■ 民主党大勝 ■
大方の予想通り、衆議院選挙は民主党が308議席を獲得して大勝しました。
民主党の健闘と言うよりは、「自民党の自滅」の感が強い選挙でした。
しかし、比例区選出の民主党議員は、皆さんお若いですね。
それに、女性が多い。
あれ・・・、郵政選挙の時の自民党の状況に似ていますね。
「比例区の候補者名簿に誰でもいいからとにかく載せとけ」って感じで、
自民党の事務局の職員やら、一般公募で異彩を放っていた杉浦太蔵やらを載せておいたら
皆まとめて当選してしまった。
尤も、今回の選挙で、皆まとめて落選してしまいましたが・・・。
さて、民主党は国民の期待通り、日本を良い方向へ改革してくれるでしょうか。
■ 東京では分からない自民党政治の実態 ■
東京近郊に住む我々は、自民党の「金権・バラマキ政治」といわれてもピンと来ません。
しかし、先日、島根県出身の方と飲んでいて、こんな話を聞きました。
島根県は山陰の人口の少ない県ですが、大物政治家を多く輩出しているそうです。
竹下登、青木幹男、細田博之、櫻内義雄などは島根県選出。
そのせいか、島根は公共工事が盛んで、
広島市程の人口しかいない県に、空港が4つもあり、
道路は広くて立派。
知り合いの家の近くの川には、見渡せる範囲で立派な橋が4本も架かっているそうです。
当然、土建業者と政治家の繋がりは深く、
地元の土建屋は、地元選出議員の東京のパーティーに、
社員400人を地元から泊まり掛けで動因する力の入れよう。
尤も、毎年相当な額の受注と引き換えだそうです。
これらの有力議員を地道に支えるのが地元の支援団体。
選挙後、誰が誰に投票したかなんて、東京では絶対に分かりませんが、
何と、島根などの田舎では分かるらしいのです。
開票した結果、予定していた得票集に達していないと、
集落の寄り合い所に住民が皆集められます。
そして、一人一人を追及していうそうです。
黙ってれば分からないだろうと思いますが、
地元の結びつきと拘束力が強いので「私が入れました・・・」と白状してしまう・・・。
こうして、地方選出の有力議員は長年議席を確保して、
自民党内の有力ポストに登り詰めて行き、
地元に利益を誘導してきました。
その結果が、積もり積もった800兆円の国債残高です。
■ 政界再編よりも民主党の充実を ■
民主党はアンチ自民の寄せ集め所帯で、現在の所、いささか頼り無い所があります。
又、小沢一郎の政局運営は、旧態依然とした利益誘導スタイルです。
民主党の政権も近々行き詰まり、政界再編になだれ込むと観る向きもあるようです。
しかし、しばらくは民主党のお手並み拝見といった所です。
典型的なリベラル政党になりつつある民主党は、
とりあえずは、財政出動でセーフティーネットを充実させ、
国民の支持を確実なものにしえゆくでしょう。
その上で、財政状態をどう改善して行くかが、手腕の見せ所ですが、
先に書いたように、自民党がばら撒いて来た無駄を排除すれば、かなりの財源は確保出来そうです。
しかし、バラマキは、中央から地方への再分配を担っており、
単純に支出を減らせば、地方がさらに衰退するというジレンマを抱えています。
経済特区や、道州制の導入など、政策や税制から地方を活性化させる方法もありますが、
成果が出るまでには10年以上の時間を要します。
本来、自民党政権が進めなければいけなかった改革ですが、
民主党への大きな宿題として丸投げされる格好となりました。
経済状況とも相まって、民主党は大きなビハインドを背負って、マウンドに登場しました。
しかし、世界経済が混迷する中で、日本の政局のさらなる混迷は避けなければなりません。
将来的には政界再編があるかもしれませんが、
しばらくは国民が民主党を支えていく事は重要です。
注意すべきはマスコミです。
持ち上げるだけ持ち上げて、梯子を外すようなマネを繰り返すようでは、
日本にいつまで経っても、まともな政党は出来ません。
中、長期的視野での政権運営の下地を整える気概くらいは持ってほしいものです。
■ 選挙が終わったら押井学が保釈された・・・■
いろいろと政治家との絡みが取りざたされてきた押井事件ですが、
選挙が終わったら、保釈されました。
拘留期限との絡みもあるようですが、
検察はホステス死亡事件もあるので、拘留延期を求めていた様です。
今後、民主党が警察や検察を掌握すれば、
この事件の真相が明らかになる日もあるでしょう。
まあ、ここら辺も、民主党の切り札になって行くのでしょう。
いずれにしても、選挙が終わるまでは押井にチョロチョロされては困る輩が居たようです。
そういえば、森喜郎さんは、小選挙区で辛勝しましたね。
■ すっかりパラダイムシフトしてしまった ■
今回の選挙で、大健闘したのが「みんなの党」。
なんだか、「20世紀少年」の「ともだち」みたいなノリですが、
いかに選挙がイメージに左右されるかを端的に示しています。
自由だの民主だののイデオロギーは国民が望んでいないという事でしょう。
それよりも、「みんなの幸せ」とか「みんなの日本」のような「ヌルイ」イメージが好感される様です。
こんな時代には、「共産党」や「社民党」は本当に辛いですね。
以前は自民党への批判票の受け皿として機能していましたが、
今となっては労働組合の為の政党と成り果てました。
創価学会と公明党に近いものを感じます。
マルクス主義はもはや思想では無く、一種の宗教です。
さて、今回の選挙でもう一つ目立っていたのが、「幸福実現党」。
とにかく街頭演説で日本のビジョンをしっかりと語っていたのはこの党しかありませんでした。
かつて、共産党の演説には説得力がありましたが、
「正論だけど、そんな理想郷のような国は実際にあり得ないよね」的な諦めを抱かせました。
今回の「幸福実現党」のマニュフェストには、「普通の国家」とは何かが良く書かれていました。
尤も、実行力がありませんから、大川隆法氏の宣伝活動以外の何物でもありませんが、
かつての「共産党」の演説とは正反対の内容を違和感無く聞けるのは、
戦後政治のパラダイムが完全に変化した事の現われでしょう。
日本の政治は、この先もしばらく、「気分先行、体質旧態」が続くでしょう。
マスコミの良識ある報道で、是非、旧体質を打破して欲しいものです。