■ ファーストサーバーのデータ消失事故 ■
ソフトバンク系のサーバー会社、
ファーストサーバーが顧客のデータを消失してしまいました。
原因は、メンテナンスソフトのバグ。
1) デリートコマンドの停止が抜けていた
2) デリート対象のサーバー指定が抜けていた
この2重のミスにより、サーバー内データを全消去してしまった様です。
さらに、
3) 復旧の過程の不手際でバックアップサーバー内も全消去してしまった。
これによって、ファーストサーバーにデータを預けていた顧客のデータは
完全に復旧出来ない状態になりました。
http://ascii.jp/elem/000/000/704/704752/
「ファーストサーバ、大規模障害での顧客データ復旧を断念」 (ASCII x TECK)
■ クラウドの落とし穴 ■
このファーストサーバーが提供するサービスの一つに
「サイボーズ」のオフィスシステムがありました。
顧客データーや、スケジュールデータ、その他のデータを社内で共有したり、
ミーティングのスケジュールを管理するシステムです。
一般的には社内サーバー内に構築されるシステムですが、
小規模な会社などでは、社内サーバーはメンテナンス等コストが掛かります。
そこで、レンタルサーバー内にこの様なシステムを構築して、
それを、サービスとして顧客に提供していました。
今はやりの、「クラウド・コンピューティング」ですね。
一般的には、これらのサーバーはバックアップがしっかりしているので、
サーバーにトラブルが生じてもデータの消失が防げます。
ですから、脆弱な社内サーバーよりもある意味信頼性が高いはずです。
ところが、今回は肝心のバックアップまで消去してしまうという、
まさに原発事故の様な?、起こり得ない事故が起きてしまった。
今回はデータの喪失がプログラムのバクから発生した事故ですが、
悪質なウィルスやハッキングでこの様な事態が発生す可能性もゼロではありません。
ネット社会は便利ですが、
データは実体を持たない存在です。
いわゆる、バーチャルと言われる存在です。
現代の社会において、活発に価値を生み出しているのは
バーチャルの世界です。
ネットビジネスや、オンラインゲームなど、
かつてインターネットの黎明期に夢として語られていたサービスは、
いつの間にか現実のものとなっています。
クラウドコンピューティングの発展は、
近い将来、現実の世界でのオフィスを凌駕してゆく事でしょう。
「昔は通勤ラッシュなんてあったねぇ」
などと、懐かしく語る時代がやって来るのかも知れません。
その一方で、ネットワーク空間で大規模な障害が発生すれば、
社会が破壊的ダメージを被る事に繋がります。
私達は不測の事態に備えて、
大切なデータは個人でバックアップしなければなりません。
尤も、ハードディスクがクラッシュして、
家族の5年分の写真が無くなっちゃった・・・
そんな話は、身近にもゴロゴロしています。
やはりデータの世界は「虚」な存在なのかも知れません。