■ 抗体検査とは ■
ロックダウンからの正常化で重要になる抗体検査。抗体を持っていれば既に感染しているので再感染の危険性は低くなります。(WHOは抗体保有が再感染を完全に防ぐ根拠は無いと発表していますが確率の問題です。誰かWHOを解体してくれないだろうか・・・トランプさん、お願い!!)
ところで抗体検査ってどんな検査方法なのでしょうか。
一般的に抗体検査はIgM抗体とIgG抗体の有無を調べる様です。
1) ウイルスが体内に侵入する
2) 樹状細胞がウイルスのタンパク質の一部を「抗原」として提示
3) T細胞がそれを受け取り、キラーT細胞となってウイルスを攻撃(貪食)
4) T細胞の一部はヘルパーT細胞としてB細胞に抗体生産を指示
5) ナイーブB細胞は抗体生産の指示を受けると、IgM抗体を生産
5) ナイーブB細胞がメモリーB細胞に分化しIgG抗体を大量に生産
yYahooニュースより
感染初期にはIgM抗体が生産されますが、その量はそれ程多く無いので「応急処置」的な抗体とも言えます。その後、ナイーブB細胞がメモリーB細胞に分化し、IgG抗体を大量に作り始めます。これにより本格的なウイルスへの反抗作戦が開始されるのです。IgMは3カ月程で低下し、IgGは10年程度持続され、体をウイルスから守り続けます。
抗体検査は血液を少量採取して検査キッドに垂らします。そこにバッファーと呼ばれる液体を垂らすと、血液成分は毛管現象で検査キット上に広がり、IgM抗体、IgG抗体に反応して発色する試薬の場所に到達します。最期に血液成分で発色するゾーンに到達する事で、キッドの末端まで血液成分が到達した事が確認されます。
下の図は、検査キットの反応の仕方を示すものです。岩井化学薬品様のページから拝借しました。
上段が検査が成功したケース。青丸の部分に垂らした血液がキッドの末端まで到達した事が「C
ntrol」の部分に反応が出ている事で確認出来ます。
1)感染初期 IgM プラス(+) IgGマイナス(-) Control (+)
2)感染から3か月程度 IgM プラス(+) IgGマイナス(+) Control (+)
3)感染から3か月以上 IgM プラス(-) IgGマイナス(+) Control (+)
4)反応無し IgM プラス(-) IgGマイナス(-) Control (+)
下段は「Control」に発色が現れないので、何等かの理由でキット上を血液が上手く拡散しなかったが、検査に使用した血液が足りない可能性を示唆しています。要は失敗。
下の表は、実際の新型コロナウイルス感染患者(発症者)で、ある抗体検査キットの性能試験をした結果の論文から拝借しました。
新型コロナウイルス感染症患者におけるイムノクロマトを原理とした 抗体検査キットによる血清抗体の検討
(九州大学)
残念ながらこのキットではIgMの捕捉が悪く、IgGしか検出されなかった様です。PCR検査が陽性で、発熱が確認された日を1dayとしている検査です。
IgG抗体の反応が出るのは、発熱(発症)後10日目位からで、PCR検査は速い人で14日目に陰性になっています。(長い人で30日程)
このキットの検査結果から分かる事は
1) IgG抗体は発症後10日程度で出現する
2) IgG抗体が出現してから4日から20日程度でウイルスは殲滅される
■ IgM抗体の反応がしっかり出る検査キットで検査する必要性が有る ■
私はチラホラ伝え聞いた所によると、医療機関などで抗体検査をするとIgGのラインだけが検出されるケースが有る様です。九州大の評価したキッドもIgMを検出出来なかった様なので、この様な性能の低い検査キッドが私用された可能性が有ります。
しかし、仮にIgMの反応が良い検査キットで検査した結果、IgMの反応が出ないのであれば、その方の感染は3か月い以上前だった事になります。
■ 政府は500人を対象に検査キットの性能評価を行う ■
政府は関東と東北の献血500人分を使って、抗体検査キットの性能評価を行うと発表しています。
関東は感染者が多いので、そのサンプル。東北、特に岩手などは感染者が少ないのでそのサンプルでしょう。
一人の血液につき数種から十数種類の検査キットを検査して、IgM,IgGの反応性の高い検査キットを今後の抗体検査に採用するのでしょう。
製薬会社のロッシュは「中国製を始めとして、あまりにも性能の悪い検査キットが多すぎる。我が社のキットはパーフェクトだ!!」と発表していますが、実際に粗悪なキットが沢山出回っているのでしょう。イギリスもインドも中国製のキットは使い物にならないと発表しています。
■ IgMの反応性の悪いキットでは感染時期が分からない ■
抗体検査は抗体の有無を調べるだけでなく、IgMの有無を調べる事で、凡その感染時期を知る事が出来ます。
IgM抗体は感染後3か月程で反応が出なくなる様なので、正確なキットで検査して、IgGの反応だけ出た人は感染が少なくとも3か月以上前だった事になります。
仮に、5月初旬に大規模な検査を行った結果、IgGの反応だけの人が多ければ、感染は2月初旬以前には広がっていた事になります。これは政府にとっては「不都合な真実」なので、抗体検査は6月中旬以降に実施されるのでは無いかと私は予想しています。
抗体検査を実施しなければ正確な感染者数が分からないので、緊急事態宣言の解除も日本は6月中旬以降になると私は予測します。
・・・オリンピックの為に嘘を付いたツケは高く付きそうです。