シリーズ第3作。もう続編はない、と思っていただけに、とてもうれしい。この大家族の中に入って、彼らの心地よい世界でまどろむことは快感だ。昔はどこにでもこういう風景があった。一つ家でみんなが暮らし、お互いに干渉したり、助けあったりして生活していく。そして、どんどん人間関係が広がっていき、次々いろんな人たちが彼らの輪の中に入っていく。そんな家族の輪が、この小説の中にはとても丁寧に描かれている。読んでい . . . 本文を読む
今年で3年目を迎えた楽市楽座による「同じ演目を繰り返し繰り返し上演していくことで劇団のスタンダードを作り上げていく」という作業。続編ではなく、再演。しかも、役者の一部変更も含めた改訂を繰り返すことで作品世界をどんどん深めていくとする作業。関西の小劇場界でこういう大胆な試みを、しかも、集中的にこなそうとした劇団は、ない。あまりにリスクが大き過ぎるし、題材自身にもそこまでのめりこめることができないか . . . 本文を読む
チヤン・ユアン監督の新作を偶然見ることにした。余談だが、本当はこの日は子供鉅人『電気女 夢太る』を見に行くつもりだったのに、『1798年、冬』を見たら、続いてここ(シネ・ヌヴォー)で上映するので、予定を変更してしまったのだ。せっかくこんなところまで来てしまったのだから、出会いを大事にしよう。
と、いうことで、『小さな赤い花』である。『1978年、冬』とは別の意味でこれも面白い映画だった。
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この夏モーニングショーで公開され、一瞬で消えていった映画である。どうしても見たかったのに見れず、DVE待ちか、と思っていたが、偶然にも、たった1週間、朝だけシネヌーヴォーで上映されることになり、見てきた。
こういう上質の映画と出逢えたら、もう何もいらない。ただ、その余韻に浸れたなら、それだけでいい。荒涼とした中国西北部の地方都市、西幹道(いったいそれって、どこにあるのだろうか。そんなことも知 . . . 本文を読む