クリスマスプレゼントに貰った本(「これ頂戴ね」と前もって頼んだんだけど)、読み終わってしまいました。
面白い本は、読み進みたい気持ちが強い反面、「残り少なくなっちゃう~」という残念(もったいない)感もあるんですよねぇ。
コナン・ドイル財団公認のホームズ新作長編 と謳われてます。
作者がAnthony Horowitzと来ては、いやがうえにも高まる期待・・・
内容(「BOOK」データベースより)
ロンドンの美術商がアメリカで凄絶な事件に巻き込まれた。からくもイギリスに戻るが、新妻を迎えた家に忍び寄る不審な男の影。ボストンのギャングが追ってきたのか?相談を受けたシャーロック・ホームズは、「ベイカー街不正規隊」の少年たちに探索を命じるが、その一人が命を落とし、怒りに燃えるホームズを新たな罠が待ち受ける。「ハウス・オブ・シルク」の戦慄すべき秘密とは?衝撃の事件がいま、明らかになる。
一つの事件を追ううちに別の事件と絡む、はたまたホームズの大ピンチ! なんとも盛沢山の内容でした。
マイクロフト、ミセス・ハドソン、レストレイド警部、ベイカーストリート・イレギュラーズは勿論、The Resident Patient で登場した Dr. Trevelyan も出てきます!
筋金入りのホームズファンの中にはこの本に不満を持つ人もいるでしょうが、ワタクシはとても楽しみました。
途中で「戦慄すべき秘密/忌まわしい犯罪」がどういうものか想像ついちゃいましたが、その犯罪と、そもそもかかわることになった最初の事件とどう繋げるの?と興味が湧いてどんどん読み進んでしまったのでした もっとゆっくり読めば良かった…。
この時代の貨幣価値はどんなだったんだろう? とか、現代のタクシーのような存在の hansom cab の語源は何だろう?とか色々興味が湧いてきます。 あ!ずっと昔「正典」を読んだ時にも同じことを感じたような・・・成長しとらんな、自分。
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文体もコナン・ドイル「風」で、ホームズの世界が味わえました。
読みながら、ふと、コナン・ドイルの文体が「モノクロ」とするとアンソニー・ホロウィッツのは「カラー」という思いが浮かびました。 「正典」の文中、物を描写する場面に色が出てこないという事ではなく、読んでいて思い浮かぶのが「モノクロの雰囲気」だったのです。
写真でも映画でも、白黒だから劣る、カラーだから綺麗、とはなりません。
モノクロだから伝わる雰囲気ってあると思うのです。 同様に「カラーでなくては」という場合もあります。
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズもの60編は、聖書になぞらえて「正典」と呼ばれています。「正典」は、英語ではCanon、作者Conanのアナグラムでもあります。 この言葉を思いついたのはシャーロック・ホームズファンですね。
因みに、熱心な(熱狂的な?)ファンのことを日本、アメリカではSherockian と呼びますが、イギリスでは Holmesian が一般的だそうです。