東洋経済オンラインに新型コロナウイルスの新規PCR検査数と新規感染者数の日毎の人数が分かるデータが乗っていましたので、ちょっとエクセルにぶち込んでグラフ化してみました。
新型コロナウイルス国内感染の状況 東洋経済オンライン
PCR検査数に日毎に大きなバラツキが或るので、月曜日から日曜日までの1週間の集計としています。又、PCR検査の実数が表示されているのは3月5日以降なので、その週は1週間未満に日数の集計となっています。
新規のPCRの検査数と、新規の感染者数をグラフ化してみました。
対数グラフで無いので、新規感染者数が小さく表示されて良く分かりません。そこで「新規感染者数/新規PCR検査数」のグラフを作ってみました。
元々の検査数が少ないので、3月20日以前の週の精度が非常に悪いのですが、小池都知事が記者会見して、追跡不可能な感染者が増えていると発表した時を境にPCR検査者の感染率が上昇に転じています。
3月5日以降は感染者の濃厚接触者もPCR検査を実施しているので、検査数の少なさの問題は有りますが、比較対象は同じものです。
私の周囲でも、3月20日以降に乾いた咳をする人を見かけます。3月に入ってから見掛けなくなっていたので、確かに新型コロナウイルスの感染が再び拡大し始めたのかも知れません。その理由を考察してみました。
Aパターン・・・海外から変異株が流入した
1) 昨年末から2月下旬に掛けて「弱毒性」の新型コロナウイルスが国内で感染を広げた
2) 3月に入って弱毒株の感染ピークが過ぎて患者数が減少に転じた
3) 3月の連休で海外に渡航した方が、多分ヨーロッパで変異した新型コロナウイルを持ち込む
4) 変異ウイルスは感染力が強く弱毒株より優勢になりつつある
問題は変異ウイルスの毒性ですが、日本人の多くが既に弱毒株に感染して抗体を保有していれば大した脅威にはならないでしょう。元は同じウイルスの亜種ですから、抗体が働いて感染しても軽微な症状か、発症すらしない可能性が有ります。
ただ、今まで自宅などに引きこもっていて弱毒株に感染されていない方が感染した場合は、どういう症状になるのか分からないので注意が必要です。イタリアやスペイン、或いはアメリカの様に高齢者を中心に多くの重症者や死者が出る可能性は否定出来ません。
ただ、今の所、重症者数や死者数は週平均でそれ程変化は見られません。後、1週間から2週間は注意が必用ですが、仮に変異株が流行したとしても、死者と重傷者が増えなければ、今まで通り日本人にとって脅威とはなりません。(経済的には脅威ですが)
Bパタン・・・・一時的な感染の再拡大
これもウイルスの感染症では良く起きる事ですが、一旦は収まったかに見えた感染が再び勢いを増した。
1) 国民の感染予防の徹底により国民の6割の感染(集団免疫)が達成されていなかった
2) 3月の連休で気を抜いて外出した人達が感染して、感染の第二派が発生した
3) 感染は集団免疫が獲得されるまで続くが、規制を強めると、それまでの期間が長引く
このケースでも、重症化する人が極端に増えなければ医療崩壊は起こりません。ただ、PCR検査の数をいたずらに増やすと、見付けなくても良い感謝をいたずらに増やしてしまうので、この様な軽微な症状の感染者で医療機関が麻痺しない様に、政府は緊急事態宣言を発動して、ホテルなどの施設を接収出来る様に準備したと思われます。
Aパタンにせよ、Bパタンにせよ、重症者が増えだすと厄介で、特に高齢者施設などが問題となります。仮にAパタンだった場合、高齢者施設での院内感染はほとんど起きていませんでしたので、変異株の毒性が高い場合は重傷者の数が増える可能性が有ります。
何れにしてもAパタンかBパタンかはDNAの解析をすれば明かになるハズです。政府は緊急事態宣言の経済への影響も充分に理解して発動をなるべく避けて来ましたが(多分、経団連の要望)、世論に押される形で発動せざるを得なくなりました。
今さら、弱毒だから普通に生活しても構わないとも言えないので、とりあえず軽症者の受け皿だけは準備しましたというのが今回の緊急事態宣言の中身でしょう。重症者のベットを確保する為にも、軽症者をどこかに突っ込む必要が有りますから。
本当はPCR検査を制限する従来のやり方が一番良いのですが、そろそろ世界的にも風当たりが強く、日本からの渡航を禁止する国も増えてしまったので、そろそろ「やっている感」を出さざるを得ない時期なのかも知れません。
本当は抗体検査の方が安上がりで、社会的負担も少ないのですが・・・・そこまでの勇気は無いと見た。
いい加減なグラフですが、昨年末に感染が既に始まって2月末頃に感染ピークがあったと仮定します。大した感染対策も政府はしていなかったので、青線の様に、多くの国民が知らず知らずの内に感染していれば、今回の感染の再拡大の山は小さくなります。
一方、人々の感染対策が効果を発揮して、感染率の伸びが悪かった場合、今回の感染拡大の山は大きくなるかも知れません。(赤線)
私は青線だと妄想していますが、PCR検査の人数も増やす様なので、「新規感染者数/新規PCR検査者数」の週ごとの数値を追っていれば、ピークアウトの時期は凡そ予想が付くかと思われます。