
■ 二つのウイルス感染は同時には起こらない ■
イギリスの研究では、インフルエンザウイルスと風邪(ライノウイルス)の同時感染は起こり難いと報告されています。A型インフルエンザに感染していると、ライノウイルスの感染を70%抑制する。この逆も起こっています。
原因は不明ですが、ウイルス感染を起こすと、免疫系が活性化されるので、新たなウイルスが浸入しても増殖する前に駆逐されるという意見も有ます。或いは、感染させる細胞を奪い合う為に、優勢で無いウイルスが淘汰される可能性も指摘されています。
■ 2019年度のインフルエンザの流行は突然止まった ■
上のグラフはここ数年のインフルエンザの患者の定点観測データです。東京都の保健局の資料です。
赤線が2019年シーズンのグラフですが、例年より早く感染が拡大が始まった事が分かります。ところが、51週目(12月16日-22日)になって感染が頭打ちになります。これは学校が休みに入る影響だと思われます。インフルエンザは子供が感染し易く、学校で感染が拡大して、それを仮定で親にうつすパターンが多い。ですから、例年も51週目辺りで感染が減少する傾向が見られます。
特異的なのは学校が始まった1月の2週目以降、例年ですと感染ピークに向けて感染者が大爆発する時期ですが、今年は流行が収束に向かっています。安倍首相が学校に休校を要請したのは2月26日ですから、これよりも相当速い。
国内で新型コロナウイルスの市中感染が確認されたのは1月15日で、1月末までに散発的に12件の感染が確認されています。新型コロナウイルス対策会議の第一回目の会合が1月31日、専門家会議の設置が2月16日です。
2月初旬までは国内で一般の方は新型コロナウイルスの感染にそれ程注意を払っていませんでした。手洗いを徹底したり、テレワークが推奨され始めたのは2月中旬以降だったと記憶しています。
ところが、人々が新型コロナウイスに対する警戒を強める前の1月初旬から、インフルエンザの感染はピタリと止まっています。
これは、インフルエンザとは別のウイルスの感染拡大が起こり、インフルエンザよりも優勢になった事を示唆していないか・・・。
■ 1月初旬にはそれなりに蔓延していた? ■
私がインフルエンザかなと疑う風邪に掛かったのが1月15日。咳止めが効かず、乾いた咳が続きました。咳止めは痰を流れ易くする事で効果を発揮しますが、この時は痰が出なかった。家内変な風邪だねと言っていました。
同時期、仕事先でも同様の咳の風邪が流行って皆さんマスクをして咳き込んでいましたが、検査してインフルの陽性が出ないので、皆さん咳をしながらも仕事を続けていた。中にはインフルが陰性なのでアレルギー性喘息の診断を受けた方も。この方は既に咳は出ていません。アレルギー性喘息は長引く事が多いので不思議に思っていました。
この咳の風邪は、2月下旬まで続いていたと思います。その頃、電車の中でも咳をする人が多かった。
3月になると咳をする人がグッと減ります。仕事先でも、電車の中でもあまり見かけなくなります。
この事から、私は新型コロナウイルスの感染は1月の初旬、或いは中旬には日本で始まっていて、インフルエンザの感染を抑え込んでしまったと疑っています。
■ イタリアの感染の始まりも昨秋という噂もある ■
<引用開始>
3月23日 Yahooニュース 「イタリアのロンバルディア、武漢のように昨年11月に原因不明の肺炎流行」
イタリア ミラノのマリオネグリ薬学研究所のジュゼッペ・レムッツィ所長は去る19日(現地時間)米国の公営ラジオ放送とのインタビューで「医師たちは昨年12月、また11月にも特に高齢者を中心にとても深刻で得体の知れない肺炎が発病したことを記憶している」と語った。
<引用終わり>
武漢から広がった様に見える新型コロナウイルスですが、コロナウイスが広がっていると武漢の医者が警告を発したから、武漢が最初の感染源だと思われているだけで、実はイタリアでは昨秋から感染が始まっていたのかも知れません。ただ、インフルエンザの優勢に押されて感染が拡大出来なかっただけでは無いか?
日本でも、もしかすると昨年末頃より新型コロナウイルスが密かに感染を始めていたのかも知れませんが、例年より早く始まったインフルエンザに圧倒されて感染拡大が遅れていたのかもれません。
子供の学校が休みに入り、インフルエンザが感染速度を緩めた時、入れ替わる様に新型コロナウイルスが優勢になったと考える事も出来ます。その結果、年明けからのインフルエンザの流行がピタリと収まってしまった。
■ アメリカのインフルエンザの死者の中にも混じっていた可能性が高い ■
アメリカは今年、インフルエンザの当たり年で多くの死者が出ていますが、この中にも新型コロナウイルスの患者が混じっていたかも知れません。多くの貧乏人がインフルエンザに罹っても病院に行けずに亡くなる国ですから、死者の症状がインフルエンザの様であったならインフルエンザの死者に加えられてもおかしくありません。
武漢で感染が始まったのは昨年12月頃ですが、その後、武漢で急激に死者が増加したのは、単に「新型」である事に気付いてしまった為に「医療崩壊」が起きてしまっただけかも知れません。
むしろ、イタリアか、アメリカか、或いは他の国から、中国人旅行者がウイルスを輸入してしまった可能性もあります。ただ、症状が軽く、重症化してもインフルエンザに近い症状なので、感染が見逃されていた?
■ 手洗いやマスク程度で感染拡大が防げないのはインフルエンザも同じ ■
人々が新型コロナを恐れ、手洗いを徹底し、マスクを着用し、人との距離を広げても、新型コロナウイルスは着実に広がっています。
同様にインフルエンザの感染が、手洗いやマスク程度で収束するとは思えません。それなのに、子供達が冬休みが明けて学校に戻った後も、今年のインフルエンザはピタリと収束してしまった。
この異様な状況に納得できる答えを与えてくれるのは、新型コロナウイルスの感染は実は昨年末か1月初旬には、始まっていたという仮説が最も有効だと妄想しています。
「武漢が本当に最初なのか」・・・・事件は現場に戻って考え直す事も時には重要です。
いつ感染が始まったかを、今となっては調べる手立てはありません。ただ、抗体検査をすれば、国民のどの程度が感染しているかがハッキリします。今、日本国内では感染拡大が始まった様に報じられていますが、韓国の感染拡大を見ると、日本も同時期には遅くとも感染は広がっていたハズで、韓国よりも検査数の少ない日本では、感染拡大ペースも速かったハズです。
先週から急増したかに見える日本の感染者ですが、単に検査数に比例して増えているだけです。
確かに3月の連休で海外から持ち込まれたウイルスも有るとは思いますが、徹底した検査をして来なかった(同時に対策もして来なかった)日本だけが、感染が広がらないというのは科学的にナンセンスです。むしろ、とっくにピークは過ぎてしまったと考える方が合点が行きます。