2011年に制作され、2012年に公開された大林宣彦監督渾身の1作。公開時にはゲリラ的な上映だったので、見に行けず、DVDを待つことになったのだが、なかなかDVDにならず、ヤキモキした。ふつう公開から半年くらいでレンタルされるのだが、この作品はとても大事にロングラン劇場公開がなされ、さまざまなところで、上映が続いたのだ。大阪で見られないのなら、地方での上映に駆けつけても見たい、と願ったが、なかな . . . 本文を読む
この芝居のチラシを見たときは、衝撃だった。わら半紙で週刊誌の記事仕様。その冗談のようなチラシは、2劇らしい、で済ましてもいいけど、それにしても、この柴田惇朗。何者だ! ここまで大胆に自分を押し出してくる新人って。2劇には阿部茂さんがいる。もちろん、番頭の音間哲さんもいる。そして、たくさんの先輩たちもいる。彼らを差し置いてこいつは何様?
女優達をはべらしてハーレム状態で、芝居作りか? それを . . . 本文を読む
子供が小学生になり、仕方なく、PTAの役員になる。そこで生じる様々な戦い。すさまじいバトルの連続技で、しかも、自分から敵を作るようなバカな対応ばかりしてしまうし。でも、持ち前のガッツで「ブルドーザー」(会社でのあだ名)のように乗り越えていくし。
この主人公と一緒に不条理の世界にようこそ。
6年に及ぶ7つのバトル。(7話構成。7つのエピソードからなる短編連作スタイルの長編)ここに描かれた . . . 本文を読む
オリゴ初のカフェ公演を岩橋さんはとても楽しそうにやっている。カフェであることを、とことん活用してそこで遊ぶ。その空間を利用してできることをやり尽くそうとする。不自由すら自由に遊ぶのだ。外からの光や音だって取り込んで、そんなのかまわないよ、と(まぁ、ことさらそれを強調するのではないけど)自然体の芝居を目指す。
舞台上手手前、というか客席に食い込んで、そこにテーブルを用意してある。そこにはカップ . . . 本文を読む
なぜ、今頃、『銀河旋律』なのだろうか? もう、高校生ですら飽きてしまったような素材を取り上げる以上、思いもしない新機軸を展開させてくれることを期待した。そうでなくては納得しない。だが、そうではなかった。とてもオーソドックスに、無邪気に芝居を見せてくれる。おいおい。
キャラメルボックスが好きだから、あんなのを僕たちもやりたい、というレベル。もちろん、それはそれでいい。悪くはない。テンポよく、こ . . . 本文を読む
「第31回横溝正史ミステリ大賞」受賞作らしい。『冬空トランス』を読んだ関係で、先にも書いたように、ついつい手にしてしまったが、予想を遥かに上回る怪作で、こんなので、いいのかと頭を抱えた。北村薫とか、馳星周とか、綾辻行人が絶賛しているけど、ありえません。
『冬空トランス』も酷かったけど、これはその比ではない。あれはこれのスピンオフなのだが、先にこれを読んでいたなら、もう読まなかったはずだ。こちらは . . . 本文を読む
昨年の福岡アジアフォーカスで、上映され、劇場でも公開された韓国映画。僕に言わせれば、こんなのは、たわいもないただのB級コメディなのだが、それがどうしてこんなにも評価されたのか。不思議でならない。
見ながら、退屈で仕方なかった。娯楽映画としては及第点の作品かもしれないし、韓国では受けたかもしれない。だが、ここにはそれ以上のものは何もない。最初はやくざの抗争を描く映画なのかと思わせて、すぐにバカ . . . 本文を読む
こういうインディペンデントなアメリカ映画は、なかなか日本では公開されない。それだけに貴重な1作。それにしても、とても小さな話だ。ビデオ撮りの簡単なホームムービーのような体裁で、撮られてある。脚本、監督、主演を務めたミランダ・ジュライは、わざと最小限の情報だけを用意して、映画を見せる。90分という上映時間もそうだ。1か月のお話ということも、である。それはたまたま助けた傷ついた猫を施設(動物シェルタ . . . 本文を読む
サブタイトルがこの映画を実に的確に示している。こちらを邦題にできたならいいのだが、今の時代はこういう映画のタイトルは受け付けない。仕方がないから、原題通りの『ペーパーボーイ』となる。まぁ、これはこれで的確なのだが。
真夏のお話だ。高校生の男子が、田舎町で起こった、とある事件の取材に同行することになる。犯人の無実を証明するため2人の新聞記者がやってくる。そのひとりが彼の兄貴だ。少年は運転手とし . . . 本文を読む
まさかこの秋、稲田さんの新作を見ることが出来るだなんて、思いもしなかった。彼女が作、演出を手掛け、Patchの若い役者たちが、彼女の世界を具現する。企画自体はPatch8番勝負という「8カ月連続で8人の作家と8つの作品を作る」というもので、これはその1本なのだ。だが、そんなことはどうでもいい。大体、僕はPatchが何なのかも知らず、ただ、稲田真理作品ということだけで、見た。
65分の中編作品 . . . 本文を読む
見る前から、不安はあった。前編があれだけ素晴らしかったのだ。誰もがあれ以上を期待する。しかも、前作はいろんな伏線を張りまくった。あれらがすべて収束するのだ。どうなるのか、ドキドキする。でも、こういう場合が一番危険なのだ。
そして、予想通りの展開となった。話がどんどん萎んでいく。2時間15分で終わらせるためには仕方がなかったのかもしれないが、ここにはなんのお話もない。スカスカだ。収斂させること . . . 本文を読む
こういうライトノベルを読むことはない。しかも、ミステリである。絶対にない。だが、世の中、絶対なんてことはないのだ。僕がこの本を読んだのは偶然である。いつものように読む本がなかったからだが、それでも普通ミステリは選ばない。推理小説も選ばない。でも、これは今時の高校映画研究部の話で、もと映研部員(30年以上前の話だが)の僕としては、ほんの少し気にならないでもなかった。8ミリ小僧だった時代から、遠く離 . . . 本文を読む
クリント・イーストウッド監督最新作。もうそれだけで、すべてを差し置いて見に行く。映画ファンなら当然の行為だ。内容がどうとかは後回し。どんな話なのかも知らないまま、まず見に行く。
今回は大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化らしい。音楽劇だ。でも、大丈夫。なんでも出来るのがイーストウッドだ。誰もが知っているポップ・グループ「フォー・シーズンズ」を主人公にして、50年代(から、なんと9 . . . 本文を読む