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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ドルの行方・・・いつも被害者の日本

2009-09-30 08:10:00 | 時事/金融危機


■ ドルは意図的に減価され続けた ■

ドルの暴落(減価)など、今に始まった話ではありません。
1ドル360円の固定相場制の時代に比べれば、
現在の円/ドルは1/4になっています。

しかし、それは緩やかな変化だとお思いかもしれませんが、
ニクソンショックやプラザ合意の時は、意図的に急激なドル安が起きています。
上のグラフからも分かるように、プラザ合意の際には、
2年余りでドルが240円から120円に下がっています。
さらに1995年には79.75円までドル安が進行しています。

このドルの減価の時期と、アメリカ国債の大量償還時期は重なります。
アメリカはドルの意図的な減価によって、
第二次世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争といった時期に
大量に発行された国債の償還の負担を軽くしていたのです。

さらに、日本などはアメリカ国債の償還時期に
新しいアメリカ国債に買い替え(ロールオーバー)していますから、
事実上、アメリカ国債が償還された事なんて無いのです。

この間、ドルは機軸通貨であり続けましたから、
ドルを刷り続ければ、アメリカは買い物を続ける事が出来ました。

■ ドル安という罠 ■



ドル安には、巧妙な罠が仕掛けられています。
ドルに対して急激に2倍以上の価値が円に生じたので、
アメリカの資産が、日本企業にとって一気にお買い得プライスになったのでした。

1989年に三菱地所はロックフェラーセンターを買収します。
これは、アメリカの富の象徴を日本人が買ったという事で、随分と攻撃されました。
ところが、三菱銀行はその後のバブル崩壊で、
結局、半額でロックフェラーセンターを手放しています。
買い取ったのは、ロックフェラーです。

実は、ここにはこんなトリックがありました。

<2chより>

1.バブルの時、不動産高騰で絶好調の三菱地所がNYのロックフェラーセンタービルを買収。
 因みにその時アメリカ人は「アメリカの魂を買った」とかなんとか言ってジャパンバッシング。
 ↓
2.NYが新しい法律「NYの不動産やテナントビルの売買や賃貸は元の持ち主の許可を得ないと勝手に行ってはならない」を施行
 ↓
3オーナーなのに好きに売れない、テナントも入れられないで三菱地所涙目。家主の権利の大部分は何故かロックフェラーが保持。
 ↓
4.折しもプラザ合意で人為的にドルをドンドン下げ、ロックフェラービルの価値も下落。2年で買ったときの半額に。三菱地所超涙目
 ↓
5.バブル崩壊の足音が迫る中、さすがの三菱地所も持ちこたえられ無くなったところを、ロックフェラーが買い取りを打診。
 背に腹は替えられず半額で売るハメに。三菱地所超々涙目
 ↓
6.先の法律を適用すればロックフェラービルの権利は旧オーナーの三菱地所が持つはずだが。その法律は買い戻した直後に無かったことに
 三菱地所超々々涙目

<引用終わり>

結局、ロックフェラーは労せず多額の資金を手にいれたのでした。
これに似た事例は数多くありました。
その後、アメリカは詐欺同然の金融改革で、不死鳥のごとく復活します。

■ 周到に計画された日本のバブル景気 ■ 

三菱地所がロックフェラーセンターを手放すきっかけとなったバブル景気の崩壊ですが、
プラザ合意から周到に計画されていたと言っても過言ではありあません。

プラザ合意で円がいきなり2倍以上になってしまったので、
日本の対米輸出は大きく落ち込みました。所謂、円高不況です。
その打開策として、金利が大きく引き下げられ、
アメリカからの圧力もあって、中曽根内閣は公共投資を増大させます。

過剰流動性が膨らんだ市場は、不動産を投資対象として、
不動産バブルが膨らみました。
バブルはきっかけさえ与えてあげれば、勝手に暴走を始めます。
アメリカは1980年代に不動産バブルを経験しています。
アメリカは意図的に、外圧によって日本のバブルを作り出したと言っても過言ではありません。

バブルで膨らんだジャパンマネーはアメリカに流れ込み、
バブルの終焉で根こそぎ奪い取られました。

■ 日本の郵政・年金資金を狙うアメリカ ■

世界は金利に飢えています。
日本の郵便貯金や年金資金も、どうにかして金利を稼ごうとします。

本来であれば、ドルの金利を高く誘導すれば、
金利に引かれて世界中のお金が集まってきます。
しかし、今のアメリカは金利を高くすると、経済の息の根が完全に止まります。
ドルの信用も揺らいでいますから、容易に世界の資金を集める事は出来ません。

そこで、歴史は繰り返します。
アメリカは「ドルの減価」と「死んだふり」戦略で
世界から投資を呼び込むのでは無いでしょうか?
「アメリカがお買い得」と思わせて、資金を呼び込んだ後、
相手国経済を破壊して、資金だけガッポリ頂くという作戦です。

■ 次の相手は中国か? ■

しかし、日本には既にバブルを発生させるだけの余力はありません。
今回のメインターゲットは多分中国です。
中国を初めBRIC諸国は、バブルを発生させる余力があります。

アメリカは終わった大国だ。
JAPAN AS NO.1・・・・
かつておだてられていい気になった日本はどうなったでしょうか?

中国とアメリカはG2だ。
中国経済は世界の希望だ・・・とでも煽てておいて、
中国からの資金流入を誘う。
それには、元の自由化が不可欠ですが、
ドルが減額して、元が本来のレートになれば、世界最大の経済大国は中国になります。
かつての日米関係がここに生まれます。

■ アメリカの潜在成長力は日本を凌ぐ ■

昨日、アメリカは「貧乏な国」と書きましたが、
をれは即ち、潜在競争力を持っているという事の裏返しです。
アメリカの出世率は中国よりも高く、3人以上の子持ちも沢山居ます。
貧乏子沢山とも言いますが、アメリカの中流家庭でも子供は3人くらい普通に居ます。

今後、ベビーブーマーのリタイアでアメリカも年金圧力が高まりますが、
日本程、高齢化が長期に続くわけではありません。

アメリカは10年、どうにか持ちこたえれば充分に復活するだけの潜在成長力があります。
これが、衰退を約束された老いた日本との決定的な違いです。

復活したアメリカが唯一の超大国である訳には行きませんが、
多極化の1つの核である事は疑いの無い事実です。

■ 民主党の通貨戦略 ■

民主党の藤井財務大臣のドル安容認発言で、円ドル相場は大分混乱しました。
民主党は一見、強い円を望んでいるようにも受け取れます。

強い円の魅力は、何と言っても海外から安く食料や原料や製品が買える事です。
今後予想される資源や食料の高騰を考えると、円は高いに越した事はありません。

米国が死んだふりをしている10年間は
多分対米輸出は増えません。
ドルを現状で維持しようとも、輸出産業はジリ貧です。
それよりも、強い円を使って、内需を喚起し、
国民生活の向上を目指す方が民主党的です。

尤も、国内生産を空洞化させてこれを実行させれば、アメリカのニの舞いです。
しかし、アジア通貨に対して円は下落して行くでしょうから、
アジアとの労働コストの差は減少し、産業の空洞化も防げるかもしれません。

日本が保有するアメリカ国債は売るに売れず、
償還しようとすれば、ロールオーバーされるので、結局戻らないお金です。
それならば、日本も世界の多極化の流れに乗って、
機軸通貨としてのドルに緩やかに引導を渡し、
アジア経済圏の確立に注力するべきです。

藤井発言は長期的に見れば、このような民主党のビジョンの表れでしょう。

■ ツンデレ演技で経団連を恫喝する藤井財務大臣 ■

しかし、民主党とて、急激な円高は望みません。
現状、日本経済が対米輸出に大きく依存している限り、
急激な円高は、日本経済の息の根を止めてしまいます。

そんな事は藤井財務大事も充分承知しています。
それでも、尚、円高容認発言をするかと言えば、
はっきり言って「経団連」への脅しでしょう。

元来、自民党との関係が深く、自民党を影で操っていたと言っても過言では無い経団連は
民主党にとっては、目の上のタンコブです。
早い内に、経団連の支配力を自民党から奪っておきたい。(支配されている様にも見えますが)
そこで、円高容認発言で経団連にお灸を据えたおいて、
手のひらを返したように、「急激な円高は望まない」と言ってみせる。

まさに、齢を重ねた老人ならではの「ツンデレ」演技。

まあ、本当の所は素人には預かり知らぬ所ですが、
財務大臣が単なる経済音痴から、あのような発言をしたとは考えられませんし、
後は、アメリカの多極主義者達への名刺代わりくらいの意味合いでしょうか?