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「免疫証明書」を発行するドイツ...合理的対策とは

2020-04-04 05:45:00 | 新型コロナウイルス
■ 「免疫証明書」■

新型コロナウイルスに感染せず、かつ、ウイルスを媒介しない人は誰か?
答えは簡単です。「一度感染して免疫(抗体)を獲得した人」です。

ドイツは抗体検査を実施して抗体反応のある人に「免疫証明書」を発行すると発表しました。免疫獲得者はロックダウンの対象から外し、社会生活に復帰させる。イギリスも抗体検査キットをAmazonで国民に配布するそうです。

郵便で各家庭2枚のマスクを配布すると胸を張って発表した、何処かの誰かさんとは次元の隔たりを感じます。

■ 狩猟民族と農耕民族 ■

狩猟民族は危機が迫れば他人を気にせず逃げます。下手に助けに入ると自分の命も危機に晒す事になるからです。これが「自己責任」などと呼ばれる行動原理。一方で、危機が去ったと思ったら、いち早く狩に出ます。いつまでも閉じ籠っていたら飢え死にするからです。

一方、農耕民族は危機には集団で立ち向かいますが、その危機は水害や旱魃など人間の力でどうこう出来ないものも多い。その場合は「皆んなで耐え忍ぶ」戦略を取ります。備蓄食料をなるべく平等に分け合い、村人皆で天に祈ります。その事によって集団の結束は深まり、「絆」の深まりに喜びすら見出します。一方で、集団に危機が及ぶ様な勝手な行動を徹底的に嫌います。

新型コロナウイルスの各国の対応を見ていると、その国が狩猟民族の国か、農耕民族の国かがよく分かります。

「免疫証明書」を発行してさっさと狩場に戻る国と、検査によって「異分子」が見つかる事を恐れる、集団帰属へのアイコンとしてのマスクを平等に配る国。

■ 日本で抗体検査が出来ない訳 ■

日本の感染の始まりは欧米より早かったので既に感染して免疫を獲得した方も多いでしょう。欧米より緩い検査体制にも関わらず日本人だけ感染しないと考えるのは科学的では有りません。

厚労省はクラスターの早期発見と徹底的な追跡調査が効果を発揮したと言いますが、無症状の感染者が満員電車で移動しまくる日本で感染拡大が防がれていると考えるならば、科学者や医者失格です。きっと頭の中は桜が満開でしょう。

厚労省の技官とて自分達の対策で感染拡大が防げていると妄想している人は皆無ですが、建前上、「成功している」事になっているので、抗体検査を実施して多くの免疫保有者が見つかる事は非常に都合が悪い。

さらに、安倍政権は「感染拡大を抑止している」という事を政治利用していますから政権が抗体検査を許す訳が無い。

一方国民も「免疫を持った人」と「免疫を持たない人」に分類される事を嫌うでしょう。特にお花畑方面の方々が「差別が生まれる」として猛反発しそうです。「免疫保持者」が少数ならば「皆んなで頑張ろう!」となりますが、大半の人が免疫を持っていた場合、免疫を持っていない人は疎外感を味わい、過剰反応して自暴自棄になる人すら現れるでしょう。

■ メディアの役割は抗体検査を政府に要求する事 ■

国民もメディアもPCR検査を積極的に行わない政府を批判していましたが、これは村を脅かす存在を発見して排除したいという欲求の裏返しです。それが極端に発揮されたのが韓国です。

そして北朝鮮では感染者とその家族を家に閉じ込めてドアに釘を打ちつけて隔離しているとも報道されています。これが農耕民族的反応の最も顕著な形です。

日本人も会社で感染者が発見されたら、「あいつがウイルスを持ち込んだ」と影で悪口を言うでしょう。厚労省がPCR検査を大規模に実施しなかったおかげで、多くの「排除されたかも知れない人」が救われました。

現在は各国、抗体検査によってどの程度「集団免疫」が確立したのか確かめる段階に入っています。本来ならばメディアは政府にこれを要求するべきです。

しかし、日本のメディアはどこも大本営発表を復唱するが如く「日本では幸い感染は抑えられて来たが、今国民が団結して外出を自粛しなければ感染爆発がいつ生きてもおかしくない」と国民を脅します。

メディアには科学部の方もいらっしゃるでしょうから、「もしかすると日本人は感染しても軽症が殆どで既に集団免疫が確立しているかも知れない。抗体検査でそれを確認してみたらどうか」と書くべきですが、これは政府の「外出自粛の徹底」を揺るがすので認められないでしょう。

■ 欧米の抗体検査でチンケな毒性が判明する ■

欧米諸国の抗体検査によって驚くほど多くの感染経験者が発見されるでしょう。それによってこのウイルスの致死率は統計的には一桁下がる可能性は高い。要は若い人にとっては「ただの風邪」であり、高齢者にとっても来年からは「インフルエンザ以下」の脅威にしかならない事が判明します。

「我々はこんなチンケな毒性のウイルスに何を怯えていたのか」と反省の声が沸き起こるはずです。

事、ここに至って初めて、安倍政権は国民への抗体検査を開始すると私は妄想します。多分6月に入っている事でしょう。既にその頃には長引く自粛によって日本経済は回復不能の痛手を負っているはずです。


そうならない為にも、早急な抗体検査の実施をお勧めします。