http://www.gizmodo.jp/2012/06/_wwdc2012_bmwsiri.html より
■ デジカメやパソコンは、iPhonに喰われる ■
「技術革新は新しい市場を作り出し経済に貢献する」
誰もが疑わない言葉だと思います。
ところが最近の動きを見ていると、
「技術革新は市場を統合して経済を縮小する」と思えるケースがあります。
その顕著な例が、パソコンと携帯電話市場です。
かつてパソコンは30万円以上する高額な商品でした。
かつてパソコンはネットにアクセスする唯一の手段であり、
画像の保存や編集を行う手段であり、
仕事の道具でもありました。
ところが、一部の人々は気付き始めました。
iPhonで充分では無いかと?
iPadで充分では無いかと?
iPhonは写真が撮れます
iPhonは音楽が聴けます
iPhonは地図になります
これにより、安価なデジカメ市場と、
携帯音楽プレーヤー市場は消滅します。
そしていずれは、カーナビ市場が消滅します。
■ 低コストで大量生産が可能なデジタル技術 ■
アナログ機器では「高性能=物量=コストアップ」でした。
一方、デジタル技術の特徴は、
「高性能化=高集積=小型化=低コスト化」
デジタル技術の進化は、低価格化を伴います。
これは一種のデフレです。
世界的に見れば、携帯市場もデジタル製品市場も拡大しています。
これは、新興国の人達がこれらの商品を買い始めたからです。
一方で、日本国内に目を転じれば、
デジタル・デフレの影響は深刻です。
今後、スマートフォンのさらなる普及は、
多くの、旧来のデジタル機器の絶滅を伴います。
■ 情報ゴミ社会の到来 ■
産業活動は大量のゴミの排出を伴います。
そのゴミそこが、経済の大きさなのだとも言えます。
一見、情報技術分野はゴミを排出しません。
しかし、現在各地で大型のデータセンターが建設され、
そこに置かれたサーバーの中に大量のデータが溜まり続けています。
これらのデータこそが、デジタルのゴミだとも言えます。
このままバーチャルな世界が
現実の世界の裏側に現れ、
そして新たな経済活動の場となるのか、
あるいは金融危機で人々が夢から覚めるのか?
私達は有史以来一番興味深い転換点にあるのかも知れません。
(こんな事を書いている私はスマートフォンを持っていません。
外出してまで、ネットアクセスしたいとは思わないからです。
しかし、ビジネス環境の変革をそれを許してくれなくなる時代も近そうです・・・)