この狐魅九之助が引き起こした騒動をきっかけに咲さんは髪結いのお伊麻さんと知り合い、そのお伊麻さんは瑞香堂の主と好い仲に……。
シリーズ第1作目から第5作目までの間に広がった咲さんの作品の愛好者たち、彼らは咲さんの知らないところでも繋がりを持っていて、第6作目でついに師匠の工房に入った大仕事に力を貸すことに。
小さな輪がいくつもいくつも鎖のように繋がって大きな輪を作ってるみたいですが、それが咲さんのいう“縁結び”なんでしょうし、第6作目には春日大社所縁の神鹿の化身かと思われる少女も登場しましたから、さらに輪が大きくなっていきそうですよね。
そして修次さんと咲さんの仲はなかなか進展しないけど、職人仲間として、他に替え難い相槌として、このままでもいいんじゃないかねぇなんて思ってます。
今作では真冬だから二人は紺色の袷と濃紺の綿入れを着ているけど、その綿入れの下でふさふさのしっぽが動いているような気がする…、あるいは、咲さんはじめ人間の目には見えないけどもしっぽは出ているのかもしれない、そんな風に想像しちゃいます
で、ふたりが腰に付けている守り袋の紋印から伏見稲荷に所縁があろうと咲さんは見当をつけていて、二人がお遣い・お仕事と称しているのは縁結びかもしれないと考えているわけ。
シリーズ第1作目『飛燕の簪』の初めの方で稲荷神社にお参りした咲さんが“なにかおもしろいことはないかねぇ”と呟いたことから物語が始まる。
立ち寄った小間物屋で見かけた1本の簪をめぐっての錺師修次さんとの出会い。
ある老婆に声をかけたことから長い間離れ離れになっていた高齢の姉妹が再会する一翼をになうことになり、その縁で料理屋の女将に相応しい帯を拵える、その帯を見た能役者から腰帯の注文を受け、さらにはその能役者の娘が許嫁への返礼にと半襟を注文してくれて……、まるでわらしべ長者のお話のように人から人へと繋がっていくんですよね。
シリーズ初めの頃に咲さんが手掛けた七草柄の財布を買った粋人もその友人も咲さんの贔屓となってて、その友人は錺師修次さんの贔屓でもあり戯作者狐魅九之助の支援者でもあり……、この狐魅九之助が引き起こした騒動をきっかけに咲さんは髪結いのお伊麻さんと知り合い、そのお伊麻さんは瑞香堂の主と好い仲に……。
シリーズ第1作目から第5作目までの間に広がった咲さんの作品の愛好者たち、彼らは咲さんの知らないところでも繋がりを持っていて、第6作目でついに師匠の工房に入った大仕事に力を貸すことに。
小さな輪がいくつもいくつも鎖のように繋がって大きな輪を作ってるみたいですが、それが咲さんのいう“縁結び”なんでしょうし、第6作目には春日大社所縁の神鹿の化身かと思われる少女も登場しましたから、さらに輪が大きくなっていきそうですよね。
そして修次さんと咲さんの仲はなかなか進展しないけど、職人仲間として、他に替え難い相槌として、このままでもいいんじゃないかねぇなんて思ってます。