■ アベノミクス効果が現れてきた? ■
建築関係の仕事をしているので、アベノミクスの効果がそろそろ現れています。
昭和40年代に建てられた大規模病院は、そろそろ立替の時期です。
それらの病院の立替需要は、リーマンショック以降も堅調でした。
大規模な病院は、広い土地の上に建っています。
これを担保にすれば、資金調達も用意ですし、
ある程度経営の安定した病院ならば信用もあります。
さらに、高齢者の増加によって、患者数は将来的にはウナギ上りです。
立替によって、最新設備を整えたり、病床数を増やせば業績の向上も可能です。
ですから、不景気の最中も病院の建替需要だけは、堅調でした。
アベノミクスによる低金利誘導と、将来的にインフレ期待は、
病院の建て替えに拍車を掛けている様です。
銀行は優良貸し出し先としての病院に、
「建て替えるなら今のうちですよ」と囁いているに違いありあません。
■ 不動産投資が再開される ■
黒田バズーカ砲は、国債金利の乱高下というショックを引き起こしましたが
日銀が銀行との対話を開始したので、混乱は次第に収まるでしょう。
金利も少しずつですが下がり始めました。
長期国債の金利低下は、不動産市場を活性化します。
将来的なインフレ期待とあいまって、
個人の不動産投資も再開されるでしょう。
確かに長引く不景気で、不動産価格は底値でした。
値上がりが確実に期待されるのは日本株と同様です。
勘の鋭い方達は、昨年の選挙前頃から仕込みを始めていた様です。
GSが日本の不動産投資の増額を発表したのは昨年の5月末でした。
ゴールドマンが日本の不動産投資再開、4年で4000億円目指す(ロイター・2012//)
ここら辺は、公認インサイダーの動きですから、
彼らは現在の状況をある程度掴んでいたのでしょう。
当然、勇気を持って追随すればオコボレに預かれます。
■ 住宅購入は将来的な収入が安定しているかどうかで決めるべき ■
池田信夫氏が、永年の借家住まいに終止符を打ち、住宅を購入された様です。
アベノミクスを批判しながらも、流石に経済に詳しいだけあって
インフレを予測しての行動かと思います。
尤も、彼の予測するインフレが良性だけとは限りませんが・・。
確かに、現在は住宅価格もそれ程上昇していませんし、
消費税の増税前なので、住宅購入には最適の時期かも知れません。
もう少しすると、円安による輸入資材の上昇が始まり、
建築コストが上がり始めます。
但し、住宅を購入されえる場合、次の2点に注意が必要です。
1) 将来的な安定した所得が約束されているか
2) アベノバブルの崩壊リスクをヘッジ出来るか
もし仮にリーマンショック以上の金融危機が発生した場合、
あなたの会社は存続出来るでしょうか?
あるいは、あなたはリストラされずに会社に残れるでしょうか?
これは個人の能力と、会社の経営の問題です。
ここに不安を持っている方は、慌てて万ジョンなどを購入すると痛い目に合います。
■ 不動産はリスク資産である ■
不動産購入で一番怖いのは、やはり失業でしょう。
金融危機の再発などで経済が混乱した場合、
不動産価格は一時的に暴落します。
マンションの返済が不可能な事態に陥ってマンションを手放しても、
中古マンションは値下がりしています。
仮に4000万円の物件ならば、3000万円になっている可能性もあります。
返済期間にもよりますが、結局、1000万円の負債が手元に残る事になります。
これが民間の賃貸であれば、月額13万円の4LDKを借りていたならば、
月額7万円の木造の2DKに引っ越す事も可能です。
「そんな事言ったら、一生家を持てないじゃないか」と言われそうですが、
結局、先行きが不透明な時代には、借金はなるべく小さくしておきたい。
ですから、頭金をきちんと貯めて、
なるべく借り入れを小さくするのがローンの鉄則です。
これは、多分に我が家の反省を踏まえています。
経済状況如何によっては、不動産は資産では無く
不良債権となってしまうのです。
■ 日銀バクチにバクチ投資で対抗する ■
一方、日銀が率先してバクチ経済を推進しているのだから、
個人もバクチ投資で対抗するというのも悪くはありません。
日銀の円の過剰発行は、必ずや不動産バブルを作り出します。
世界経済が2年くらい持ちこたえられるならば、
金利の安い今、不動産を購入して、値上がりしたら売り抜ける事も可能です。
さらにエグイ状態の想定も可能です。
日本の財政が破綻状態になり、
高率のインフレが発生した場合
固定金利で不動産を購入した人は、長い目で見れば勝ち組になります。
これは、マンション投資で儲かると言うより、
インフレ対策としての資産保全と言えるでしょう。
ただしバクチですから、余ったお金でやるべきです。
■ 空き室が怖いマンション投資 ■
賃貸目的でマンションなどを購入する場合、
借り入れをして投資した場合は、
空き室が発生した場合は、ローンの支払いが丸々負担として発生します。
賃借者は、個人の都合で転居しますから、
契約途中ので転出も少なくありません。
転勤シーズン以外で空き室が発生すると、
半年以上も次の入居者が決まらない場合も有り得ます。
さらに、4年くらい入居したマンションの壁紙のリフォームは、
ほとんどが貸主の負担になります。
床のリフォームも、ある程度の年数が経てば貸主負担です。
結構、リフォームの代金もバカになりません。
ですから、賃貸マンションに投資する場合は、
空き室が出ない立地が絶対条件になります。
駅から徒歩10分の立地では、都心から15分という浦安ですら、
空き室はなかなか埋まりません。(値下げすれば直ぐに埋まりますが・・)
■ リスクオンムードの日本ですが、投資は慎重に ■
マスコミが煽り立てて、リスクオンムード一色の日本ですが、
世界経済を眺めると、あまり楽観的では居られません。
目先の効く方達は、昨年後半から投資を拡大し、
目ぼしい優良物件は既に押さえているでしょう。
これから手に入る物件は、収益性が低い物と考えた方が良いかも知れません。
(丹念に探せば、優良物件も残っているかも知れません)
だいたい、雑誌が投資を煽る様になればバブルの兆候です。
一説には、女性雑誌が投資ページを常設したら、バブル崩壊は必至だそうです。
黒田日銀が率先してバブルを煽っていますが、
皆さん、くれぐれもお気をつけて、儲けて下さい。
■ ヘッジ出来ないリスク ■
最後にどうしてもヘッジ出来ないリスクが日本にはあります。
それは・・・地震です。
これだけは明日来るかも知れませんし、
100年後かも知れません・・・。
地震が活動期に入っているだけに
海外の投資家も、「カントリーリスク」として地震を認識し、
やはり日本への投資に慎重になる一面もある様です。
東京で巨大地震が発生するならば・・・これはもう不運と諦めるしか無い。
日本とは、そういう国であり、無常な国なのです。