2012年12月末
2013年3月
■ 毎度おなじみのGS毎月分配型ファンド「妖精物語」の定点観測 ■
1月はほとんど変化の無かったGSのファンドのポートフォーリオですが、
2月に大きな変化が見られます。
1) イタリア国債などヨーロッパの不安定国の国債の比率が急上昇
2) モゲージ債(MBS)の比率が低下
3) 韓国国債がとうとうトップに・・・
4) BBB格の債券が大幅に増大
5) 国債から社債へ
個人にも公開されている債券ファンドの運用内容ですが、
継続して観察していると、結構面白いものです。
■ イタリア国債の売り浴びせでもするのか? ■
このファンドでユーロ圏の債務国の国債が買われた一ヶ月後くらいに
必ず、その国債の暴落が発生する傾向があります。
どうやら、今月あたり、アメリカの投資銀行やファンドが
南欧諸国の国債に仕掛ける予感が・・・。
当然、ユーロは再び下落し、一段の円高になる恐れも。
一方、ユーロ圏を回避した資金は、日本株に向うかもしれないので、
日本株の本格的な下落は、しばらくは回避できるのでは?
■ GSと韓国の関係って? ■
いつも上位に居る韓国国債がとうとう最上位に。
これは、買い増されたというよりは、「塩漬け」かな?
韓国をさかんに持ち上げるGSのポートフォーリオから
韓国国債が消える時、韓国で何かが起きるのでしょう。
何れにしても、私達が知る事が出来るのは、事件が起きた後になるので・・・。
■ 社債の比率が高まる=ジャンク債市場が復活? ■
国債から社債への転換も見られます。
BBB格が増えたのは、社債の購入の影響でしょうか。
アメリカでジャンク債市場が回復している事を裏付けているのかも知れません。
米企業の収益改善の原因のひとつに、資金調達コストの低下が挙げられるかも知れません。
アメリカの製造業の予測はあまり明るいものではありませんでしたが、
資金コストの削減が影響して、決算内容は悪く無いのかも知れません。
これって、景気回復と言うよりは、「債権金融システム」の再拡大でしか無いような・・。
■ BBBの債券ばかりじゃないか・・・ ■
現在の債券市場は最高格付けの米国債ですら実際的にはAAが相応しい。
S&Pは米国債の格付けをAAに引き下げていますし・・・。
そういう目で見れば、格付けは1段ずつゲタが履かされた状態とも言えます。
という事は、BBBは実際にはBBでジャンク級・・・。
あな恐ろしや・・・。
■ MBSはFRBがお買い上げ? ■
モゲージ債(MBS)が減っているのも特筆すべきでしょう。
こちらは、安く仕入れて、高くFRBに売却したのでしょうか?
一時、GSがFRBから買い戻していたMBSを
又FRBに押し付けたとも言えますね。
■ 円安で相対価値は上がれども、中身はジャンクの債券ファンド ■
最近の円安傾向で、価格が下落していた債券ファンドも
だいぶ値を戻しています。
しかし、中身を見れば、身震いをする様な内容。
リスクを取らなければ運用益は上がりませんが、
一度、リスクが顕在化したら、紙屑同然。
こんな債券ファンドでも売買を繰り返して
利益を上げている人達が居るのは尊敬に値するかも・・・。
■ かなりリスクオンになっている ■
いずれにしてもAAA格のアメリカ国債や、
ドイツなどの健全国債中心で運用されていたファンドが、
いきなり、リスクの比重を高めています。
これが、米国経済の回復を見越したリスクオンなのか、
それとも、最後のバクチなのかは定かではありませんが、
ただ、ひとこと言える事は、
「リスクの取り方が普通じゃ無い」。
これがアメリカの景気回復という蜃気楼の本当の姿です。
ジャブジャブ供給される低利の資金が、
ジャンク債など、ハイリスクな市場を活気付けています。
住宅市場の回復も同様の原因で起きているのでしょう。
一端、資金の流れが変われば、資金流出が起こり、
ハイリスク市場が崩壊する事は明確です。
ダボスでGSの会長が警告を発していましたが、
仕掛けてるのは、オマエラじゃねえか・・・・って、いつもの事か。